ZEHリフォーム補助金は個人事業主でも使える?住宅部分と事業部分の区分がポイント(前半)

個人事業主にとって、毎月の光熱費や住環境の快適さは、事業の安定にも直結する大切な要素です。
最近では断熱性能や省エネ性能を高める「ZEHリフォーム」に注目が集まり、国や自治体の補助金を利用して負担を軽減できる制度も整っています。
しかし、「個人事業主でも補助金は使えるのか?」「自宅兼事務所の場合はどう扱われるのか?」といった疑問を抱く方は少なくありません。
この記事では、個人事業主がZEHリフォーム補助金を活用する際のポイントや注意点を整理し、補助金と税制優遇を組み合わせて賢く住まいを改善する方法を解説します。
>>ZEHリフォーム補助金で個人事業主が得られるメリット・デメリットは“ZEHリフォーム補助金によるメリット&デメリットまとめ”をご覧ください。
目次
個人事業主でもZEHリフォーム補助金は使える?

ZEHリフォーム補助金は主に居住用部分を対象としており、自宅兼事務所の場合でも居住部分の工事であれば申請ができます。
そのため、個人事業主であっても自宅として利用している住宅であれば申請が可能です。
ただし、事業用に使っている部分がある場合は取り扱いが変わるため、仕組みを理解しておくことが大切です。
基本的な適用条件(居住用住宅なら対象)
ZEHリフォーム補助金の前提条件は「住まいの断熱性能や省エネ性能を高めること」です。
個人事業主でも、所有している住宅が居住用であれば問題なく対象になります。
【対象工事の例】
| ・窓の断熱改修(内窓設置、ガラス交換など) ・太陽光発電システムや蓄電池の導入 ・高効率給湯器への交換設置(エコキュート、ハイブリッド給湯器など) ・断熱材の追加工事 ・V2H※の設置 など |
※V2H(ブイツーエイチ)とは……電気自動車(EV)に蓄えた電気を家庭で使えるようにする仕組みです。Vehicle to Home(ビークルトゥホーム)の略で、EVを“走る蓄電池”として活用でき、停電時の非常用電源としても役立ちます。
自宅兼事務所の場合のルール
自宅兼事務所として建物を使っている場合は、居住部分の割合がポイントになります。
| 用途割合 | 補助金の扱い |
| 居住部分が全体の1/2以上 | 居住部分として使用されている範囲の工事であれば補助対象となり、事業部分は対象外となる |
| 居住部分が全体の1/2未満 | 事業用扱いとなり、補助対象外になる場合あり |
つまり、居住部分の方が大きければ申請可能ですが、逆に事務所部分の割合が多いと住宅用のZEHリフォーム補助金は対象外になるリスクがあります。
補助対象にならないケース(事業専用建物など)
以下のような建物は原則として補助対象外となります。
| ・店舗や事務所としてのみ利用している建物 ・倉庫や作業場など、居住を伴わない建物 ・登記上「事業用建物」として登録されているもの※※居住実態がある場合は住宅部分として扱われるケースもある |
ZEHリフォーム補助金はあくまで「住まいの省エネ化」を目的としているため、事業専用の建物については対象外です。
【▼ZEHリフォーム補助金について詳しくはこちらの記事もCHECK!】
【2025年最新版】ZEHリフォームに使える補助金を徹底解説!制度・対象工事・併用のコツ
自宅兼事務所のリフォームで注意すべきポイント

個人事業主が自宅兼事務所でZEHリフォームを行う場合、「居住部分」と「事業部分」の区分けがとても重要です。
補助金は住宅部分を対象とするため、割合を誤ると申請が通らない可能性があります。
自宅兼事務所のリフォームで補助金を受け取るには、「用途割合」「工事内容」「申請書類」の3点を押さえることが大切です。
用途割合の確認と按分の考え方
・居住部分と事業部分の割合は、登記簿や建物図面をもとに判断されることが多い
・補助金対象は居住部分のみ
・経費計上の際は、事業用部分に応じて按分が必要
例:延床面積100㎡の場合
| 用途 | 面積 | 割合 | 補助金対象 |
| 居住部分 | 60㎡ | 60% | 対象 |
| 事業部分 | 40㎡ | 40% | 対象外 |
→居住部分として使用されている範囲の工事であれば、補助対象となります。
補助金は面積ではなく「工事単位」で判断されます。
補助金対象工事は「住宅部分」に限定される
対象となる工事は住宅部分に限られるため、以下のように注意が必要です。
| A.対象になる工事例 ・居住スペースの窓断熱改修・居住用の太陽光発電システム設置・家庭用高効率給湯器の導入 B.対象外となる工事例 ・事務所部分の窓断熱改修・業務用エアコンの更新・倉庫や作業スペースの改修 |
これらの違いは、補助金の目的が「住宅の省エネ化を促進すること」にあるためです。
つまり、生活に直結する居住部分の工事は対象になりますが、事業活動を目的とした事務所や倉庫の工事は対象外と判断されます。
言い換えれば、「生活に関わる住宅部分かどうか」が基準になるのです。
書類に必要な情報(登記簿・平面図・用途割合の証明など)
申請時には、以下の書類や情報が求められることがあります。
・建物の登記事項証明書(居住用かどうかを確認)
・平面図や間取り図(居住部分と事業部分の割合を示す)
・工事契約書や見積書(住宅部分と事業部分の工事内容を区別するため)
※実際に必要な書類は制度ごとに異なるため、要確認
これらを施工業者と一緒に整理しておくことで、申請の手間を大きく減らせます。
住宅部に補助金が適用できる補助金
| 制度名 | 要件/記載内容 | 「住宅部分限定」の扱い |
| ZEH 新築戸建住宅(国のZEH支援事業 要綱)令和6・7年度 | 新築の専用住宅であること。ただし、住宅の一部に店舗等の非居住部分があり、住居部分のみでBELS評価※を取得し、交付要件を満たす場合は申請可能。 | 明記あり。居住部分のみが要件を満たすなら申請対象となる |
| 住宅ローン減税制度(住宅ローン控除) | 新築住宅などで、店舗等併用住宅の場合は「床面積の1/2以上が居住用」であること | 明示あり。住宅用途部分の割合で扱いが決まる |
| ZEH要件交付要綱(ZEHポータル) ※リフォームは対象外、参考として掲載 | 新築専用住宅が原則だが、住宅の一部に非居住部分があっても住居部分のみで要件を満たせば申請可能なケースが要綱に記載されている。 | 居住部分限定の例外規定としての扱いが明記されている |
| 既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材 等) | 「店舗や事務所等と居住部分が同一の住宅」は、電気・ガス等を分けて管理し、改修箇所を明確に切り分ければ「居住部分のみを申請できる」と明記。 | FAQでも「併用住宅は住居部分で行う改修が対象」と明記。以下引用:「住居部分で行う改修が対象となります。本事業は「住宅」に対する助成となりますので、住居部分と店舗・事務所等の部分を明確に分けた上で、住居部分にかかる改修のみ申請してください。なお、1つの部屋を店舗用と居住用の2つの用途で兼用している場合、その部屋は対象外となります。詳しくは助成金申請の手引きをご参照ください。」(既存住宅における省エネ改修促進事業 |よくある質問Q&Aより) |
| 港区 | 「創エネ・省エネ機器等設置費助成金」FAQ | 自宅の一部を事業用にしている場合、居住用申請では事業所用スペースは対象外と明記(例:2LDKの1室が事業用なら、その部屋は居住用としては助成対象外)。参考:港区公式サイト |
| 江東区 | 「地球温暖化防止設備導入助成(個人住宅・集合住宅)」 | 申請できる方に「店舗・事業所等を併用する住宅を含む」と明記。=併用住宅も“住宅として”枠内で扱う前提が確認できる(細かな按分は要綱確認)。参考:江東区公式サイト |
| 練馬区 | 「カーボンニュートラル化設備設置等補助金」パンフ | 補助対象設備を“居宅と事務所の両方で使用”するケースに触れる記述あり(=用途区分・申請の切り分け前提での運用が示唆) 詳細は要綱で確認。参考:練馬区公式サイト |
※BELS(べルス)評価とは……建物の省エネ性能を第三者機関が評価し、星や数値で示す制度です。住宅のエネルギー消費性能を客観的に確認できます。
個人事業主が申請する際の注意点・準備すべき資料

個人事業主がZEHリフォーム補助金を申請する場合、一般の住宅所有者とは違い「住宅部分と事業部分の区分」や「収支との整合性」を確認されることがあります。
スムーズに進めるために、以下の資料を準備しておくと安心です。
個人事業主のZEHリフォーム補助金申請で必要となる可能性が高い資料
| 資料名 | 目的・内容 |
| 住民票/登記事項証明書 | 実際に居住している住宅であることを証明する |
| 住宅平面図(間取り図) | 自宅と事業所部分を区分し、対象範囲を明示する |
| 工事契約書・見積書 | 補助対象となる工事の内容と費用を明確化する |
| 確定申告書(青色申告決算書/収支内訳書) | 事業用部分の面積比率や経費計上の有無を確認できる |
| 写真資料(工事前・工事後) | 工事が住宅部分で実施されたことを証明する |
これらの資料は「申請者が確かに居住しているか」「工事の対象が住宅部分であるか」を裏づけるために求められるものです。
特に併用住宅の場合、平面図や確定申告書の内容は申請審査での判断材料となりやすいため、不備がないよう整理しておきましょう。
注意すべきポイント
1.住宅用途部分と事業用部分を明確に分けること
間取り図や工事契約書で境界を示す必要あり。
2.経費計上との整合性を取ること
確定申告で事業経費にしている部分を「住宅補助金対象」とするのは矛盾につながります。
3.自治体ごとのフォーマットに従うこと
東京都23区でも必要書類や様式は区ごとに異なる。事前確認は必須です。
これらのポイントを押さえることで、申請時のトラブルを避けやすくなります。
特に「住宅と事業の線引き」をしっかり行い、書類の整合性を保つことが、承認の大きなカギになります。
| ファミリー工房では、ZEHリフォームの施工はもちろん、補助金の申請から書類提出、完了報告までをワンストップで承ります。 施主様は面倒なお手続きなく、快適な住まいを手に入れられます。無料で現地調査・お見積もりを承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください! >>無料お見積もり・ご相談はこちら|ファミリー工房 |
>>ZEHリフォーム補助金で個人事業主が得られるメリット・デメリットは“ZEHリフォーム補助金によるメリット&デメリットまとめ”をご覧ください。

- 監修者
- 大久保 洋司
Director
【保有資格】
一級建築士
監理技術者
マンションリフォームアドバイザー
既存住宅状況調査技術者
既存住宅アドバイザー

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約30年と経験豊富な建築士です。
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