和室を洋室にするリフォーム費用は?注意点や賃貸でも可能か解説します
「和室の使い勝手がよくないので洋室に変えたい」
「和室を洋室にするリフォーム費用はどのくらいなのか」
「和室から洋室へのリフォームは賃貸でも可能?」
和室を洋室に変更したいが、リフォーム費用感や注意点がわからずお悩みの方もいるかと思います。そこで本記事では、和室を洋室にするリフォームについて徹底解説。メリットや費用感をはじめ注意点、賃貸でも可能なのかなど詳しくお伝えします。
目次
和室を洋室に変えるメリット
和室を洋室に変えることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。リフォームを検討されている方は、以下のメリットを押さえておきましょう。
- ・置ける家具の種類を選ばない
- ・メンテナンスの手間がかからない
- ・家全体が広く感じる
置ける家具の種類を選ばない
和室は床が「畳」のため、家具によっては畳が傷んでしまう場合があります。重たい家具を置くと畳が凹んでしまうため、設置可能な家具が限られてしまうのです。
その点、洋室は基本的にどのような家具でも気にせずに設置できます。家具メーカーも洋室への設置を前提に商品を作っていることが多いため、購入できる家具の選択肢が増えます。
メンテナンスの手間がかからない
和室と洋室では「メンテナンスの手間」も大きく異なります。一般的な畳だと、定期的な手入れをしないとカビが生えたり、畳が傷んだりすることが多いです。さらに汚れや損傷が大きくなった場合は、畳の張り替えが必要になります。
その点、洋室は基本的にフローリングなので、メンテナンスの手間がかかりません。雑巾や掃除機でも問題なく掃除できるため、飲み物などをこぼした場合も対処がスムーズです。
家全体が広く感じる
フロアの1ヶ所に和室があると、和室だけ独立した部屋に感じ、空間全体が狭く感じるでしょう。和室は他の部屋との使い方も変わるため、不便を感じることもあるかと思います。
和室を洋室に変えれば、空間に統一感が生まれ、フロア全体が広く見えるように。家具の選択肢も増えるため、部屋のデザインもしやすくなります。
和室を洋室にリフォームする際の費用相場
和室を洋室にリフォームするといっても、「和室のどこを工事するのか」によって費用相場は異なります。和室を洋室に変える工事のパターンは以下のとおりです。
- ・和室の「畳」をフローリングに変える工事
- ・畳や壁、天井までをリフォームする工事
- ・和室すべてを解体して洋室に変える工事
- ・和室をリビングダイニングと一体化させる工事
- ・和室の押入れをクローゼットに変える工事
和室の「畳」をフローリングに変える工事
まずは、和室の「畳」の部分だけをフローリングに変える工事です。この場合、6〜8畳の和室だと仮定して、費用は9〜20万円程度。壁やドアなどは和室使用のままフローリングだけを張り替えるため、そこまで大きな費用はかかりません。
ただし、畳とフローリングは厚さが異なるため、床の高さを揃えるための下地工事が必要です。また、無垢材や防音、複合など使用するフローリングの素材や強度によって費用は変動します。工事の規模やフローリングの素材、強度にこだわった場合は高額になる場合もあるでしょう。
壁や天井までをリフォームする工事
畳だけでなく壁や天井もリフォームする工事です。壁紙なども丸ごと変えるため、ほぼ洋室の見た目に変更できます。
費用の目安は16〜35万円程度。床の工事と合わせて行うケースが多いため、セット割引を提供する業者も多いです。一軒家の場合、和室と洋室の壁の構造が異なる場合が多いので注意しましょう。
一軒家の和室は「真壁(しんかべ)」という柱を剥き出しにする構造の壁が多い一方で、洋室は柱の見えない「大壁(おおかべ)」となります。真壁から大壁に変更するリフォームが必要な場合、追加で15〜25万円程度のコストが発生する可能性があります。
和室すべてを解体して洋室に変える工事
和室のすべてを解体して、洋室にリフォームする工事です。床や天井、押入れのほか、真壁から大壁への変更工事も含まれるなど、雰囲気だけでなく完全な洋室にリフォームします。
大がかりなリフォームとなるため75〜100万円程度を見ておく必要があるでしょう。壁紙やフローリングの素材や、押入れを通常のクローゼットorウォークインクローゼットどちらにするかなどによって費用は大きく変動します。
和室をリビングダイニングと一体化させる工事
和室がリビングダイニングと隣接している場合、それらを一体化させるリフォームです。2部屋を1つの部屋にまとめることで、空間を広く使えるようにします。
工事内容としては、まず和室とリビングを仕切る壁を解体。床の高さを合わせるために下地工事を行い、和室とリビングダイニングを1つにつなげます。
費用の目安は30〜100万円程度。「2部屋をどのくらい滑らかに一体化させるか」によって費用は変動します。リビングダイニング側の下地工事やフローリング、クロス張替えなどを行った場合、100万円以上になるでしょう。
和室の押入れをクローゼットに変える工事
和室の押入れをクローゼットに変更する部分的なリフォームです。費用相場は6〜25万円程度。和室ならではの雰囲気は残しながら、収納スペースの容量や使い勝手をよくさせます。
基本的な工事内容としては、襖(ふすま)を解体して洋室風な扉材を取り付け、ハンガーパイプや仕切り板を設置。襖を残して中の棚を入れ替えるだけの工事であれば費用も大幅に抑えられます。
ウォークインクローゼットに変更する場合は、最大で50万円程度を見ておく必要があるでしょう。
ただし、押入れをクローゼットに変更する際は「湿気」に要注意。和室の押入れと比べてクローゼットは通気性が悪いため、布団や衣類がカビやすいです。リフォーム時は放湿性壁紙や珪藻土壁などの建材を使うと良いでしょう。
あわせて読みたい和室を洋室にするリフォーム事例
和室から洋室への変更を検討しているものの、なかなかイメージが湧かない方もいらっしゃるかと思います。ここでは和室を洋室にするリフォーム事例をご紹介します。
リビングすぐ横にある和室を寝室にリフォーム
画像引用:SUUMO
和室を寝室にするリフォームはイメージが湧きにくいかもしれませんが、高齢者と同居していたり、老後を見据えたりしている場合にはおすすめ。足腰が弱くなってくると、布団を敷くよりもベッドの方が楽です。
リビングと隣り合わせなら、バリアフリーを兼ねて和室から洋室へリフォームしてしまうのも手でしょう。柱や障子など和室テイストは残しながら、床をフローリングにするなど、部屋全体の調和を考えてデザインするとおしゃれな空間になるはずです。
和室を区切って子ども部屋にリフォーム
画像引用:SUUMO
たとえば、6畳の和室を3畳ずつの洋室にリフォームするのもおすすめ。子どもが成長すると、特にきょうだいがいるとプライベート空間も必要になってくるでしょう。その際に異なる部屋を設けるのでなく、1つの部屋を2つに分けるという方法があります。
そこで6畳の和室を半分に区切り、洋室にリフォーム。子どもたちのプライベートを確保できる上に、簡易的な壁を設置することで、身近に家族の存在を感じられる安心感もあります。
リビング横の和室をワークスペースにリフォーム
画像引用:SUUMO
コロナ禍などでテレワークの導入が進んだ昨今。自宅にワークスペースを求める人も増えました。そこで和室をワークスペース化。引き戸を取り付ければ、個室としてもリビングの一部としても使えるようになります。
リビングの広々とした空間を保てる上に、家族の誰でも利用できる仕事空間を作ることが可能です。来客時の客間として使うこともできるでしょう。
和室から洋室へのリフォームにかかる日数
和室から洋室へのリフォームは、具体的な内容や規模によって異なりますが、一般的な工事の流れと日数の目安をご紹介します。
和室から洋室へのリフォームには、以下のようなステップがあります。各ステップにかかる日数の目安を参考にしてください。
準備・計画段階(1〜2週間)
工事の計画を立て、必要な許可を取得する段階です。具体的には、工事計画の立案、建築確認申請、近隣への事前説明、電気・ガス・水道の手続き、廃棄物処理の許可取得などが含まれます。
解体作業(1〜2日)
畳や押入れ、障子などの和室特有の設備を撤去します。小規模な解体作業は1日で終わることもありますが、大規模な場合は数日かかることもあります。
床の工事(2〜5日)
畳を撤去した後、フローリングを敷く工事が行われます。床の状態によっては、下地の補修や調整が必要になることがあります。
壁と天井の工事(3〜5日)
壁紙の張り替えや塗装、天井の補修を行います。和室から洋室に変更する際には、壁の仕上げを洋風に変えることが一般的です。
設備の設置(1〜2日)
新しい収納家具や照明器具、エアコンなどを設置します。この段階で部屋のレイアウトが完成します。
仕上げ・クリーニング(1日)
最終的な仕上げ作業とクリーニングを行い、リフォーム完了です。
トータル日数
和室から洋室へのリフォーム全体にかかる日数は、約1〜2週間が目安となります。ただし、工事の規模や内容、業者のスケジュールによっては、さらに時間がかかる場合もあります。
和室を洋室にリフォームする際の注意点
続いて、和室を洋室にリフォームする際の注意点をご紹介します。
- ・リビングや他の部屋と統一感が出る内装にする
- ・防音への配慮ができるか確認する
- ・マンションの場合は管理規約を確認する
リビングや他の部屋と統一感が出る内装にする
フロア全体の雰囲気やデザインを意識したい場合、和室とリビングや他の部屋との統一感が出るような内装にしましょう。
せっかくお金をかけて洋室を作っても、ドアだけ和室のままだと、全体の雰囲気に違和感が出てしまいます。和洋どちらにも馴染むデザインを採用するなど、和室と洋室の調和を意識したデザインにしましょう。
予算に余裕がある場合は、和室と洋室の「段差解消」がおすすめ。特に子どもや高齢者と同居している世帯の場合、段差でつまづいてしまうことも。バリアフリーの観点からも段差解消の工事をおすすめします。
防音への配慮ができるか確認する
和室から洋室に変更するのは、いわば畳からフローリングに変更するということ。フローリングは掃除やメンテナンスの手間こそ省けますが、畳と比べて「遮音性」に劣ります。
畳よりも硬く音の伝導率が高いため、下のフロアに大きな音が響いてしまう可能性があるのです。特にマンション住まいの場合は注意しましょう。
マンションの場合は管理規約を確認する
マンションの場合、たとえ分譲で購入していたとしても、リフォーム時は「管理規約」の確認が必須です。なかでも前述した「防音」については必ず確認しておきましょう。
管理規約に「下フロアの住人への騒音防止」を目的とした防音基準が設けられているケースがほとんど。一般的には「L-45」以上のフローリング素材の使用が取り決められており、規約に準じた対策が必要です。リフォームを検討している方は、マンションの管理組合などにお問い合わせください。
和室から洋室へのリフォームは賃貸でも可能だが現実的でない
和室から洋室へのリフォームは、賃貸でも可能です。レアケースですが大家さんからの許可が出た場合や、自前で行う「DIY」を行う場合など。畳をフローリングに変えたり、壁紙を張り替えたりといった作業は自前でも可能といえます。
しかし、退去時に必ず「原状回復」が求められるため現実的ではありません。もしDIYで和室を洋室に変えたとしても、最初の和室の状態に戻す必要があります。あるいは現状回復費として高額請求される可能性が高いです。
そのため和室から洋室へのリフォームは、「持ち家」の方におすすめします。しかしお伝えしたように、マンションでも管理規約によるリフォームの制限がある場合が多いため、自由にリフォームするなら戸建てがおすすめです。
あわせて読みたい【まとめ】和室を洋室に変えるメリットは多いが工法によって費用は大きく変動する
家具の選択肢が増えたり、掃除やメンテナンスの手間が省けたりと、和室を洋室に変えるメリットは多いです。しかし、畳だけなのか、部屋ごと解体して作り変えるのかなど、リフォーム範囲や工法によって費用は大きく変動します。マンションの場合は管理規約を確認しながら、慎重にリフォームを行いましょう。
関東周辺でリフォームやリノベーションを検討されている方は、施工件数が10,000件を突破している当社「ファミリー工房」にお問い合わせください。部分的なリフォームから大規模修繕まで幅広く業務を承ります。
- 監修者
- 吉澤 理都
Chief
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