フローリングの張り方8パターン!基本の定尺張りから人気のヘリンボーンまで種類別に紹介
フローリングの床といえば、尺が長い方の壁に添うように配置して張っていくという方法が一般的です。しかし、フローリング材の張り方は実に多彩です。お部屋と廊下でフローリングの張り方を変えることでメリハリがついたり、地続きの張り方をすることで解放感を演出したりと、張り方によってもたらされる印象効果は大きいものです。
今回は、配置の仕方一つで、お部屋の印象を変えてしまう程の視覚的効果を持つ、フローリングの張り方について、種類別に紹介していきます。
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フローリングの張り方8パターン
フローリングの主な張り方としては、定尺張り(ていじゃく)/りゃんこ張り、乱尺張り、斜め張り、ヘリンボーン、フレンチヘリンボーン、市松張り、朝鮮張り、すだれ張りの8種類があります。ここでは、それぞれの張り方の特徴や向いている場所、施工の難易度やコストを紹介します。
定尺張り/りゃんこ張り
特徴 | フローリングといえば、この張り方! というくらい、よく見かけます。部屋の壁に対して、垂直または水平方向に、同じ長さと幅のフローリング材を一定間隔で並べていく方法です。 定尺張りのなかには、二列目に張る床材の頭を、一列目の床材の長さの半分、あるいは3分の1のところから張りはじめるりゃんこ張り、あるいは、ずらし張りと呼ぶものと、長さを均一にしたフローリング材を一定間隔でずらしながら張っていく、れんが張りとがあります。 |
向いている場所 | すべてのお部屋 |
施工難易度 | 低め |
コスト | 6~8畳あたり10~13万円 |
乱尺張り
特徴 | 使用する床材の長さが、異なるものを使う張り方です。そのため、一度すべての床材を仮置きしてから接着していく方法をとる必要があります。こうすることで、全体のバランス調整が可能となるだけでなく、ランダムなつなぎ目によるリズムを作ることができます。同じ種類の木を使った床材であっても、木目が際立つものや節のあるものを用いる際に、よく使われる貼り方です。また、床材の長さを揃える工程が省かれることで、床材のロスが減り、コストダウンされる場合もあります。 |
向いている場所 | すべてのお部屋 |
施工難易度 | 低め |
コスト | 6~8畳あたり10~13万円 |
斜め張り
特徴 | 壁ではなく、床に対して斜めに床材を配置し、張っていく方法です。個性的な雰囲気を部屋に持たせたい場合や、狭い部屋を広く見せたい場合、台形や三角形といった、変形した部屋にフローリング材を使用したい場合などに使われる張り方です。 床材のカットが多く発生してしまう張り方となるため、コストは高めになります。 |
向いている場所 | 他の部屋と差別化をしたい部屋、変形間取りの部屋、ウォークインクローゼットなどの狭い空間など |
施工難易度 | 高め |
コスト | 6~8畳あたり12~15万円 |
ヘリンボーン張り
特徴 | ヘリンボーンとは、ニシンの骨という意味です。短くカットされた長方形の床材をV字型となるように組み合わせ、重ねていく張り方です。網代張り、と呼ぶこともあります。 独特なデザインでありながら、様々なテイストのファブリックを引き立たせることができるだけでなく、洗練された高級感を演出することができます。木材の形をすべて同じにする必要があるため、使用する材料が増えるだけでなく、工期も長くなります。 |
向いている場所 | すべてのお部屋 |
施工難易度 | 高め |
コスト | 6~8畳あたり20万円以上 |
フレンチヘリンボーン張り
特徴 | 床材には、短くカットした長方形の端を45度にカットしたものを用います。木材同士を張り合わせていくと、カットした端部分が直線となって見えるのが、最大の特徴です。木材の向きが、視線を誘導する働きをするため、空間に奥行きがあるように感じられます。 45度にカットした床材の角が、直角になるように組んでいく作業が必要なため、職人に必要な経験値とコストが高めになります。 |
向いている場所 | リビング、および他の部屋と差別化をしたい部屋 |
施工難易度 | 高め |
コスト | 6~8畳あたり30万円以上 |
市松張り
特徴 | 長さが等しい小片を組み合わせて正方形を作って一枚とし、さらにその正方形を縦横交互に組み合わせて張っていく方法です。市松模様の床でよく見られるパターンとして、ストレートや風車があります。 レトロな雰囲気が得られる一方、施工には手間とコストがかかります。 |
向いている場所 | リビング、および他の部屋と差別化をしたい部屋 |
施工難易度 | 高め |
コスト | 要見積もり |
韓国張り(朝鮮張り)
特徴 | 同じ長さの床材を一定の間隔で並べ、つなぎ目部分に、縦向きの床材を置く張り方です。使用される床材は、無垢材かつ、縦にも横にも継ぎ目がない一枚板であるソリッドを使用しなければいけません。希少価値の高い素材となる分、かなり高額になります。また、韓国張りを行ったことのある施工業者に依頼する必要がある、難易度の高い張り方でもあります。 |
向いている場所 | リビング、および他の部屋と差別化をしたい部屋 |
施工難易度 | 高め |
コスト | 要見積もり |
すだれ張り
特徴 | 同一の長さにカットした床材を、巾方向の接合面を揃えて張っていく方法です。和室の天井に用いられる張り方ですが、床張りとして用いることもできます。 床材のサイズを均一にすることと、壁に対して90度で張ることが条件なので、高い技術力が必要となる難易度の高い張り方でもあります。 |
向いている場所 | リビング、および他の部屋と差別化をしたい部屋 |
施工難易度 | 高め |
コスト | 要見積もり |
フローリングの張り方選びのアドバイス
フローリングの張り方にも多くの種類があることをおわかりいただけたところで、その選び方についてアドバイスをまとめました。
1.視覚的効果を活用する
フローリングの張り方次第で、狭い室内でも広く見せることができます。お部屋に対して水平とするか垂直にするかによっても、印象が大きく変わります。3Dモデルなどを用いたシミュレーションを活用して、完成図を確認することも大切です。
2.インテリアデザインとの調和を考慮する
張り替えにあたって、今お使いのインテリアをそのまま使うことのできる張り方を選ぶことが、最良の選択といえます。ただし、使用する床材の色彩によっては、調和が可能な場合もありますので、専門家と相談しながら決めるのがよいでしょう。
3.施工の難易度を理解する
施工の難易度が高くなればなるほど、携わることのできる職人の数も限られてきます。そのため、必然的に工期が長くなったり、コストが高くなります。予算に合わない場合には、同じ床材であっても施工の難易度を下げるなどの工夫が必要です。
4.予算を考慮する
施工レベルと用いる床材に比例して、コストは高くなります。しかし、難しい張り方の工法でも、無垢材を印刷したシールを接着した複合フローリング材を採用することで、コストを抑えて実現できる場合もあります。
予算を先に設定することで、実現可能な工法を選ぶというのも、一つの方法です。
まとめ
フローリングの張り方は、実に多彩です。張り方の選択次第で、お部屋の印象を大きく変えてしまうこともあるため、3Dモデルなどによるシミュレーションは欠かせません。大規模かつ高額な工事となるからこそ、入念な準備も必要です。
当社は、一級建築士やリフォーム・リノベーションを手がける職人が在籍し、1万件を超える施工実績があります。 フローリングのメンテナンスや張り替えのご相談なら、ファミリーグループへお任せください。
- 監修者
- 吉澤 理都
Chief
【保有資格】
・一級建築士
・監理技術者
・既存住宅状況調査技術者
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