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ZEHリフォームに必要な工事とは?“本当に必要な部分”が分かる目的別ガイド(後半)

前半では、ZEHリフォームに欠かせない工事内容や、それぞれが果たす役割について解説しました。

とはいえ「結局どれを組み合わせれば最も効果を実感できるのか」「順番を間違えると何が起きるのか」と気になる方も多いでしょう。

後半では、工事の組み合わせで“効果が大きく変わる理由”を整理しながら、目的別の最適な工事構成や避けたい組み合わせ、実際によくある失敗パターンをわかりやすく紹介します。

さらに、不要になりやすい高額工事の見極め方や国・東京都・23区の補助金情報もまとめました。

ZEHリフォームの効果を最大化し、ムダのない計画を立てるために役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。

>>ZEHリフォームに必要な工事の例については“必要な工事の基礎知識まとめ前半”をご覧ください。

ZEHリフォームは工事の組み合わせで効果が変わる

ZEHリフォームは、個々の工事を足し算するだけではありません。
組み合わせ方次第で「どこに効くのか」「光熱費がどれだけ変わるのか」が大きく変わる点が特徴です。

ここでは、工事内容ごとの「相性」を軸に、具体的にどんな変化が起こるのかを分かりやすく整理します。

相性の良い組み合わせと効果の出方(マップ形式で整理)

“断熱・省エネ・創エネ”は、それぞれ下記のような関係性を持ちます。

組み合わせ相性効果の特徴
断熱×省エネ設備◎とても良い使用エネルギーが少なくなり、設備の効率が最大限発揮される
断熱×太陽光◎とても良い自家消費率が上がり、太陽光のメリットを最大化
省エネ設備×太陽光○良い電気を効率よく使い、創った電力の利用ロスが少ない
窓断熱×給湯器△効果は限定的快適性は上がるが光熱費削減はやや控えめ
窓断熱×HEMS△家全体の省エネには弱い“気づき”は得られるが削減効果は小さめ

目的別に見る“最適な組み合わせ”

【とにかく寒さ・暑さを改善したい家庭】

・窓断熱(内窓・交換)・天井断熱・床断熱

→体感温度の改善が大きい/即効性が強い。

23区の住宅は「窓まわりの熱の出入り」がとても大きく、次に天井・床が続きます。
そのため、体感温度を一番早く改善できるのが断熱工事のセットです。


特に築20〜30年の戸建ては冬のヒートショックや夏の室温ムラが起きやすく、窓+天井だけでも快適性が大きく向上します。

「まずは暮らしの不満を解消したい」という家庭に最適です。

【光熱費の負担を最優先で減らしたい家庭】

・太陽光発電(4〜6kW)
・高効率給湯器(エコキュート)
・窓断熱

→年間10〜15万円のコスト削減が現実的。

太陽光発電は電気を“創る”ため、電気代高騰の影響を最もダイレクトに抑えられます。


しかし、断熱が不十分なままだと冷暖房に電力を取られてしまうため、太陽光の自家消費率が下がります。

そこで、「窓断熱」+「エコキュート」+「太陽光」という組み合わせにすることで、年間の光熱費が10〜15万円減るケースもあります。

「電気代が気になる」「家計の負担を軽くしたい」家庭向けの現実的な組み合わせです。

【導入コストを抑えつつ、確実に効果を出したい家庭】

・内窓追加・高効率給湯器・LED照明器具+HEMS

→100〜200万円台でも効果が分かりやすい組み合わせ。

​​全面的な断熱リフォームは高額になりがちですが、“小さな投資で確実に効果が出る”のがこの組み合わせです。

内窓は体感温度の改善に直結し、給湯器の交換はガス・電気代の削減に効果的。
さらにHEMSで家庭全体のエネルギー使用状況が見えるようになるため、省エネ行動を自然に促します。

100〜200万円台で始めやすく、効果も分かりやすいため、「まずは無理のない範囲で」という家庭にぴったりです。

工事の順番で“効果が変わる”ポイント

①まず断熱
②次に設備(省エネ)
③最後に太陽光(創エネ)
④給湯器は断熱と同時が◎

この順番にすることで効果が最大化されます。

<理由>

・断熱が弱いまま設備更新すると効率の上昇幅が小さい

・太陽光を先に設置すると自家消費率が下がり、回収期間が延びる

・「室温を逃がさない家」→「使うエネルギーを減らす設備」→「電力を創る」の順が最も合理的

順番のポイント何がメリットかなぜ効果が変わるのか(要点)
①断熱を先に行う設備容量が最適化される・光熱費削減が最大化断熱で負荷が減り、必要な冷暖房能力が下がるため小さい設備で十分になる
②太陽光は“消費を減らしてから”自家消費率が上がり、回収が早くなる消費電力が下がるほど、太陽光の発電がムダなく家の中で使われる割合が増える
③窓・屋根の工事は同時期が効率的足場費用・工期を短縮できる足場を共用でき、23区の狭小地でも作業効率が向上する
④給湯器交換は断熱と同時が効果大光熱費削減効果が大きくなる浴室や洗面の保温性が向上し、給湯ロスが減るため省エネ効果が高まる

①断熱を先に行うと、設備の“サイズ選び”が適正になる


断熱性能が上がると、家の中が外気の影響を受けにくくなり、必要な冷暖房能力が大きく下がります。


その結果以下のような効果につながります。

・本来より小さい容量のエアコンで十分
・給湯負荷(お湯の使用量)も効率的に
・冷暖房の稼働時間が短縮

先に断熱を行うことで、購入する設備のグレードや台数が“過不足なく”選べるため、ムダな投資を避けられるのです。

②太陽光発電は“使う電力が減ってから”のほうが回収が早い

太陽光の回収期間は「使った分どれだけ自家消費できるか」がカギです。

断熱や設備更新で電力消費が減った家は、以下の理由で回収期間が短くなります。

・日中の“残りの電力”が増えて自家消費率が上がる
・売電より自家消費のほうが経済メリットが大きい

つまり、「消費を減らす→作る」の順が最も合理的なのです。

③窓と屋根の工事は同時期に行うほうが工期が短くなる


窓断熱・屋根断熱は足場が必要になるケースがあり、別々に行うと足場費用が二重にかかる恐れがあります。


また、工事中は以下のように生活に一定の制約がかかります。

・騒音
・部屋の使えなさ
・外周への作業動線の確保

こうした理由から、同時工事のほうがトータルの負担は軽くなります。

特に23区の住宅は敷地が狭いため、足場の設置回数を減らすことが費用面でも生活面でもメリットになります。

④給湯器は“古いものを使い切ってから”でOKだが、断熱とセットなら効率が倍増


給湯器は故障しやすい耐用年数(10〜15年)があるため、交換タイミングは比較的自由です。


しかし断熱改修と併せて行うと、以下の相乗効果が出ます。

・浴室・洗面まわりの室温が上がり、お湯の保温効率がアップ
・給湯ロスが減って光熱費削減が大きくなる

もちろん給湯器だけでも省エネ効果はあります。

ただし断熱改修と同時に行うと、お湯の保温効率まで改善されるため、削減効果をより実感しやすくなります。

予算別“おすすめ構成”早見表

予算帯優先すべき工事なぜこの構成が向いているのか
〜150万円内窓・給湯器・HEMS初期費用を抑えつつ削減効果を感じやすい
150〜350万円窓+天井・床断熱、エアコン快適性が最も体感しやすいゾーン
350〜600万円全面断熱+太陽光断熱と創エネの相乗効果が大きい
600万円〜フルZEH構成快適性・光熱費・災害時の安心を最大化

ZEHリフォームで“不要になりやすい工事”

ZEHリフォームでは、性能向上の効果が低いのに高額になりやすい工事があります。


以下の表で当てはまる項目が多いほど、“今やる必要がない工事”の可能性が高くなります。

■不要になりやすい工事チェックリスト

工事内容当てはまりやすい条件判断の目安
換気設備の全面交換(第1種換気)・既存設備に大きな故障がない

・ダクト新設で工事が必要

・見積もり100万円以上
目的が「省エネ向上」だけなら不要なケースが多い
床断熱の全面張り替え・床下に点検口がある

・床材の全面撤去が必要と言われた

・腐朽・床鳴りの症状がない
多くの住宅で「床下断熱の追加」で十分
外壁の全面張り替え(断熱目的のみ)・外壁の劣化や雨漏りがない

・内側から断熱追加できる構造

・デザイン変更の希望が特にない
張り替えせず内側断熱で対応可能な場合が多い
屋根の全面葺き替え・屋根材に異常がない

・断熱目的のみで提案された

・天井裏に断熱材を吹き込める空間がある
葺き替えは高コスト。天井裏断熱で性能向上が十分可能
太陽光のための屋根補強・パネルが軽量なのに補強を勧められた

・構造計算の根拠が示されていない

・耐震工事をセットで提案されている
根拠の薄い補強は不要なケースもある(構造計算などの根拠確認が重要)
窓交換を最優先で提案された場合(内窓で対応可能)・先進的窓リノベ対象なのに高額

・外壁工事が必要と言われた

・工期が大幅に伸びる
多くの住宅で「内窓」のほうが費用対効果が高い

ZEHリフォームで使える主な補助金制度

ZEHリフォームでは国・東京都・23区の制度を組み合わせることで、自己負担を大きく抑えられます。

財源が異なれば併用できる制度も多いため、対象工事と申請条件を整理しておくことが重要です。

ここでは、2026年度時点で活用できる代表的な補助制度を紹介します。

国の主な補助制度(断熱・省エネ・創エネ)

■主要制度一覧(表形式)

補助制度対象工事補助金の目安特徴
先進的窓リノベ2026事業窓交換・内窓設置上限100万円断熱リフォームで最も手厚い制度。性能区分ごとに単価が設定されている
給湯省エネ2026事業高効率給湯器(エコキュート・ハイブリッド給湯器など)1台あたり7〜17万円(+撤去加算2〜4万円)給湯エネルギーの削減に直結し、ZEH基準の省エネ性能の達成を後押し
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)断熱改修、省エネ設備、バリアフリーなど住宅の状況、目指す基準により上限40〜100万円リフォームは全世帯対象。指定の必須工事2つ以上を実施する場合に補助がうけられる。対象範囲が広く、他制度との併用がしやすい
既存住宅の断熱リフォーム支援事業外壁・屋根・天井・床の断熱強化工事項目により設定(5〜120万円)年ごとに枠組みが変動。断熱強化を伴うZEHリフォームで使われることがある

東京都の補助制度(23区で広く利用可能)

東京都は省エネ・創エネ支援が手厚く、ZEHリフォームと相性が良い自治体です。

■東京都の代表制度(2026年度)

※こちらは令和7年度の情報を参考として掲載しています。令和8年度の最新情報については随時公式サイトで発表される予定です。

補助制度名対象工事補助金額備考
家庭における太陽光発電導入促進事業太陽光パネル、架台、防水工事、機能性PV<新築住宅>
・3.6kW以下の場合:12万円/kW(上限36万円)
・3.6kWを超える場合:10万円/kW(50kW未満)

<既存住宅>
・3.75kW以下の場合:15万円/kW(上限45万円)
・3.75kWを超える場合:12万円/kW(50kW未満)
(条件により加算あり)
戸建や集合住宅両対応(条件あり)
太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業太陽光発電に関するパワコン更新上限10万円/台(補助対象経費の1/2)機器条件あり
家庭における蓄電池導入促進事業家庭用蓄電池蓄電容量:12万円/kWh※助成対象経費(税抜)が上限※DR実証に参加する場合:上記助成額に10万円の加算定置型蓄電池が対象。HEMS連携必須
既存住宅における省エネ改修促進事業高断熱窓やドア、断熱材、高断熱浴槽など窓:最大130万円/戸※防犯窓+高断熱窓の場合は最大325万円/戸
断熱材:最大100万円 など
窓は防犯仕様付きで最大325万円まで加算可
熱と電気の有効利用促進事業エコキュート、太陽熱利用システム、地中熱利用システム、ヒートポンプ式給湯器等太陽熱:55万円/戸地中熱:180万円/台エコキュート:最大22万円/台(DR実証加算ありの場合)エネファームも対象。蓄熱設備も加算あり
戸建住宅におけるV2H普及促進事業EVとの電力連携(V2H)設備最大100万円/戸※助成率1/2・原則として50万円が上限(助成対象経費の1/2の額)
・太陽光発電システム+電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車と併せてV2Hを導入する場合は、最大100万円の補助が受けられる
リフォーム瑕疵保険加入支援上記工事の瑕疵保険加入費一律7,000円/件対象制度と同時申請が条件
分譲マンション省エネ型給湯器導入促進事業エコジョーズやエコフィール等上限5〜10万円/台(棟数で変動)管理組合などからの申請が必要

※最新の申し込み状況は公式サイトをご確認ください。

23区の補助制度(区により金額が大きく異なる)

例として、人気の高い制度をピックアップします。
※年度により名称変更・金額変動あり。

■区の代表例(2026年度)

区名制度名補助金の目安備考
足立区・太陽光発電システム設置費補助金・蓄電池設置費補助金・家庭用燃料電池システム(エネファーム)設置費補助金・省エネリフォーム補助金・太陽熱利用システム設置費補助金上限10〜29万円前後太陽光は区内事業者に依頼した場合補助上限がアップ。都制度と併用可能。
葛飾区《個人住宅用》かつしかエコ助成金上限10〜24万円太陽光、蓄電池、断熱改修等で補助あり。種類が多くZEHリフォームにもぴったり。
荒川区新エコ助成事業上限10〜30万円高断熱窓・高断熱ドアなど、断熱寄りの支援が充実。太陽光、エネファーム、蓄電池などの補助や、宅配ボックスの設置でも補助あり。

補助金併用の基本ルール

・同一工事で同一財源の補助は重複不可(例:国×国の同一枠)・財源が異なれば併用できるケースが多い(国×都×区)・着工前申請が必要な制度が多数・予算上限に達し次第終了する制度もある

補助金は「同じ財源の制度を同一工事に重複して使えない」という前提がありますが、 国・東京都・区など財源が異なれば併用できる制度は多いです。

ただし制度ごとに “対象工事の定義” や “申請条件” が細かく異なるため、併用できるかどうかは工事内容と申請タイミングで変わります。

特に注意したいのは次の3点です。

・申請のタイミング(着工前、工事完了後等)は制度ごとに異なり、スケジュール調整が必須・年度途中で予算終了する制度も多い・HEMSなど“補助金の必須要件”が抜けると不採択になる場合も

そのため、ZEHリフォームでは工事計画と補助金計画を同時に組み立てることが実質負担を左右します。

よくある質問(FAQ)

Q1.全部の工事を一度にやらないとZEHにならない?

A.一度にまとめる必要はありません。


ZEHは最終的に「断熱」「省エネ」「創エネ」の3要素を満たせばよいため、段階的に進めても問題ありません。

まずは窓や断熱材の強化など、効果の大きい部分から始めるケースが多く、太陽光や省エネ設備は後から追加してZEH基準に近づける方法も一般的です。

Q2.断熱だけでも補助金は使える?

A.断熱だけでも利用できる制度があります。

特に利用しやすいのは以下の制度です。

・先進的窓リノベ事業(窓工事)
・みらいエコ住宅2026事業(断熱改修含む)
・東京都の既存住宅における省エネ改修促進事業 

といった制度で、窓工事のみでも高額な補助が受けられる場合があります。

断熱単体のリフォームでも十分に費用負担を抑えられるのが特徴です。

Q3.太陽光は必須?

A.ZEHとして認定を受ける場合は「創エネ」が必須ですが、ZEH“相当”の省エネ性能を目指すリフォームなら太陽光が必須ではありません。

「まずは断熱と省エネ設備だけ強化し、後から太陽光を追加する」という段階的導入も合理的です。

建物の形状や日当たりの問題で太陽光が設置できない場合でも、断熱と省エネ設備により光熱費を大きく削減できます。

Q4.築30年超でもZEHリフォームできる?

A.多くの住宅で可能です。

築30年以上でも、以下を組み合わせることで性能を引き上げられます。

・外壁や屋根への断熱材追加
・高断熱窓への交換
・高効率給湯器
・太陽光パネル

必要なのは、事前調査(断熱性能・劣化状況・屋根形状など)の精度です。
古い住宅ほど、現地調査で適切な施工方法を選ぶことがZEH化の成否を左右します。

Q5.どこから手をつければいいのか分からない

A.次の順番で考えると失敗がありません。

1.窓の断熱(先進的窓リノベ対象)
2.屋根・天井・床など“熱の出入りが大きい部位”の断熱
3.省エネ設備(給湯器・エアコン・換気)
4.太陽光・蓄電池

まずは断熱(特に窓)から進めると、冷暖房負荷が下がり後の設備選定が最適化されます。

建物の状況や家族構成によってベストな順番は変わるため、現地調査のうえで優先度を整理するとスムーズです。

まとめ

ZEHリフォームに必要な工事は、断熱・省エネ・創エネをどう組み合わせ、どの順番で進めるかによって内容が大きく変わります。

すべてを一度に行わなくても、段階的に取り入れれば光熱費削減や快適性の向上を十分に狙えます。

補助金は国・東京都・23区の制度を併用できるケースも多く、実質負担を大きく抑えられるのが強みです。


ただし制度ごとに条件や申請時期が異なるため、早めの相談が安心です。

ファミリー工房では、ZEHリフォームの施工はもちろん、補助金の申請から書類提出、完了報告までをワンストップで承ります。
施主様は面倒なお手続きなく、快適な住まいを手に入れられます。無料で現地調査・お見積もりを承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください!

>>無料お見積もり・ご相談はこちら|ファミリー工房
監修者
近岡 正平
株式会社ファミリーDesign

Manager

お客様とコミュニケーションをとって、ご希望にマッチした提案をいたします。
気軽にお問い合わせください。よろしくお願いします。

【保有資格】
一級建築士
二級建築士
福祉用具専門相談員
監理技術者
既存住宅状況調査技術者
建築物石綿含有建材調査者

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