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改修工事とは?修繕工事との違い、種類、メリットなど基礎知識を解説

改修工事のイメージ画像

建物の工事をする際に、改修・修繕・改装工事とそれぞれ呼び方を区別しています。なんとなくのイメージはあるものの、それぞれの違いについてよく知らないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、それぞれの工事の違いや特徴についてわかりやすく解説しています。 また、改修工事を行うメリットや代表的な工事についても紹介しています。

改修工事とは?

改修工事のイメージ画像


「改修工事」は、単に建物を修理し原状回復をするだけでなく、機能を強化し、品質を向上させる目的の工事を指します。具体的には、地震の際に建物の安全性を確保するための耐震改修、住宅設備の性能を強化する断熱改修などが改修工事に該当します。 高齢者のためのバリアフリー化や、生活の利便性を高めるためにエレベーターを新設することも改修工事に含まれます。 改修工事には、建築基準法に順じた「建築確認申請」が必要となるケースもあります。

改修工事のメリット

改修工事にはたくさんのメリットが期待できます。 代表的なものとして、安全性・設備レベル・利便性・資産価値の向上があげられます。これらのメリットについて、さらに深堀してみましょう。

1.建物の安全性向上

どんな建物も、時間の経過による老朽化は避けられません。老朽化は目に見える場所、見えない場所で進行し、建物全体の安全性を低下させます。 大きな地震が起きた際に老朽化した建物が崩壊し、人的・物的な被害をもたらすことも少なくありません。 建物の改修工事を行うことで、新築時と同等、またはそれ以上の耐久性を持った建物になります。 改修工事を行うことで、建物の耐久性を新築時以上に向上させることができます。

2.設備レベルが向上

建物と同じく、電気や配管などの設備も経年とともに劣化していきます。また、古い建物は気密性が低く、冷暖房効率が低い場合があります。近年の設備は省エネルギー設計がなされているものが多いため、設備を入れ変えることでランニングコストを抑えることにもつながります。 また、メンテナンスや清掃がしやすくなるなどのメリットも享受できるため、長期的な視点で考えても、有益な投資と言えるでしょう。

3.利便性の向上

公共設備や住宅でも段差のない床や、スロープや手すりの設置などのバリアフリー化が当たり前になっています。しかし、日本がバリアフリー化に本格的に取り組んだのは2006年のバリアフリー新法からと意外にも最近のことでした。そのため、古い建物や住宅ではバリアフリー対策がなされていないものが多くあります。建物のバリアフリー化は障害のある方や高齢者だけでなく、すべての人にとって利便性が向上します。

4.資産価値の向上

建物の資産価値は、建てられてから約20年でほぼゼロになると言われています。つまり、そのままの状態で建物を売却しても利益は少ないものです。

しかし、改修工事をして新築当時以上の安全性、設備レベル、利便性を確保することで資産価値が上がります。一度低下した資産価値を再び高めるためにも、改修工事は有効な手段です。

改修工事・修繕工事・改装工事の違い

建物の維持や改善には、さまざまなタイプの工事が存在します。 以下では、これらの工事の違いについて詳しく解説します。

改修工事

改修工事のイメージ画像

改修工事は、建物の機能性や性能を向上させる工事です。 耐震性の強化やエネルギー効率の向上、バリアフリー化などが含まれます。改修工事は、建物の基本的な構造や機能を改善し、より快適で安全な環境を目的に行われます。

修繕工事

修繕工事のイメージ画像


修繕工事は、老朽化や劣化した建物の部分を修理または回復させる工事です。 壁や屋根、窓などの特定の部位の損傷を修復し、元の状態に戻すことに焦点を当てています。工事の目的は、建物の機能を維持し、長期的な損傷を防ぐことです。

改装工事

改装工事のイメージ画像



改装工事は、建物の内部の見た目やデザインを変更することに重点を置く工事です。改装工事には、内装や間取りの変更、装飾的な要素の刷新などを含みます。主に居住空間の美観や使い勝手を向上させる目的で行われます。

改修工事の種類

改修工事の種類は多岐にわたります。ここでは、目的別に改修工事の種類について紹介します。

設備の更新

配管設備


設備の更新は、建物の基本機能を改善し、安全性と快適性を高める工事です。 以下のような工事があげられます。

給排水システム: 古い配管の交換、水漏れの防止、水圧の改善。
空調・換気システム: エネルギー効率の良い新しいシステムへの更新、空気質の向上。
消火設備: 火災警報器の設置や更新、スプリンクラーシステムの導入。
ガス設備: ガス漏れの防止、新しい安全規格への対応。
防災設備: 地震感知器の設置、非常用照明や避難経路の明確化。
エレベーターの更新:既存のエレベーターのスピードと効率の向上、内装のリニューアル

屋根や外壁の改修

外壁工事の様子


建物の外部を保護し、耐久性を高めるための工事です。建物全体の性能を向上させる目的で行われます。

・屋根: 防水性や断熱性の向上、日射熱の反射材料の使用。
・外壁: ひび割れや剥がれの修理、断熱材の追加、新しい塗料での塗り替え。

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特別な目的を持つ改修工事

耐震工事の様子


建物全体の安全性や利便性の向上を目的に特化した工事としては以下のようなものがあります。

・耐震補強: 構造的補強、耐震性の高い材料への交換。
・断熱性向上: 高性能断熱材の使用、窓の二重化。
・バリアフリー化: 手すりやスロープの設置、床の段差の解消。
・省エネ化: LED照明への変更、太陽光発電システムの導入。
・エレベーターの新設:新たにエレベーターを設置し、昇降をしやすくする。

建物の改修工事を行う場合は、現状の建物の状況や目的、予算により工事の内容を決定します。 改修工事中は、建物が利用できない期間があります。そのため、できるだけ同時期に複数の改修工事を行うことで、建物の使用制限期間を短くできます。 「改修」は「修繕」や「補修」のように、目先の問題を解決するにとどまりません。そのため複合的な視点から費用対効果を検討したうえで実施しましょう。

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まとめ

改修工事をおこなったビルイメージ画像


改修工事は建物の安全性、設備レベル、利便性を向上させ、資産価値を高める重要な役割を担っています。部分的な修繕にとどまらない改修工事は規模もコストも高くなりますが、その効果は大きいものです。適切な改修工事は建物のポテンシャルを最大限に引き出すことが可能です。改修工事に関するご相談や計画について、ファミリーグループは専門の知識と経験を持ってサポートいたします。安心してご相談ください。