壁紙張り替えリフォームのメリットは?業者に依頼する際のポイントを解説
壁紙は部屋の快適さにも大きく関わるパーツです。「家の壁紙が古くなって変色を起こしているし、汚れも気になる……」という場合には、壁紙を張り替えてリフォームする方法があります。
また壁紙の張り替えは「家族の成長に合わせて部屋の雰囲気を変えたい」というふうに、お部屋の雰囲気を変えたいときにもおすすめです。
ここでは壁紙張り替えリフォームについての基礎知識やメリット、リフォームを依頼する際のポイントについて解説します。壁紙を一新して心地よく快適なお家で過ごしたい方は、ぜひご参考にしてみてください。
壁紙の張り替えリフォームとは?
壁紙の張り替えリフォームでは、ご自宅の壁紙を新しい壁紙へと張り替えます。
壁紙張り替えリフォームの手順
壁紙張り替えリフォームの手順としては、以下の順に作業を進めていきます。
- 1.既存の壁紙(クロス)をはがす
- 2.下地を調整する
- 3.目印をつけて壁紙(クロス)を貼る
- 4.余分な箇所を切り落として調整
まず施工箇所に貼られている壁紙を一旦すべてはがし、下地が露出した状態にします。このとき下地が傷つかぬよう、細心の注意を払いながらはがしていきます。
その後、パテなどを用いて壁紙をはがした下地部分を均一に調整していきます。物をぶつけるなどして凹凸があると仕上がりが綺麗にならないため、平らにならすように整えるのがポイントです。
パテが乾いたら壁紙を張るための目印をつけ、糊を塗った壁紙を圧着しながら張っていきます。
新しい壁紙を張り終えたあとは余分な部分を切り落として完成です。
こんなときは壁紙張り替えの検討を!
壁紙の耐用年数は5~10年です。この年数を過ぎると劣化が目立ち始め、リフォームを検討される方も多く見られます。
ただし以下にあてはまる場合は、早めに張り替えを検討されることをおすすめします。
【こんなときは壁紙張り替えがおすすめ!】
・壁紙やつなぎ目に落ちない汚れがある
・変色が目立ってきた
・表面のたわみ、シワが気になる
・ヒビや穴が目立つ
・もともとあった防水、消臭などの機能が落ちている
・落とせないカビが目立つ
汚れや変色、たわみ、シワなどがあるとお部屋全体が古く暗い雰囲気になってしまいます。ヒビや穴についても同様です。さらに、もともと備わっていた防水機能・消臭性能が損なわれている場合も、壁紙の張り替えを行うことでふたたび快適な空間へと生まれ変わります。
カビが増殖した壁紙は健康への影響も懸念されますので、なるべく早めに壁紙を張り替えたほうがよいでしょう。
壁紙を張り替えるメリット
壁紙を張り替えたほうがいい基準についてお話ししましたが、実際に壁紙を張り替えるとどのようなメリットが得られるのでしょうか。
部屋の雰囲気を変えられる
壁紙を張り替えたいという方の中には「部屋の雰囲気を変えたい」という方も多くいらっしゃいます。
もともとシンプルな白の壁紙であった部屋も、色や柄つきの壁紙にするだけでがらりと雰囲気を変えられます。壁全面を変えてもいいですし、一部の壁だけ壁紙の色を変えてアクセントにしても素敵ですね。
お気に入りのインテリアに合わせて壁紙を選ぶのも良い方法でしょう。
また壁紙には布や紙、珪藻土、漆喰、木質系などの素材感を活かしたものも多く揃っています。
これらはそれぞれ独特の風合いがあり、お部屋の雰囲気を演出するのにもぴったりです。
「リビングは漆喰壁紙、寝室は布壁紙、和室は紙壁紙」というふうに、素材感のある壁紙に張り替えることで空間をさらに効果的に演出できます。
【壁紙の種類と特徴】
壁紙の種類 | 主原料 | 特徴 |
ビニール壁紙 | ポリ塩化ビニル | ごく一般的な壁紙でデザインやカラーが豊富、施工がかんたん。価格は比較的安く水や油にも強い。消臭・抗菌性能をプラスした壁紙も多い。 居室のほか、キッチンや洗面所など水回りの壁紙として使用される場合が多い。 |
布(織物)壁紙 | 布素材 | 織物に紙を裏打ちした壁紙で、高級感があり調湿機能も期待できるほか、耐久性が高く結露しにくい点が特徴。 自然由来の原料で作られるものがほとんどであり、化学物質による健康・環境リスクが低い。 |
紙壁紙 | 和紙やプリント紙などの紙 | 大きく分けて和紙、洋風輸入紙(パルプ)、毛穴府などの非木材紙の壁紙がある。通気性がよく調湿効果や音を吸収する効果も。 和紙なら和室など和風の部屋にマッチしやすく、洋風壁紙の場合は海外風のおしゃれな雰囲気が演出できる。 |
木質系壁紙 | 木材 | チークやウォルナットなどの木、またはコルクを薄くスライスし、裏にアルミ箔や紙を張り合わせた壁紙。木目の風合いや色、柄が楽しめるほか、調湿作用も期待できる。 全面に張るだけでなく、腰壁として使用しお部屋のアクセントに活用するのもおすすめ。 |
無機質系壁紙 | 珪藻土や漆喰などの無機質素材 | 珪藻土や漆喰など、自然由来の土・石・セラミックを主原料とした壁紙。 防火性が高く防カビ・調湿・消臭効果にも優れている。 凹凸感のある質感で、モダンな印象の部屋に最適。 |
オレフィン壁紙 | 合成樹脂 | 耐水性・防汚性に優れていてお手入れがかんたん。 焼却しても有毒ガスが発生しないため、身体・環境にやさしい。 |
塗装するよりも美しく仕上がる
壁の色を変えるには塗装する方法もありますが、均一に塗装するには一定の技術が必要です。また塗装の場合、失敗したときの修繕も難しいといえます。
一方壁紙の張り替えは、塗装に比べると均一でムラなく仕上げやすいことが特徴です。はがれた場合の修繕も、壁紙なら簡単に行えます。
機能性壁紙なら吸湿・消臭などの効果も期待できる
最近では吸湿性や消臭効果に優れた「機能性壁紙」も多く開発されています。
古い壁紙からこれらの機能を持つ壁紙に張り替えることで、より快適に過ごせるようになります。
たとえば湿気がこもりやすい洗面所やトイレには、吸湿性や消臭機能のある壁紙、カビ繁殖を抑える壁紙へ張り替えることで快適に過ごせます。
また寝室に吸音・消音効果のある布系や紙系の壁紙を張れば、静かで快適な寝室空間を作ることができるでしょう。
お手入れがラクになる
壁紙の汚れが気になる場合は、よく使う部屋を防水性・防汚性に優れた壁紙へ張り替えることでお手入れがグンとラクになります。防水性・防汚性に優れた壁紙は小さなお子さんやペットと暮らしているご家庭、水や油が舞いやすいキッチンの壁紙としてもおすすめです。
このような機能を持つ壁紙は、仮に濡れたり汚れたりしても、サッと拭くだけで汚れが落とせます。またお手入れがラクなので清潔を保ちやすく、ニオイの防止にも役立ち、快適な空間をキープしやすいのも魅力です。
壁紙張り替えは自分でできる?プロに依頼したほうがいい?
近年は壁紙の張り替えDIYが人気ですが、自分でDIYすべきか、それともリフォーム業者にお願いすべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
ここではDIYと業者への依頼で迷っている方へ向け、それぞれのメリット・デメリットや、プロにお願いしたほうがいい判断基準をご紹介します。
自分で張り替えるメリット・デメリット
壁紙の張り替えはプロに依頼する方法のほか、自分でDIYをして張り替えることも可能です。自分で張り替えるメリット・デメリットを見てみましょう。
自分で張り替えるメリット
自分で壁紙張り替えを行うメリットは次の3つです。
- ・費用が安く済む
- ・自分のペースで少しずつ進められる
- ・余った壁紙を再利用できる
自分で張り替えをする場合には壁紙そのものの材料費と道具代で済ませられるため、コストを抑えて張り替えが可能です。
またDIYの場合は自分のペースで作業が進められるので、まとまった時間が取れなくても少しずつ作業ができる点を魅力に感じる方もいらっしゃるでしょう。
張り替えが終わったあと余った壁紙を取っておけば、補修用として使ったり、別のDIYに使用したりできる点もDIYならではのメリットです。
自分で張り替えるデメリット
自分で壁紙を張り替えると、次のようなデメリットがあります。
- ・慣れていないと失敗する可能性が高い
- ・プロに頼むより手間や時間がかかる
- ・はがした後の古い壁紙は自分で捨てなければならない
- ・張り替えのための道具を揃える必要がある
壁紙張り替えに慣れていない場合、自分で張り替えをして失敗するケースが多く見られます。
【よくある壁紙DIY失敗例】
・接着が甘くはがれる
・糊がムラになっていて張り替え後に凹凸が生じる
・つなぎ目のすき間が空きすぎる
・余った部分を切ろうとして必要な箇所まで切りすぎる
・下地の補修をしないまま貼って凸凹が目立ってしまう など
プロのように綺麗に壁紙を張り替えるにはコツが必要なため、仕上がりの美しさや持ちの良さを重視する方、薄く凹凸が目立ちやすい壁紙に張り替えたいと思っている方は業者へ依頼したほうが無難です。
また壁紙の張り替え時には壁紙を張る作業のほか、家具の移動や養生、古い壁紙はがしや不要な壁紙の廃棄といった作業が付随します。DIYの場合はこれらもすべて自分で行わなくてはならないので、体力に自身のない方や高齢の方には向いていません。
そのほか、DIYの場合はヘラなど張り替えのための専用道具を揃える必要がある。今後使う予定がないのであれば1回限りのためにコストを払うことになる点もデメリットといえるでしょう。
業者に壁紙張り替えを依頼するメリット・デメリット
プロへ壁紙の張り替えを依頼する場合は、リフォーム業者に相談して作業をしてもらう場合が一般的です。業者に壁紙張り替えをしてもらうメリットとデメリットを見ていきましょう。
業者に依頼するメリット
リフォーム業者に壁紙張り替えを依頼するメリットは以下のとおりです。
- ・プロの技術で美しく仕上げてくれる
- ・手間や労力なく張り替えが完了する
- ・最短の工期で壁紙の張り替えが完了する
- ・カタログを見ながら最適な壁紙が選べる
- ・色やデザインなど実例をふまえたアドバイスがもらえる
- ・家具の移動や養生剥がした壁紙の廃棄処理もおまかせできる
- ・アフターフォローが充実している
リフォーム業者に依頼するメリットは、なんといってもプロの技術で美しく仕上げてもらえることです。経験豊富な職人の手にかかれば、下地の調整や柄のつながり、端の処理、つなぎ目の処理にいたるまで美しい仕上がりにしてもらえます。また大変な家具の移動や養生、片付けも含めてお願いできます。
プロにお任せすることで自身の手間や労力、時間を費やすこともなく、ラクに張り替えができるのは大きな魅力です。
また工期については1部屋なら1~2日、全部屋の張り替えなら1週間~10日ほどかかりますが、自分で張り替えるより早く終わります。特に家全体の壁紙張り替えの場合は、業者に依頼することで効率的に作業を進めてもらえるでしょう。
そのほか、リフォーム会社では建築士などのプロに相談しつつ色、デザイン、素材などのアドバイスがもらえる点も魅力です。実際に壁紙を張り替えたあとのイメージがしづらい場合でも、サンプルや実例などを確認しながらベストな壁紙を決められるので、壁紙選びに自信がない方でも安心です。
家具の移動や養生、剥がした壁紙の廃棄処理もまとめて行ってくれますし、張り替えた壁紙が剥がれるなどの不具合があればアフターフォローが受けられる点もメリットといえるでしょう。
業者に依頼するデメリット
壁紙張り替えを業者に依頼するデメリットは以下の2点です。
- ・材料費と施工費がかかる
- ・大規模張り替えの場合は日数がかかる
リフォーム業者へ壁紙張り替えを依頼する際には、材料費のほかに施工費がかかります。費用はリフォームをする部屋の広さや部屋数、下地の状態や築年数によっても変わりますが、DIYで張り替えを行う場合に比べて高くなる点には注意が必要です。
また、部屋全部の壁紙張り替えをする場合は1週間~10日程度の工期が必要です。この期間中は使用できない部屋が出てくるため、退避する場所を確保しておく必要があります。たとえば寝室が使えない期間には、張り替えに付随してホテル等への宿泊費用が発生する可能性があるといった具合です。
とはいえ、仕上がりの綺麗さや張り替えの労力、張り替え後のメンテナンスなどを考えた場合、人によってはそこまでデメリットに感じない可能性もあります。
こんなときはリフォームのプロに相談を!
ここまではDIYによる壁紙張り替えと、業者に依頼して張り替えてもらうメリット・デメリットをご紹介してきました。どちらがいいのか迷われている方も多いのではないでしょうか。
結論として、以下に当てはまる場合はリフォーム業者に相談するのがおすすめです。
- ・仕上がりの美しさや持ちの良さを重視したい
- ・色やデザイン、素材など相談しながら決めたい
- ・広範囲の壁紙を張り替えたい
- ・張り替えが難しい形の壁紙を張り替えたい
- ・労力をかけず壁紙張り替えをしたい
- ・家具の移動や掃除、古い壁紙の廃棄なども任せたい
リフォーム業者に依頼をする場合、高い技術を持つクロス職人が作業を担当してくれるため、張り替え後も長く美しい仕上がりが楽しめます。また壁紙選びに迷ったときは、リフォームのプロに相談しながら最適な壁紙を決められるので安心です。
さらに家全体の壁紙リフォームにも向いています。さらに階段状の壁など、自力での張り替えが難しい複雑な形の壁、天井などの張り替えも安心して任せられます。
「仕上がりのキレイさにこだわりたい」「手間や労力をかけたくない」という方は、リフォームのプロへの依頼を検討してみましょう。
壁紙張り替えをリフォーム業者に依頼するときのポイント
壁紙張り替えをリフォーム業者に依頼する場合、どのような流れで依頼を進めていくのでしょうか?
壁紙張り替えを業者に依頼する流れやポイント、注意点を把握しておきましょう。
料金を確認する
壁紙張り替えを業者に依頼する際に必ず確認しておきたいのが料金です。
一般的には壁面積に応じたクロスの料金に加え、作業に応じた「施工費用」がかかります。
作業対象の壁面積が広くなるほど料金がかかることを知っておきましょう。
また、小さなトイレなどの狭い空間では、業者の人件費が必要になるぶん割高になる場合があります。
具体的な費用
料金を確認する際には、材料費や施工費用以外の費用にも注目しましょう。
既存の壁紙の処分費用、下地の補修が必要な場合は補修費用、家具の移動が必要な場合は移動費用がかかるケースが多く見られます。またエアコンと天井とのスキマが少ない場合、取り外し・取り付けの費用も発生する可能性があります。
これら費用を施工費用に含んでいるのか、別途でかかるのかは業者によっても異なります。見積りの際には、トータルで壁紙張り替えにどれくらいの費用がかかるのかを見積もってもらう事が重要です。
天井の高さ・天井クロスの張り替えの有無
壁紙張り替えで盲点になりやすいのが「天井」です。天井が高い部屋の場合は使用する壁紙も多くなるので費用も高くなります。
また横の壁と天井の壁紙を一緒に張り替える場合は天井分の費用が必要になるため、トータル費用が高くなる可能性があります。天井の壁紙張り替えの有無をあらかじめ伝えたうえで見積りを取ってもらいましょう。
リフォームのスケジュールを確認
壁紙張り替えが決定したら作業の日程や時間など、スケジュールについても確認しておきましょう。
張り替え期間が長期にわたり、自宅内で寝る場所が確保できない場合は宿泊先の手配が必要になる場合もあります。あらかじめ余裕をもって準備しておくと安心です。
当日しておくべきことを確認
業者との打ち合わせの際に、張り替えの当日にしておくべきことを確認しておくとスムーズです。基本的に動かせる荷物については移動が必要になりますので、余裕をもって移動させておきましょう。
ご自身で運ぶことが難しい大型家具については、あらかじめリフォーム業者に相談しておくことで運んでもらえます。契約時に相談してみましょう。
施工後に仕上がりを確認
壁紙張り替え作業が完了したら、不具合がないかをチェックしましょう。リフォーム業者側でも最終チェックを行っていますが、見落としなどがないかを確認しておくと安心です。
また、引き渡しの際にはアフターフォローについても確認しておきましょう。どのような場合にどんな保証が受けられるのかを把握しておけば、時間が経ってから不具合が生じたときに相談しやすくなります。
まとめ
お部屋の壁紙は定期的に張り替えを行うことで雰囲気を変えたり、快適性を向上させたりすることができます。変色や汚れでくすんでいた壁紙を一新すると、お部屋の清潔感がアップし、心地の良い空間が生まれます。
また壁紙は自分で張り替えることもできますが、リフォーム業者に依頼すれば手間も労力も費やさず美しい仕上がりが期待できます。高い技術を持つ職人が施工を担当するため、DIYに比べると施工後の不具合が起こりにくく、長持ちしやすい点も魅力だといえるでしょう。
ファミリー工房では壁紙選びから張り替え、リフォーム後のメンテナンスまでワンストップのサービスをご提供しております。「どんな壁紙がいいかわからない」「機能性も重視したい」という方も安心してご相談いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
- 監修者
- 大久保 洋司
Director
【保有資格】
一級建築士
監理技術者
マンションリフォームアドバイザー
既存住宅状況調査技術者
既存住宅アドバイザー
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約30年と経験豊富な建築士です。
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