建売でもZEH補助金は使える?購入やリフォーム時の制度活用法を徹底解説【2025年版】(前半)

建売住宅の購入を検討中の方からよくある質問のひとつが、「この家、ZEH補助金が使えるの?」というもの。
ZEH(ゼッチ)とは、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロに近づける住宅のこと。近年はZEHの新築やリフォーム、そして建売住宅において、ZEH関連の補助金制度が利用できる場合があります。
注文住宅に比べて選択肢が限られるイメージのある建売住宅ですが、実は一定の条件を満たせば補助金の対象になるケースもあります。
また、購入後にリフォームしてZEHレベルに近づける場合にも、内容によっては補助金の対象になることがあります。
この記事では、建売住宅におけるZEH補助金の基本、適用条件、制度の選び方、リフォームとの関係、そして併用の可否やよくある疑問についても徹底解説します。
>>東京都や23区の補助金情報や併用時のポイントは“東京都&23区の補助金情報と併用まとめ”をご覧ください。
目次
建売住宅購入時のZEH補助金の基本
建売住宅を購入する際にはZEH補助金が利用できるのか、気になる方も多いでしょう。
ここではまず、建売住宅購入時にZEH補助金がどのように扱われているのか、基本をお伝えします。
建売住宅購入時のZEH補助金の基本
▼POINT
| ・ZEHまたはZEH+※基準を満たす新築の建売住宅であれば、購入時にも国の補助の対象となる可能性あり 例:ZEH支援事業(戸建ZEH)なら55万円、ZEH+なら最大90万円の補助 ・申請はZEH水準以上の性能を持つ住宅であることが前提 ・建売購入前に売買契約や支払い、引き渡しを済ませると補助対象外になるケースが多い点に要注意(制度によっても異なる) |
※ZEH+とは……ZEHよりも、さらに高い省エネ性能を備えた住宅区分。断熱性能の強化や高度な省エネ設備の導入により、ZEH基準を上回る性能を目指します。
結論から言うと、条件を満たす新築の建売住宅であれば、補助金が適用されるケースがあります。
ただし、注文住宅のように施主が自由に仕様を決めて申請するスタイルとは異なり、「あらかじめ補助対象として申請されている住宅を購入すること」が前提となります。
また補助金を使えるかどうかは建設会社や販売会社が、ZEH支援事業(戸建ZEH)や子育てグリーン住宅支援事業の登録事業者であり、かつ補助金申請済みの建売物件であることが条件になります。
補助金対象の建売住宅を見分けるには?
補助金対象の建売住宅を見分けるには、以下のようなチェックポイントがあります。
| ・「ZEH」や「ZEH水準住宅」などと明記されているか ・子育てグリーン住宅支援事業の「対象住戸」として明示されているか ・BELS評価書※(省エネ性能評価)の有無 ・販売会社やデベロッパーが登録事業者か |
※BELS評価とは……建物の省エネ性能を第三者機関が評価し、星や数値で示す制度です。住宅のエネルギー消費性能を客観的に確認できます。
補助金の対象となる建売住宅はすでに事前申請されており、購入者自身が追加で補助金の利用申請をすることは基本的にありません。
購入者は補助金が反映された価格で住宅を購入するか、引き渡し後に補助金の一部がキャッシュバックされる形になります。
建売価格に補助金は含まれている?
建売住宅の場合、補助金は購入者が直接申請や受給ができるわけではなく、建設会社や販売事業者が申請し、補助金分を価格に反映しているケースが一般的です。
例えば、子育てグリーン住宅支援事業(新築分譲住宅)では、建売住宅の販売事業者が事前に登録と申請を行い、購入者が補助金を直接受け取ることはありません。
補助金分はあらかじめ住宅価格に反映される形となるため、「個人に対する補助金の別途支給」は基本的に行われていない制度設計です。
建売が対象になるZEH補助金制度の一例(2025年時点)

以下は建売が対象になるZEH補助金の一例です。
いずれも建売の場合は事業者が申請を行う必要があり、個人での申請は不可です。
また実際に補助や助成が販売価格に反映されているかどうかについては、各業者にお問い合わせください。
| 制度名 | 主な対象 | 申請者 | 補助額の目安 | 補足 |
| 子育てグリーン住宅支援事業(新築分譲住宅)※令和7年度分は受付終了 | ZEH水準や長期優良住宅※1、GX志向型住宅※2に該当する新築、分譲住宅(建売) | 建設業者や販売事業者(購入者は不可) | 最大40〜160万円※ | 補助額は価格に反映済みのケースが大半 |
| ZEH支援事業(戸建ZEH)(新築建売住宅)※令和7年度分は受付終了 | ZEH基準を満たす新築住宅 一部事業者が対応 | ZEHビルダー※3(購入者は不可) | 最大90万円※その他追加設備による加算あり | 「戸建ZEH支援対象住宅」と明記されている場合あり |
| 住宅省エネ2025キャンペーン(リフォーム)※令和7年度分は受付終了 | 窓や給湯器などの省エネ改修(購入後) | 登録事業者経由 | 数万〜数十万円(内容による) | 窓の断熱改修、躯体の断熱改修、給湯器等それぞれに制度あり(併用可)建売住宅の購入後、リフォームでも使える |
| 東京都「東京ゼロエミ住宅普及促進事業」 | ZEH水準以上の新築戸建(都内) | 住宅事業者(原則) | 最大240万円/戸 | 実際に助成対象として認められるかどうかは、建売を取り扱う販売事業者が助成制度に対応しているかどうかが鍵 建売住宅で利用されることも多い |
※1:長期優良住宅とは……長期にわたり良好な状態で使用できるよう、耐震性や省エネ性、劣化対策、維持管理のしやすさなどの基準を満たした住宅です。認定を受けると税制優遇や補助制度の対象になる場合があります。
※2:GX志向型住宅とは……高断熱、高効率設備、再エネ活用により、エネルギー消費とCO₂排出を大幅に削減する脱炭素型住宅のこと。
※3:ZEHビルダーとは……国に登録された、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及目標を掲げている住宅会社や施工会社のことです。ZEH基準に対応した設計や施工を行う事業者として公表されています。
2025年時点で、建売住宅やその後のリフォームに関連して活用できるZEH関連の補助制度は複数存在します。
以下は、その中でも特に建売住宅の購入者や購入後のリフォームで検討しやすい代表的な制度です。
子育てグリーン住宅支援事業(新築分譲住宅) ※令和7年度分は受付終了
建売住宅の購入時に使われる代表的な補助制度です。
一定の省エネ性能(ZEH水準や長期優良住宅、GX志向型住宅など)を満たした住戸を対象に、販売事業者が事前に登録と申請を行うことで、最大40万円〜160万円※程度の補助が住宅価格に反映される仕組みです。
購入者個人が申請することはできませんが、「補助金を使って建てられた家を買う」という形になります。
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ZEH支援事業(戸建ZEH)(注文、建売共通) ※令和7年度分は受付終了
注文住宅で広く活用されるZEH支援事業(戸建ZEH)も、条件を満たせば建売住宅でも適用される場合があります。
ただし、こちらも住宅事業者(ZEHビルダー)の申請が必要であり、個人が申請することはできません。
建売販売時に「ZEH支援事業(戸建ZEH)の対象住宅」と明記されていれば、補助金はすでに価格に含まれていると考えるべきです。
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住宅省エネ2025キャンペーン(リフォーム) ※令和7年度分は受付終了
建売住宅を購入した後、「窓の断熱」「給湯器の高効率化」などを行う場合には、こちらのリフォーム向け補助金が活用可能です。
「先進的窓リノベ2025」や「給湯省エネ2025」など複数のメニューがあり、ZEH化の一歩として部分的な省エネ改修にも使えるため、非常に人気があります。
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東京都の東京ゼロエミ住宅普及促進事業
東京都では、一定のZEH水準を満たす新築住宅に対して最大240万円の補助が受けられる制度があります。
こちらも建売住宅での活用が進んでおり、対象住宅として販売されることもあります。
実際に助成対象として認められるかどうかは、建売を取り扱う販売事業者が助成制度に対応しているかどうかが鍵となります。
東京都内で建売を検討している場合は、ぜひ対象かどうかを確認しておきましょう。
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建売購入後のZEHリフォームで補助は受けられるか?

建売住宅を購入した後、「やっぱり断熱や給湯器などをグレードアップしたい」「太陽光パネルを載せてZEH化したい」と考える方は少なくありません。
このような既存住宅のZEH化リフォームに対しても、条件を満たせば補助金を活用できる制度があります。
既存住宅向けのZEH改修補助制度
代表的な制度として「既築住宅のZEH改修実証支援事業」があります。
※令和7年度分は受付終了
これは、既存の戸建住宅を対象に、断熱性能や省エネ設備を高めてZEHレベルに引き上げるリフォームを支援するものです。
| 項目 | 内容 |
| 制度名称 | 令和7年度 既築住宅のZEH改修実証支援事業(ZEH+改修) |
| 目的 | 既存住宅の断熱性や省エネ設備を強化し、BEI※1≦ 0.7 のZEH相当の性能へ引き上げる省エネリフォームの実証普及 |
| 対象者 | 建築事業者または販売事業者(法人)による申請 交付時に所有義務はなく、完了報告時までに所有すれば可 |
| 対象住宅 | 既存の戸建専用住宅(住居専用、社宅や店舗付き住宅等は除く) |
| 要件条件 | ・外壁を含むすべての外皮を断熱改修 ・一次エネルギー削減:BEI≦0.7(30%以上削減) ・断熱等級6以上(地域毎に規定されたUA※2値、ηAC値を満たす) ・BELS認証の取得、効果測定、成果報告および一定期間の公開(オープンハウスなど)を実施 |
| 対象となる工事内容(例) | ・高性能な外皮(断熱材、断熱窓など)の導入・高効率な設備機器(空調や給湯、換気、照明)・太陽光発電、蓄電池、HEMS※3の導入・複合的な省エネ改修 など ※具体的な工事内容や技術仕様については、SII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)による設備リストの中から選定する必要があります。 |
| 補助上限額の目安 | 個人:最大300~400万円/戸法人:最大400~500万円/戸(予算や条件により変動) |
| 補助率等 | 補助対象経費(設計や設備、工事費等)の1/3以内 |
| 募集方式やスケジュール | 令和7年度分は受付終了 二次公募:8月4日(月)~9月19日(金)※上記以外の期間の公募については公式サイトをご確認ください |
| 公式サイト | https://sii.or.jp/zehplus-kaishu07/ |
※1:BEIとは……建物の一次エネルギー消費量が基準値に対してどの程度かを示す指標です。数値が1.0以下であれば省エネ基準を満たし、数値が小さいほど省エネ性能が高いことを示します。
※2:UA値とは……住宅の断熱性能を示す数値です。外壁や窓などからどれだけ熱が逃げるかを表し、数値が小さいほど断熱性が高い住宅といえます。
※3:HEMSとは……Home Energy Management Systemの略で、家庭内の電気やガスの使用量を見える化し、エネルギーを管理する仕組みです。太陽光発電や蓄電池と連携することで、自家消費の最適化に役立ちます。
この制度では、外皮性能(UA値)の向上や再生可能エネルギー導入(太陽光など)を行い、一定のエネルギー性能指標(BEI)を達成すれば、工事費の1/3以内、最大300〜400万円程度の補助が設定されています。設計評価や実測による効果検証も条件に含まれます。
ただし、申請は登録事業者経由で行う必要があり、個人での直接申請は不可です。
リフォームの補助金制度は他にも複数あり
ZEHレベルまで性能を高めない場合でも、「先進的窓リノベ2025事業」や「給湯省エネ2025事業」「長期優良住宅化リフォーム推進事業」など、工事項目別の補助制度が用意されています。
【建売リフォームに使えるZEH補助金一覧(東京都)】
| 制度名 | 主な対象工事内容 | 補助額の目安 | 補足 |
| 子育てグリーン住宅支援事業※令和7年度分は受付終了 | 開口部や躯体断熱、エコ設備導入等 | 最大40万〜60万円/戸※工事内容によって変動 | 指定された必須工事①~③のうち2つ以上のカテゴリーを実施する場合に適用 |
| 先進的窓リノベ2025事業※令和7年度分は受付終了 | 高断熱窓への改修、玄関ドアへの改修 | 最大200万円/戸製品の性能グレードに応じて定額補助 | 東京都や区の補助金と併用可能登録事業者、登録製品を利用した場合のみ適用 |
| 給湯省エネ2025事業※令和7年度分は受付終了 | 高効率給湯器の設置(エコキュート、エネファーム等) | 指定型番と性能を満たした場合最大20万円 | 既存の電気温水器等の撤去工事を行う場合は4〜8万円の加算あり |
| 長期優良住宅化リフォーム推進事業※令和7年度分は受付終了 | 総合的な性能向上リフォーム(断熱含む) | 最大210万円(加算要件適用の場合) | 性能評価要件あり |
| 既築住宅のZEH改修実証支援事業(ZEH+改修)※令和7年度分は受付終了 | ZEH水準性能への大規模改修、実測評価等 | 工事費の1/3以内最大400万円程度 | BELS評価の取得、実測などが条件 |
| 既存住宅の断熱リフォーム支援事業 | 断熱建材(窓やドア、断熱材)の工事 | 補助対象経費の1/3以内戸建住宅:120万円/戸 ※その他蓄電システム、蓄熱設備などにも補助あり | 東京都制度との併用が可能 |
| 既存住宅における省エネ改修促進事業(東京都)※都内在住の方限定 | 断熱窓や断熱ドア、断熱材、高断熱浴槽などの省エネ改修 | ・断熱窓:最大130万円/戸 ※断熱等+防犯窓の場合は最大325万円 ・断熱ドア:最大11万円(窓の上限130万円内に含まれる) ・断熱材:補助対象経費の1/3、最大100万円 ・高断熱浴槽:補助対象経費の1/3、最大9.5万円 ・リフォーム瑕疵保険:7,000円 | スペックに応じて補助額増加(窓)国との併用可 |
| 住宅省エネ診断・設計等支援事業(東京都)※都内在住の方限定 | BELS取得や省エネ設計支援、診断費用 | 補助率2/3〜4/5程度18万〜36万円/戸 (診断費用や設計費で補助) | リフォーム前の計画準備に有効 |
※あくまでも掲載時点での情報です。最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。
これらのZEH関連補助金は断熱窓の交換、高効率給湯器の導入、断熱材の施工など、部分的な性能向上に対しても補助が出るため、建売住宅を自分仕様にアップグレードする際に活用できます。
ポイント:建売住宅でも「既存住宅」として扱われる
引き渡し後であればその住宅は「既存住宅」として扱われます。
新築向けの補助制度は原則利用できませんが、既存住宅を対象とするリフォーム系の補助制度の対象にはなります。
補助金を活用したリフォームを検討している場合は、建物の築年数や現状の性能、対象工事の内容を確認したうえで、補助対象になるかを見極めましょう。
>>東京都や23区の補助金情報や併用時のポイントは“東京都&23区の補助金情報と併用まとめ”をご覧ください。
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- 監修者
- 阿部 智康
sub manager
保有資格:2級建築施工管理技士

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