ファミリースクール
ホーム » ファミリースクール » 古民家リノベーションの費用と実例!活用したい補助金や注意点も解説

古民家リノベーションの費用と実例!活用したい補助金や注意点も解説

「住宅購入にあたって古民家を検討している」
「古民家をリノベーションして費用を抑えたい」
「古民家リノベーションの良い点、悪い点を知りたい」

古民家を購入・リノベーションを考えているが、古民家リノベーションの良し悪しや費用感を掴めず悩んでいる方もいるかと思います。

そこで本記事では、古民家リノベーションについて徹底解説。古民家リノベーションの種類や費用感、メリット・デメリット、注意点まで幅広くお伝えします。

古民家リノベーションの費用相場

気になるのが古民家をリノベーションした場合の費用です。一般的なリノベーションと比べて費用感がどのくらい違うのか、どこの部分で費用に差が出るのかなど、古民家リノベーションの費用相場について解説します。

  •  ・古民家の状態や施工内容によって費用は大きく変動する
  •  ・工事費の予測は難しい

古民家の状態や施工内容によって費用は大きく変動する

古民家リノベーションの費用は、建物の状態や施工内容で大きく変動します。

たとえば、水回り設備一式(トイレ、キッチン、浴室、洗面所)の入れ替えと内装デザインの簡単な変更であれば、500万円程度で済む場合も。

一方で、構造部分を解体して間取りを大きく変化させ、耐震や断熱など機能面も充実させる場合は、1,000万円以上かかるでしょう。

工事費の予測は難しい

古民家リノベーションにどのくらいの費用がかかるのか、工事費の予測が難しいのが実情です。

実際に工事を始めてから補修が必要な部分が見つかったり、水道などのインフラ設備がどこまで使えるのか建物によって異なったり、一概に想定できません。

そのため、計画段階で予算を使い切るのでなく、起こりうるトラブルを想定しながら計画を立てることが大切です。

古民家リノベーションでは「補助金」の活用がおすすめ

大がかりなリノベーションを行う場合、大きなコストがかかります。当然ながら、できる限りコストは抑えたいもの。ここでは、古民家リノベーションで活用できる補助金制度をご紹介します。

補助金内容
バリアフリーリフォームの補助金(高齢者住宅回収費用助成制度)住宅に「要介護」「要支援」の人がいる場合、手すりやスロープを取り付ける、段差をなくすなどの工事費用が補助される(最大20万円)
耐震リフォームへの減税・補助金リフォーム減税
条件に該当(1981年5月31日以前に建築された物件の耐震工事など)する住宅に対して工事費の10%を減税する
リフォーム補助金
各自治体が実施。例:東京都千代田区では耐震診断を行った際の費用に対して最大15万円を補助など
省エネリフォーム減税一般断熱改修工事などを行った場合に減税される制度

上記の補助金は、耐震や断熱、バリアフリーなど一定のリノベーション条件を満たした場合に申請できます。数十万円の補助や減税が見込めるので、該当する可能性のある場合は一度確認してみましょう。

古民家リノベーションは4種類

ひと口に「古民家リノベーション」といっても手段や工法はさまざま。古民家リノベーションは、次の4種類に分かれます。

  •  ・設備入れ替えや補修をメインとしたリノベーション
  •  ・部分的に解体するリノベーション
  •  ・全解体して再生するリノベーション
  •  ・新しい場所に立て直すリノベーション

設備入れ替えや補修をメインとしたリノベーション

柱や梁など構造部分には手をつけず、シンクや浴室など水回り設備の入れ替えや、床や壁の補修などを行うリノベーションです。

一般的な「リノベーション」はこれに当たります。構造部分を触らないため、古民家の雰囲気を残せるのがメリットです。

設備の入れ替えや補修のみを行うため建物自体の外観や内観は大きく変わりません。建物本来の雰囲気を残しながら、機能性だけを向上させます。

部分的に解体するリノベーション

古民家を部分的に解体し、柱や梁といった重要な構造部分を補修・補強するリノベーションです。「スケルトン解体再生リフォーム」と言われることもあります。

古民家の雰囲気を残しながら、安全に住めるよう建物を補強します。たとえば、古民家の土台自体が傾いていたり、床が凸凹していたりする場合などに用いられるのが特徴です。建物自体の安全性を高め、できる限り長く住めるような工事を行います。

全解体して再生するリノベーション

古民家をすべて解体し、柱や梁など部材を再利用するリノベーションです。部材は一度洗い、使えるものは再利用、使えないものは新しい部材に入れ替えます。

全解体とはいえ、多くの部材を再利用するため、古民家の温もりや雰囲気を残すことは可能です。ただし、経年劣化した部材だけでは耐久性に不安があるので、必要に応じて新しい部材に入れ替えることになります。

新しい場所に立て直すリノベーション

一度古民家を解体し、部材を再利用して、新しい土地に建て直すリノベーションです。「移築再生リノベーション」ともいわれます。

元の部材をほとんどを再利用する完全移築、元の部材と新しい部材をバランスよく入れる部分移築、柱や梁など構造部分のみを再利用する構造体移築があります。

古民家リノベーションを行うメリット

古民家をリノベーションするメリットを見ていきましょう。「空間」や「コスト」など一般的な物件のリノベーションに勝る点も多いです。特に以下の3つのメリットがあげられます。

  •  ・風情を残しながら快適な空間を作れる
  •  ・新築と同等の機能を実現できる
  •  ・固定資産税が安くなる場合がある

風情を残しながら快適な空間を作れる

古民家は、古くから建っている「日本らしさ」のある建物です。補修だけ行うにせよ解体するにせよ、元の部材をそのまま用いるため、古民家ならではの風情を残せます。

元の雰囲気を残しつつ、現代の設備や内装を取り入れることで、「和モダン」の演出もできるでしょう。

新築と同等の機能を実現できる

リノベーションでは、耐震補強や断念対策も可能です。構造部分の補強や床・壁の断熱対策、給排水管などインフラ設備を整えれば、新築と同様の機能を実現できます。

お金をかけてリノベーションを行えば、建物の安全面や快適性も十分に担保されます。

固定資産税が安くなる場合がある

古民家は、新築よりも固定資産税が安くなる場合があります。固定資産税の計算式は以下のとおりです。

 ・固定資産税評価額(建物・土地の課税標準額)×1.4%(地域によって異なる)

リノベーションの程度で固定資産税の増減が変わります。全解体など大幅なリノベーションを行った場合は税額が上がる傾向に、耐震化や省エネなど部分的な施工を行った場合は下がる傾向にあります。

古民家リノベーションを行う際の注意点

古民家リノベーションにはメリットがある反面、特有の注意点もあります。次のことには注意しましょう。

  •  ・古民家特有の「使いづらさ」を解消する必要がある
  •  ・火災保険料が高くなりやすい
  •  ・計画開始から入居までに時間がかかる

古民家特有の「使いづらさ」を解消する必要がある

新しい物件と比べて、古民家は住宅の仕様が大きく異なります。以下のような、古民家特有の「使いづらさ」があるので、それを解消するためのリノベーションが必要です。

 ・断熱材が入っていない
 ・セキュリティ対策がされていない
 ・床に段差がある
 ・屋根から雨漏りがする

古民家では、防寒やセキュリティ対策は基本的に施されてないと考えましょう。部屋の区切りごとに段差があったり、階段が急だったりと、現代物件と比べると不便な部分も多いです。

同居する人に高齢者や子どもがいる場合は、バリアフリー工事も検討する必要があるでしょう。また、建物自体が古いため雨漏りが起こる可能性も高いです。屋根自体の交換や補修も必要になるでしょう。

火災保険料が高くなりやすい

基本的に古民家は木造住宅なので、防火仕様になっていません。火災保険は燃えやすい建物ほど保険料が高くなるため、古民家の保険料も必然的に高くなります。

火災保険に入る際は、1年など短期更新ではなく長期スパンでの更新にしてトータルの保険料を下げるなどの工夫が必要といえます。

計画開始から入居までに時間がかかる

古民家リノベーションは、計画開始から実際に住み始めるまでに期間を要します。入念に計画を立てられても、建物検査や工事内容のすり合わせ、設計、施行までプロセスが多いのです。

すべて解体して立て直す場合は、解体から始めなければならないため一層時間がかかります。場合によっては新築物件を建てるよりも期間が必要でしょう。

古民家リノベーションの実例

古民家リノベーションの種類やメリット、注意点をお伝えしましたが、それだけではイメージも湧きにくいかと思います。ここでは、実際にリノベーションが行われた古民家の実例をご紹介します

築65年の古民家を「和モダン」にリノベーション

【リノベーションのポイント】
  ・二世帯でも住みやすい建物にしたいというニーズがあった
 ・夏と冬どちらでも快適な建物にリノベーションした
 ・大黒柱や丸太梁など伝統建築の部分はそのまま残した

依頼者には「二世帯でも暮らしやすい家にしたい」というニーズがあったそう。そこで建物を、二世帯が適度に会える平面設計にしながら、生活空間を緩やかに分けるデザインにしたといいます。

また、夏は涼しく冬は暖かくなるよう断熱工事も重点的に実施。大黒柱や丸太梁といった伝統的な建築部分には手をつけず「古民家らしさ」を残したまま「和モダン」な物件に仕上げました。

築100年の古民家を再生リノベーション

【リノベーションのポイント】

  •  ・築100年を建て替えor再生どちらにするか悩んでいた
  •  ・建物や部材の状態がよかったため再生を選んだ
  •  ・式台や梁丸太、照明器具なども再利用した

築100年の古民家を親から譲り受けた依頼者は、「立て替えるか再生するか」で悩んでいたそうです。実際に建物を見てみると部材の状態がよかったため、土台を残しながらの再生を選択したといいます。

式台や梁丸太、照明器具といったインテリアも再利用するなど、元々の雰囲気をほとんど残した上でリノベーションを行いました。全解体など大規模なリノベーションを行うことなく、昔からの古民家の温もりを残しながら快適性を高めた事例といえます。

【まとめ】目的や予算に合ったリノベーションを行い、理想の古民家で暮らそう

ひと口に「古民家」といっても、設備入れ替えや補修をメインとしたものから全解体するリノベーションまで種類はさまざま。リノベーションをどの程度行うかによって費用も異なります。

古民家リノベーションは、風情を残しながら快適な空間を作れたり、固定資産税が安くなる場合があったりとメリットも多いです。目的や予算に合ったリノベーションを行って、理想の古民家での暮らしを手に入れましょう。

関東周辺でリノベーションやリフォームを検討されている方は、施工件数が10,000件を突破している当社「ファミリー工房」にお問い合わせください。部分的なリフォームから大規模修繕まで幅広く業務を承ります。