サンルーム後付けは可能? 設置場所や費用、固定資産税等の注意点を解説!
雨の日でも洗濯物を干せて、カフェ気分でくつろぐスペースやガーデニングの場としても利用される「サンルーム」。お家にサンルームがあったら……と憧れる方も多いのではないでしょうか。
そんなサンルームですが、実はリフォームによって後付けができます。
ここではサンルームの後付けリフォームに役立つ基礎知識を解説。
サンルームの種類や費用のほか、「マンションやベランダにも設置できる?」「固定資産税が増える?」など、気になる疑問にもお答えします。
サンルームの後付けリフォームで知っておくべき注意点についてもご紹介しているので、ぜひ合わせてお読みください。
目次
サンルーム後付けは可能! 設置するメリットは?
サンルームは既存住宅に後付けすることができます。この項目ではサンルームのメリットや種類など、リフォームの際に知っておきたい基礎知識をご紹介します。
サンルームを設置するメリット
サンルームを設置するメリットは以下のとおりです。
・雨や花粉、黄砂、PM2.5などを気にせず洗濯物が干せる
・洗濯ものに虫がつかない
・子供やペットの遊び場、憩いの場所としても使える
・ガーデニングスペースとしても使える
・隣接する部屋の冷暖房効率が上がる
「洗濯物を外干ししたくないが、部屋干しすると部屋が狭くなってしまう」とお困りになったことはないでしょうか。
サンルームを後付けで設置すれば、雨や花粉、黄砂などを気にすることなく洗濯物が干せます。
洗濯物に虫がつかないので、自然豊かな場所にお住まいのご家庭にもおすすめです。
またある程度の広さがあるサンルームであれば、お子さんやペットの遊び場や憩いの場、ガーデニングスペースとしても利用できます。サンルームによって空気の層が生まれることで内側の部屋の断熱効果がアップし、冷暖房効率の向上が期待できるというメリットもあります。
サンルームの種類は?
広義でいう「サンルーム」には、「ガーデンルーム」「テラス囲い」なども含まれます。それぞれの特徴を解説しますので、違いを把握しておきましょう。
サンルームの特徴
狭義でいうところの「サンルーム」は、コンクリート基礎の上に設置され、屋根と外に張り出している部分が全面ガラスでできた建築物です。住宅のサッシと同じく、気密性・水密性に優れています。
ガーデンルームの特徴
ガーデンルームはサンルームとほぼ同義です。折れ戸を採用して全面開放ができるようにしているものなら、セカンドリビングとしても、庭の一部としても使えます。こちらもコンクリートで基礎をつくって設置するため、建築物として扱われます。
テラス囲いの特徴
テラス囲いは簡易的なサンルームのことで、テラス屋根にサッシ等で囲いを付けたものを指します。ポリカーボネートなどガラスよりも低コストな素材を使っているものは、天面ガラス張りのサンルームよりも安価で設置できます。
基礎部分はテラス屋根を支える柱、補助柱のみである点もサンルームと異なります。バルコニー、ベランダに取り付ける場合は必然的にテラス囲いを利用することになりますが、加工性が高く現場の広さ・形状に合わせて設置しやすい点がメリットです。
またテラス囲いは、形状によってさらに細分化されます。
一般名称 | 特徴 |
床納まり | フローリングを模した床面が備わっており、室内から地続きで床が広がるような感覚で利用できる。靴を履き替えずに行き来できる。 |
土間納まり | 土間部分を活かして設置するタイプのテラス囲い。土足でそのまま入れるので、自転車の駐輪スペースやペットの散歩後の洗い場としても使える。 |
ハーフ囲い納まり | 三方を囲まれたスペースの外に縁側のような外部スペースがあり、内干し・外干し両方ができるタイプのテラス囲い。 水密性・気密性はない。 |
オープン納まり | ガラスの囲いがなく、屋根と床だけのオープンな作りのサンルーム。外干しにのみ使える。 |
「雨風の侵入を防ぎたい」という場合は囲いのあるタイプを、「急な雨をしのげる屋根と洗濯物干しスペースがほしい」という場合にはオープン納まりを選ぶとよいでしょう。
どのような場所ならサンルーム後付けができる?
サンルームを後付けできる場所や条件、後付けが難しい場所について紹介していきます。
サンルーム後付けができる場所や条件は?
サンルームのタイプによっても設置場所は変わりますが、基本的にサンルームは以下のような場所に後付けが可能です。
1階の庭スペースや土間
1階に庭スペースや土間がある場合は、サンルームを設置できるケースが多いです。庭には基本的にどのタイプのサンルームでも設置できますが、床納まりのサンルームであれば居室の延長として部屋から出入りすることができます。
ベランダ、テラス
2階のベランダやテラス、バルコニーについても、サンルームを設置できるスペースがあれば後付けが可能です。ただし、形状によっては取り付けができない場合もあるため注意しましょう。
建ぺい率制限をクリアしている
場所とは異なるものの、住宅の建ぺい率や容積率の制限をクリアしていればサンルームが後付けできます。
こんな場合は後付けできない場合も
場所や条件によっては、サンルームが後付けできない場合があります。
以下に該当する場合は後付けできない場合があるため、一度リフォーム業者、建築士に相談してみることをおすすめします。
マンションでは規約で後付けサンルームが設置できないケースが多
マンションのベランダやバルコニーは共用部分とみなされ、サンルームの設置が認められない場合が多いです。サンルームの設置によって外観が変わってしまうと、建物の資産的価値が減ってしまう懸念があることがその理由です。
ただし、リフォーム規定でサンルームの設置が認められている場合や、管理者が許可した場合については後付けができる場合があります。
設置に必要な高さ、幅、奥行きが確保できない
サンルームの設置に必要な高さ、幅、奥行きが確保できない場合は、後付けができません。
室外機や立水栓などの設置物がある場合も同様です。サンルームの奥行きを設置スペースに合わせてカットする方法もありますが、カットしても設置ができないほど狭い場所には取り付けられないので注意しましょう。
屋根を固定する壁のスペースがない
サンルームそのものの設置スペースだけでなく、屋根を固定するためのスペースがない場合も後付けは難しくなります。たとえば1階にサンルームを設置したいのに、2階のベランダが下側にあり、サンルームの屋根上部と干渉してしまうような場合は設置が難しいでしょう。
軽量鉄骨や一部の壁は設置できない
住宅の骨組みに「軽量鉄骨」を使用している場合、強度が足りずサンルームが設置できない場合があります。
また外壁にタイルやALC、金属サイディングなどを利用している場合は、外壁材の割れや雨の侵入、サンルームの固定が難しいなどの理由から後付けが難しいといえます。
外壁保証が無効になる場合がある
また外壁に保証が付いている場合、ねじ留めによって保証が無効になる場合がある点にも要注意です。
あらかじめ保証期間や内容について確認しておき、サンルームを設置するメリットと比較検討したうえで後付けを判断することをおすすめします。
ウッドデッキの上に後付けはできる?
ご家庭によっては、既設のウッドデッキにサンルームを後付けしたいというケースもあるでしょう。
しかし実際には、ウッドデッキがサンルームの重量に耐えられず、設置ができない可能性が高いです。
仮に重量に耐えられるよう補強が施されたウッドデッキであったとしても、一度解体してサンルームの組み立てを行い、ウッドデッキの再施工をするため、工事が大掛かりになる場合が大半といってよいでしょう。
メーカーによってはサンルームが取り付けできるように補強を施したウッドデッキを開発しているところもあります。
もしウッドデッキもサンルームも欲しいのであれば、予算は上がりますがセットでまとめて施工を依頼する方法をおすすめします。
サンルーム後付けの費用相場は?
サンルームの後付け費用は1階部分で40万~100万円程度、2階部分で30万円前後とばらつきがあります。これはサンルームの種類や施工方法、オプションの有無などによって変化するためです。
たとえばテラス囲いの場合は40万円程度から設置ができますが、造りが凝っているガーデンルームの場合は100~200万円かかることも。どの程度費用がかかるのかは現地の状況によって変わってくるため、業者に現地調査をしてもらって見積もりを作成してもらうとよいでしょう。
また竿掛けなどのオプションを設置する場合や、切り詰めなどの加工が必要になったり、搬入が難しい場所へ取り付けを行う場合には追加料金が発生します。
オプション内容 | 費用相場 |
竿掛けの追加 | 1~2万円 |
カーテンレールの設置 | 1.3~2.5万円 |
内部日よけの追加 | 4~10万円 |
換気扇の設置 | 2万円~ |
追加費用が生じるケース | 費用相場 |
製品がスペースに収まらず切り詰めなければならない場合 | 2~3万円 |
戸袋がある、または片側に壁が隣接している場合 | 1~2万円 |
床取り付けスペースを調整する場合(床納まり) | 2~3万円 |
規格品よりも床下を高くする場合 | 1~2万円 |
設置場所の障害物を避ける加工が必要な場合 | 3~10万円 |
搬入が難しい場所に設置する場合 | 1.5~2.5万円 |
遠方の業者に取り付けてもらう場合、 有料パーキングを利用せざるを得ない場合 | 1~2万円 |
※一般的な相場であり、実際の価格とは異なる場合があります。
サンルーム後付けは増築扱い! 登記や固定資産税に関する注意点
サンルームを設置する場合、ほとんどが「増築」扱いになります。増築扱いになった場合は登記が必要になったり、固定資産税が増加したりするため注意しましょう。
サンルームは増築扱いになる
壁と屋根で密閉されるタイプのサンルームを後付けする場合、1階に設置する場合はもちろん、ベランダ・バルコニーに設置する場合でも不動産登記法上は「増築」扱いになります。これは、サンルームが以下の3つの条件を満たしており、「建物」と判断されるためです。
1.外気分断性:風雨などから人、物を十分に保護する能力がある。屋根があり三方が壁に囲まれている。
2.土地定着性:基礎工事などにより、建物が土地に固着している(容易に動かせない)。
3.用途性:家屋本来の目的を有しており、用途に供し得る一定の利用空間が形成されている。
ただし、壁のないタイプのサンルームについては課税対象となる「建物」にあてはまらないので増築扱いにならず、固定資産税がかからない可能性があります。実際の判断は自治体によっても変わりますが、「屋根は欲しいが固定資産税が増えるのは避けたい」という場合は、こういった選択肢があることを知っておくといいかもしれません。
またサンルームを増築する場合、都市計画に基づいて定める建ぺい率・容積率の上限を超えない範囲で設置する必要があります。
その割合は用途地域の種類ごとに決められており、建ぺい率は一般的な住宅地域(※)で30~80%まで、容積率については50~500%です。これらの割合を超過してサンルームを設置することはできませんので注意しましょう。
※第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域など
条件に該当する場合は「建築確認申請」が必要
サンルーム後付けにおいて「面積が10㎡を超えている」「防火地域・準防火地域に設置する」等の条件に当てはまると、設置前に自治体への建築確認申請が必要になります。建築士のいるリフォーム会社に依頼した場合、建築確認申請もまとめて代行してもらえるケースがほとんどです。
申請が必要な基準や手数料の金額は自治体によって異なるため、必ず確認しておきましょう。
サンルーム後付け後は変更登記が必要
増築扱いとなるサンルームの後付け後には、建物表題変更登記が必要になります。
具体的には、増築後1ヶ月以内に土地家屋調査士に依頼して変更登記をしてもらうのが一般的です。
土地家屋調査士に依頼する場合、変更登記費用も10万円程度かかることに注意しましょう。
変更登記をしなかった場合は設置後に違法建築として扱われ、撤去を求められる可能性があったり、自身が所有する不動産の権利を主張できなくなったりするリスクがあります。増築にあたるサンルームの後付けをした際には、変更登記を忘れずに行いましょう。
サンルーム後付け後は固定資産税が上がる
サンルームを後付けすると、固定資産税が上がるケースが一般的です。理由としては、サンルームを設置することによって床面積が増えるためです。
固定資産税は床面積が広くなるほど多くなりますが、一般的な広さのサンルームであれば、年間1~2万円ほど固定資産税がアップすると思ってよいでしょう。
【サンルーム設置で増える固定資産税の計算式】
①(固定資産税を払っている場合)固定資産税の総額÷床面積=1㎡あたりの金額を算出
②サンルームの床面積×1㎡あたりの金額で算出
計算が不安な場合は、あらかじめリフォーム業者や自治体に確認しておくと慌てずにすみます。
まとめ
サンルームはリフォームで後付けができます。サンルームを設置することで天気や花粉を気にせず洗濯物を干すことができ、家事の手間や健康面で大きなメリットが得られるでしょう。
広いタイプのサンルームであれば部屋の延長としても使ったり、家族の憩いの場として、またガーデニングの場としても活用できたりするため、楽しみが増えますね。
ファミリー工房では、サンルーム後付けリフォームのご相談を承っております。一級建築士をはじめとするプロが多数在籍し、これまでに多くのご家庭でサンルームの後付けリフォームを行ってまいりました。施工事例が豊富にあり、サンルーム選びのご相談から「こんなサンルームを後付けしたい」といった幅広いご要望にもお応えいたします。
サンルームの後付けリフォームをご検討中の方は、ぜひファミリー工房までお気軽にご相談ください。