窓リフォームの種類とは?それぞれの特徴や工法、選び方のポイントを解説!
「窓リフォームを検討しているけれど、窓を壊さなきゃいけないの?」「短い期間の工事でリフォームできる方法を知りたい」とお悩みではありませんか?
窓リフォームにはさまざまな工法・種類があり、窓を壊さずに工事ができる方法もあります。また目的に応じた窓リフォームの種類を選ぶことで、最適な費用・工事期間でのリフォームが実現します。
そこで今回は、窓リフォームの種類や目的別の選び方について解説。窓リフォームの種類ごとの費用・工事期間の目安や、窓リフォームを検討したほうがいい症状の目安・タイミングについてもご紹介しているので、ぜひ合わせてご参考になさってください。
目次
窓リフォームの種類や工法は?特徴を解説
窓リフォームの方法・種類には大きく分けて4種類があります。それぞれ工法の特徴やできること、メリット・デメリットなどが異なるため、違いを理解しておきましょう。
はつり工法(壁を壊す工法)
はつり工法とは、壁を壊して今あるサッシごと撤去し、新しい窓枠・サッシを設置する工法です。一度壁を壊すため工事は大掛かりになりますが、既存の窓よりも大きな窓を設置することもできます。窓リフォームのうちもっとも自由度が高い工法といってよいでしょう。
その一方で、壁を壊して埋める工程が生じるぶん工期が長くなりやすいこと、費用が高くなりやすいことなどがデメリットです。
さらには壁を壊す振動、騒音も生じるため、間取り次第では仮住まいが必要になる場合もあります。
【メリット】
・設置できる窓の種類が多く、サイズのの自由度が高い
・窓枠ごと新しくでき、窓の寿命もリセットできる
・新築用の窓が利用でき、リフォーム用の窓より製品価格は低くなる
【デメリット】
・壁を壊す分、リフォーム費用が高くなる
・工期が長い
・振動や騒音が生じる
カバー工法
カバー工法とは、窓を取り外したあと、今ある窓枠の上に新しい窓枠をかぶせて取り付ける工法です。「はつり工法」のように壁を壊さなくてよいので工期が短く工事費用も抑えやすいほか、騒音、粉塵の発生も少ない点が魅力です。
また、カバー工法で窓リフォームを行う場合、窓の開口部がやや小さくなるため断熱性を高める効果も期待できます。
デメリットとしては、窓の開口部が上下5~7cmずつ小さくなる点です。もともと窓を小さくしたい場合は問題ありませんが、人によっては「窓が小さくなって圧迫感がある」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
【メリット】
・工期が最短半日~と短い
・解体や廃材処理などの費用が発生しないので安価でリフォームできる
・開口部が小さくなるため断熱性が向上しやすい
【デメリット】
・開口部が狭くなることで圧迫感を感じることも
・今より大きなサイズの窓には交換できない
・雨戸がある場合などはカバー工法でリフォームできない場合がある
内窓(二重窓)の設置
内窓(二重窓)とは、既存の窓の内側(部屋側)にもうひとつ設ける窓のことを指します。インナーサッシとも呼ばれます。
内窓のメリットは設置が短時間で済むこと、施工費用が安価なことです。窓を二重にすることで空気の層が生まれ、断熱性・防音性を高められるのも大きな魅力といえます。実際に寒冷地では内窓を設置されているご家庭も多く見られます。
一方デメリットとしては、窓が増えることでお手入れの手間が増える点が挙げられるでしょう。換気の際には窓を2枚開けなくてはならず、手間に感じる方もいらっしゃるかもしれません。また、既存の窓の形状によっては、内窓が設置できない場合もあります(上げ下げ窓や内倒し窓など)。
【メリット】
・設置できる窓の種類が多く、サイズのの自由度が高い
・窓枠ごと新しくでき、窓の寿命もリセットできる
・新築用の窓が利用でき、リフォーム用の窓より製品価格は低くなる
【デメリット】
・掃除の手間が増える
・換気などの際、開け閉めが2倍になる
・既存窓の形状によってはそもそも設置できない
窓ガラス交換
窓ガラス交換とは、サッシはそのままで窓ガラスのみ交換をする方法です。窓枠やサッシそのものには問題がなく、ガラスにのみヒビやキズ、白濁などが生じた場合には窓ガラス交換で対応できる場合が多いです。
ガラスのみの交換となるためリフォーム費用が安くなりやすい点が大きなメリットであるほか、二重ガラス(ペアガラス)など断熱性能の高いガラス、ガラスの間に樹脂膜を挟み込んだ防犯性の高いガラスなどに交換すれば窓の性能アップも期待できます。
デメリットとしては、サッシはそのままになる点が挙げられます。特に古いアルミサッシを利用している場合などは、ガラスは断熱性が高くてもサッシから熱が出入りしてしまうでしょう。サッシにすきまがある場合でもそのままなので、すきまからの風や熱の出入りは防げません。
【メリット】
・サッシを交換しないのでリフォーム費用が安い
・工期が短い
・ガラスによっては断熱性、防犯性、防音性を高められる
【デメリット】
・サッシの性能はそのままになる
・窓丸ごと交換する場合に比べると断熱性は上がりにくいことが多い
・すきま風やサッシのがたつきは直らない
【目的別】窓リフォームの種類の選び方
窓リフォームの種類についてご紹介してきましたが、「結局のところどれを選べばいいの?」とかえって迷われている方もいらっしゃるかもしれません。そのような方は、「何のために窓リフォームをしたいのか?」という目的を振り返ってみましょう。目的によって最適な窓リフォーム方法は変わってきます。
ここでは、目的ごとにおすすめの窓リフォームをご紹介します。ぜひあなたに最適な窓リフォームの方法を見つけてみてくださいね。
断熱性能を上げたい場合
窓の断熱性能を上げたい場合には、サッシ・ガラスともに断熱性の高い製品へ交換(カバー工法/はつり工法)するか、内窓を設置する方法がおすすめです。
近年のサッシの中には樹脂を使った製品も多く、古いアルミサッシに比べ高い断熱性能が期待できます。ガラスについても、二重ガラス(ガラス2枚の間に特殊なガス等を封入し、外気の影響を受けにくくしたガラス)へ交換することで熱が伝わりにくくなります。
内窓については、外窓と内窓の間にできる空気の層のおかげで大きな断熱効果が期待できます。
いずれもひどい結露にお悩みの方や、部屋の寒さ・暑さにお悩みの方には特に有効なリフォーム方法といえるでしょう。
なお、ガラスだけを二重ガラス等に交換する方法も考えられますが、サッシごと断熱性の高い製品に交換する場合や内窓を設置する場合に比べると断熱効果はやや劣ります。
防音性能を上げたい場合
ピアノなどの楽器を演奏されるご家族がいらっしゃる場合やペットと暮らしているご家庭においてはご近所への騒音が気になる場合も多いかと思います。窓の防犯性を上げたい場合は、内窓の設置をおすすめします。
内窓を設置すると外窓と内窓の間に分厚い空気の層ができるため、外への音漏れを防ぎやすくなるからです。
また、音漏れが特に気になる場合は外枠と内枠を2重に取り付ける「ダブルフレーム工法」をご検討されるのもよいでしょう。
防犯性を上げたい場合
空き巣・泥棒の5割以上は窓から侵入するというデータがあります(令和4年警察庁調べ)。またガラス破りの割合は侵入犯罪の3割を占めており、安全な生活のためには窓(特に1階)の防犯対策が必須ともいえます。
窓の防犯性を上げたい場合には、内窓の設置や、破壊しにくい合わせガラスへの交換などがおすすめです。
窓自体が古くなっている場合にはカバー工法/はつり工法で窓リフォームをされるのも良い方法でしょう。
泥棒は侵入しにくい家を嫌がります。内窓を設置するとカギが2つに増えるため、侵入をためらわせることができるのです。
また破壊しにくいガラスに交換することで、ガラス破りをしようとしても穴を開けにくくなり、途中で侵入をあきらめさせることができます。
風通しを良くしたい場合
窓からの風通し(採風性)をよくしたい場合は、「カバー工法」または「はつり工法」で縦すべり出し窓にリフォームする方法が有効です。
縦すべり出し窓とは、縦長の開口部分を前後(または上下)に開閉できるタイプの窓です。窓を開けると外側にすべりだした窓(ガラス面)に風が当たり、そのまま室内へと風が流れやすくなります。
断熱性能の高い縦すべり出し窓なら同時に断熱性能も高められますので、ぜひ検討してみてください。
窓リフォームの費用相場や工事期間は?種類別に紹介
ここからは、窓リフォームの種類別に費用相場、工事期間をご紹介していきます。あくまでも一般的な相場であり、リフォーム業者によっても変化しますが、ある程度の目安としてお役立てください。
窓リフォームの費用相場
窓リフォームの費用相場は、リフォームの種類だけでなく窓の大きさによっても変化します。また建築方法(木造か鉄筋コンクリート造か)によっても費用が変わる点を知っておきましょう。
既存の窓が劣化している場合は工法が限られ、費用も高くなる傾向にあるため注意が必要です。
はつり工法(壁を壊す工法)
はつり工法の費用相場は以下のとおりです。
窓のサイズ | 費用の目安 |
小窓サイズ | 10万円~ |
腰高窓(中)サイズ | 20万円~ |
掃き出し窓(大)サイズ | 30~50万円 |
窓そのものの製品価格や工事費用に加えて窓の周囲の外壁の解体や窓枠の撤去、設置後の壁の補修や壁紙張り、廃材処理などの費用がかかるため、他のリフォームに比べると費用相場は高めです。
カバー工法
カバー工法で窓リフォームをする場合の費用相場は以下のとおりです。
窓のサイズ | 費用の目安 |
小窓サイズ | 5万円~ |
腰高窓(中)サイズ | 10万円~ |
掃き出し窓(大)サイズ | 10~20万円 |
はつり工法のような解体・補修費用がほぼ必要なく、廃材処理もほぼ必要ないため、比較的安価でリフォームができます。
内窓(二重窓)の設置
内窓(二重窓)を設置する場合の費用相場は以下のとおりです。
窓のサイズ | 費用の目安 |
小窓サイズ | 5万円~ |
腰高窓(中)サイズ | 8万円~ |
掃き出し窓(大)サイズ | 10~30万円 |
サイズが大きくなるほど費用は高くなりますが、カバー工法に比べるとやや安価で済むケースも多いです。
窓ガラス交換
窓ガラス交換をする場合の費用相場は以下のとおりです。
窓のサイズ | 費用の目安 |
小窓サイズ | 8,000円~3万円 |
腰高窓(中)サイズ | 1~3万円 |
掃き出し窓(大)サイズ | 2~4万円 |
ハイグレードなガラスへ交換する場合は高くなりますが、4つのうちもっとも安価でリフォームができます。
窓リフォームの工事期間の目安
窓1枚をリフォームするときの平均的な工事期間は以下のとおりです。リフォームの種類によって工期が大きく変わります。
はつり工法(壁を壊す工法)
はつり工法の工事期間は平均で2~4日程度です。
壁を壊す関係上、壁の復旧が必要になるため、他の工法・リフォーム内容に比べると長めになります。
窓の位置によっては住みながらのリフォームが難しく、仮住まいの手配が必要になる場合もあるので、必ず工期についてリフォーム業者に確認しておきましょう。
カバー工法
カバー工法の工事期間は平均で半日~1日程度です。
窓枠や壁の解体、壁の復旧や壁紙の張り直し等がないぶん、リフォーム工事も早く終わります。
内窓(二重窓)の設置
内窓の設置はおよそ1~2時間程度で終了します。複数の窓に内窓を設置する場合でも1日程度です。
既存の窓の取り外しが発生せず、内窓を設置するだけで終わるためかなり早く終わります。
窓ガラス交換
窓ガラス交換は1枚につき1~2時間で終了します。
内窓設置と同様に、複数の窓のガラス交換をする場合でも1日以内で終わります。
窓リフォームを検討したい目安・タイミングは?
窓は使い続けていくと劣化していきます。また歪んですきまが発生すると、すきま風や虫の侵入、断熱性の低下などを招きます。
とはいえ、同じおうちに長年住み続けていると、「いつリフォームすればいいのだろう」と判断に迷うことも多いものです。
結論から言うと、次の症状が窓に表れ始めた(または気になり始めた)ときが窓リフォームのタイミングです。
【こんな症状がある場合は窓リフォームがおすすめ!】
・ガラスに白い濁りが発生している(ガラスの成分が溶けている)
・細かな傷、ヒビが目立つ
・開閉がスムーズにいかない(重い、引っかかる)
・鍵のかみ合わせが悪く、いつも鍵閉めに難儀する
・サッシにすきまがあって夏は暑く冬は寒い
上記のような状態の窓は、「外を見る」「熱を遮断する」「外気の侵入を防ぐ」「鍵をかけて防犯対策をする」といった窓そのものの性能が低下しています。そのままにしておくと冷暖房効率が悪くなるだけでなく、防犯面でも心配です。
上記のいずれかにあてはまる場合は、できる限り早めに点検を行い、必要に応じた窓リフォームをおすすめします。
まとめ
本記事では窓リフォームの種類や目的別のリフォーム方法の選び方、種類ごとの費用の目安・工事期間の目安についてお伝えしました。また、窓リフォームの判断に迷われている方向けに窓リフォームをすべき症状・タイミングについても解説しました。
窓は家の中でもっとも熱の出入りが大きい場所です。断熱リフォームを行うことで住まい空間全体が快適になり、光熱費の節約にもつながるでしょう。また防犯の観点から見ても、窓は重要な場所だといえます。
窓のお悩みに合わせたリフォームの種類を選び、ご自宅をより快適で安全な空間へと作り変えてみましょう。
ファミリーグループでは、窓リフォームのご相談を承っております。現在お住まいのご自宅における窓のお悩みをお伺いしたうえで、最適なリフォーム方法をご提案させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
また、断熱性能を向上させるリフォームの場合、国や自治体の補助金を利用できるケースもあります。
補助金をご利用されることで費用負担を減らし、おトクにリフォームができます。補助金の概要や申請方法については、担当者がていねいにご説明させていただきますので、わからないことがあればなんでもご相談ください。
- 監修者
- 吉澤 理都
Chief
【保有資格】
・一級建築士
・監理技術者
・既存住宅状況調査技術者
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