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塗装工事の目的とは何?工事のタイミングや実際の手順とは

塗装工事の役割、必要性は?

街中を見渡すと、サイディングボードやコンクリートの無加工仕上げの建物も存在しますが、戸建住宅もマンションも、外壁には塗装が施されている建物がほとんどです。 なぜ、壁や屋根に塗料が塗布されるのかを考えてみたことはありますか?

以下に、塗装工事の大きな3つの役割をあげてみましょう。

外壁や屋根の保護

塗装工事の主要な役割の一つは、外壁や屋根の保護です。日本には四季があり、季節によって気温も湿度も大きく異なります。建物の外壁や屋根は、日常的に雨や風などの環境要因にさらされています。最近では、気象の変化により大雨や台風の影響を受けることが増えました。塗装工事は、外部環境から建物を保護する役割があります。また、塗装は経年により劣化し、保護力が低下するため、定期的なメンテナンスが必要です。

美観を高める

塗装工事は建物の外観のデザインにも関わります。外観塗装の状態により、建物の印象は大きく左右されます。周囲の自然環境や経年により、建物も汚れが目立つようになります。また、外壁の塗装が劣化した場合、建物が色あせて古びた印象になってしまいます。新しく外壁塗装を施すことで、美観を高めることが可能です。外壁塗装をする際に、建物のカラーや質感を変えることで、建物自体のイメージを一新できます。

資産価値の維持

塗装工事を定期的に行うことは、建物の資産価値を維持につながります。 建物は、太陽からの紫外線や風雨によるダメージを受け続けています。塗装の劣化を放置し続けると、建物にも影響がおよび資産価値が低下してしまいます。適切なメンテナンスを受けている建物は、評価が高く資産価値を維持できます。近年では、建物の資産価値を保つためのさまざまな機能性塗料が使用されています。たとえば、遮熱・断熱、防音、防水・防カビ、抗菌・防汚などの機能を持つ塗料があります。住宅を建てる際や、外観塗装のリフォームをする際には、こうした機能性の高い塗料を検討してみましょう。

塗装はどれくらいもつ?工事のタイミングの目安

建物の外壁や屋根の塗装の効果が持続するのは、8年から15年が目安とされています。もちろん、建物をとりまく外的環境や、塗装の種類にもよりますが塗装の効果は経年劣化するものとして認識していなければなりません。また、年数とは別に塗膜のはがれやクラックが目立つようになれば、再塗装を検討すべき時期でしょう。 ここでは、目で見てわかる再塗装時期のサインをご紹介します。

汚れや色褪せ、コケ・カビの出現

塗装が経年劣化すると、屋根や外壁の色が褪せたり、汚れが目立ち始めます。また、湿度が高い場所では、コケやカビが生えやすくなります。コケやカビは美観を損ねるだけでなく、壁に沿って根を広げていき、壁面に大きな損傷を与えます。コケやカビが発生したら、早めに清掃して取り除き、防苔、防カビ効果のある塗料で塗装工事を行うことをおすすめします。

エフロレッセンスが起こった時

エフロレッセンスとは、コンクリートやレンガなどの表面に白い粉状の結晶ができる現象です。これは、雨水の侵入により、水に溶けた成分がコンクリートの内部から外部に移動し、乾燥するときに析出するために起こります。エフロレッセンスが起こっているということは、建物内部に水分が侵入していることを意味します。コンクリートの強度や耐久性に与える影響は少ないですが、外観を損ねる、塗装や防水の効果を低下させるなどの悪影響があります。できる限り、早めに塗装工事で対処したいものです。

錆がでたり、木部の劣化

金属部分に錆が見えるようになったり、木部に劣化の兆候が現れた場合も再塗装のタイミングです。金属部分の錆びは放置するとさらに拡大し、木部の劣化も進行すると構造的な問題を引き起こす恐れがあります。汚れやエフロレンスに比べて、早急に再塗装をすべきサインと言えます。

塗装工事の実際の流れ

塗装工事は以下のような複数の工程を経て完成します。

  • 1足場の設置と養生
    塗装工事を始める前に、足場を設置して作業者の安全と効率を確保します。
  • 2高圧洗浄で汚れを落とす
    塗装前には、建物の表面の汚れや旧塗料を高圧洗浄で取り除きます。
  • 3下地の補正
    塗装を行う前の下処理として、下地の補正を行います。
  • 4下処理としての下塗り
    下塗りは、最初に塗料を塗る作業です。
  • 5仕上げの上塗り
    下塗りを終えた施工面に、仕上げとして塗料を塗る工程です。
  • 6全体の点検と足場の解体
    一連の作業の終了後には足場の解体目に施工主様と一緒に点検が行われます。

その過程は緻密に計画され、専門的な技術が要求されます。ここでは塗装工事の実際の流れを順を追って解説していきます。

足場の設置と養生

塗装工事を始める前に、足場を設置して作業者の安全と効率を確保します。現場に合った足場を、通常1日で組み立てます。また、塗装時の塗料の飛散を防ぎ、近隣への影響を与えないために、飛散防止ネット、メッシュシート、ビニールなどで養生を行います。養生は塗装作業の仕上がりにも影響を与える重要な作業です。

高圧洗浄で汚れを落とす

塗装前には、建物の表面の汚れや旧塗料を高圧洗浄で取り除きます。古い塗装や汚れが残ったまま、再塗装をしても剥がれてしまうためです。屋根と外壁を同時に塗装する場合には、屋根から下へと汚れを落としていきます。このとき使用する高圧洗浄機は、コインパーキングにある高圧洗浄機の約2倍程度の水圧があります。

高圧洗浄で古い塗装やホコリをキレイに落とした後は、次の下地補正の前に乾燥させる必要があります。下地の状態や天候条件によっては、乾燥にかかる時間は最低でも24時間、48時間程度になる場合があります。

下地の補正

塗装を行う前の下処理として、下地の補正を行います。塗装する部分にあるヒビや欠け、さらには旧塗料の剥がれなどを修復し、下地を整える作業が行われます。

具体的な例としては、劣化したシーリング材を取り除き、新しくシーリングを施します。また、金属部分のサビや密着不良の原因となる古い塗膜もサディングで除去します。高圧洗浄で汚れを落としたり、下地補修作業のできが、実際に塗装をした後の仕上がりに大いに影響します。

下処理としての下塗り

下塗りは、最初に塗料を塗る作業です。この作業は、下塗りで塗装面を整え、仕上げの上塗り塗料の密着性を高めることを目的としています。使用する塗料は、下地や上塗り塗料の種類により使い分けられます。主に、シーラーやプライマー、フィラーの3種が使用されています。3種の塗料の特徴は以下の通りです。

  • シーラー 塗料の染み込みを抑える下塗り用の塗料です。木材やコンクリートなどに使用します。下地と上から塗る塗料の密着性を高める効果もあります。
  • プライマー プライマーは、外壁塗装以外にも下地処理剤として広く使われている塗料です。外壁以外にも、金属部分への錆止め塗料として使われています。
  • フィラー 上記2つの塗料と同様の機能がある粘性の高い塗料です。粘度が高いため、パテのような効果があり、モルタル外壁材にクラックがある場合や下地に凸凹がある場合に使用されます。

仕上げの上塗り

下塗りを終えた施工面に、仕上げとして塗料を塗る工程です。一般的には2回に分けて上塗りをするため、1回目の上塗りを「中塗り」と表現する場合があります。塗料の種類や特性に応じて適切な塗装回数が変わります。 上塗りは、建物の外観や耐久性を決める重要な工程ですが、ここに至るまでの下準備が塗装工事の完成度に影響してきます。上塗りをうまく仕上げるためには、下地処理や下塗りの作業が重要です。

全体の点検と足場の解体

一連の作業の終了後には足場の解体目に施工主様と一緒に点検が行われます。事前の打ち合わせど通りの作業がなされているかを、工事担当者とともに確認します。仕上がりの不具合や気になる部分がある場合は、この時点で相談・質問をするようにしましょう。 全体の点検後に問題がなければ、足場を解体し養生を外して工事は完了となります。

メンテナンスは定期的に!

屋根や外壁の塗装は、風雨にさらされるため経年劣化は避けられません。そのため、再塗装をした後でも定期的なメンテナンスは欠かせません。とくに、最近では大雨や大型の台風が日本を直撃するケースが増えています。建物を守るために、大雨シーズンの前には屋根や外壁の塗装の点検とメンテナンスを心がけてください。

まとめ

塗装工事は、建物の外観をきれいにする工事というイメージをお持ちの方も多かったのではないでしょうか。しかし、実際には外観のみでなく屋根や外壁の劣化を防ぎ、資産価値を維持するための工事でもあります。

外壁の汚れやコケやカビ、ひび割れ、金属部分のサビや木製部分の劣化が気になったら、再塗装のタイミングです。建物の資産価値を維持するためにも、早めの対処をおすすめしております。

また、外壁塗装は作業の性質上、天気が安定しており、気温や湿度が塗料の乾燥に適している時期に行う必要があります。春(3~5月)か秋(9~11月)がベストな時期と言われています。塗装工事は、天気の影響も受けるため工事期間に余裕をもって計画することが大切です。