ZEHオリエンテッド(Oriented)とは?ZEHとの違いと補助金の考え方をわかりやすく整理(前半)

ZEHを検討していたはずなのに、「この家はZEHオリエンテッドですね」と言われて戸惑った経験はありませんか。
ZEHと何が違うのか、性能が下がるのではないか、補助金は不利になるのではないかと不安に感じる方も多いでしょう。
ZEHオリエンテッドは、ZEHになれなかった住宅を示す区分ではありません。
太陽光発電を前提としにくい住宅条件を踏まえつつ、省エネ性能を正しく評価するための考え方です。
この記事では、ZEHオリエンテッドの意味やZEHとの違いを整理しながら、補助金との関係や考え方のポイントをわかりやすく解説します。
自宅の条件に合った判断をするための整理材料として、ぜひ参考にしてみましょう。
>>ZEHオリエンテッドを前提にした場合の補助金の考え方については“ZEHオリエンテッドとは?まとめ後半”をご覧ください。
目次
ZEHオリエンテッドとは?

ZEHオリエンテッドとは、太陽光発電の設置が難しい条件の住宅でも、ZEHに近い省エネ性能を評価するための区分です。
主に都市部や敷地条件の制約がある住宅を想定して設けられています。
ZEHとの最大の違いは、創エネ(太陽光発電)を必須としない点にあります。
断熱性能や設備効率といった「省エネ性能」はZEHに近い水準が求められますが、一次エネルギー収支をゼロにする要件は課されません。
そのため、ZEHオリエンテッドは「ZEHにできなかった住宅」という位置づけではなく、条件に応じて現実的な評価軸を設けた区分と考えるのが適切です。
ZEHとZEHオリエンテッドの違い(要点整理)
| 比較軸 | ZEH | ZEHオリエンテッド |
| 創エネ(太陽光) | 原則必須 | 立地条件により必須ではない |
| 評価の中心 | 省エネ+創エネで一次エネ収支ゼロ | 断熱・設備による一次エネ削減 |
| 位置づけ | ZEH基準を満たす住宅 | ZEHの派生区分として、省エネ性能を評価する枠 |
なぜZEHオリエンテッドという区分があるのか
都市部の住宅では、次のような理由で太陽光発電の設置が難しいケースがあります。
| ・敷地が狭く、屋根面積を確保しにくい・隣家や建物の影で十分な発電量が見込めない・斜線制限や屋根形状の制約がある |
こうした条件を無視してZEHのみを基準にすると、性能は高いのに評価されない住宅が生まれてしまいます。
そのギャップを埋めるために設けられているのが、ZEHオリエンテッドです。
ZEHオリエンテッドで求められる基本的な考え方
ZEHオリエンテッドでは、次の点が重視されます。
| ・断熱性能の確保・高効率な設備によるエネルギー消費削減・住宅全体としての省エネ設計 |
端的に言えば創エネを除いた部分で、どこまで一次エネルギー消費量を抑えられているかが評価の軸になります。
ここを理解しておくと、「ZEHではない=性能が低い」という誤解を避けやすくなります。
ZEHとZEHオリエンテッドの違いを具体的に整理

ZEHとZEHオリエンテッドにはさまざまな違いがあります。先ほどもざっとご説明しましたが、改めて2つの違いを見ていきましょう。
■ZEHとZEHオリエンテッドの比較
| 比較項目 | ZEH | ZEHオリエンテッド |
| 創エネ(太陽光) | 原則必須 | 必須ではない |
| 評価の考え方 | 省エネ+創エネで一次エネ収支ゼロを目指す | 省エネ性能による一次エネ削減を重視 |
| 想定される住宅条件 | 太陽光設置が可能な立地・屋根条件 | 都市部・狭小地・屋根条件に制約がある住宅 |
| 外皮・設備性能 | 高水準が必須 | 高水準が求められる(ZEHに近い水準) |
| 区分の位置づけ | ZEH基準を満たす住宅 | ZEH未満ではなく別の評価区分 |
違いは「性能」ではなく「前提条件」
表を見ると分かる通り、ZEHとZEHオリエンテッドの違いは、住宅性能のレベルそのものではありません。
断熱性能や設備性能については、どちらも高水準が求められます。
分かれ目になるのは、太陽光発電を前提にできるかどうか、という住宅条件です。
太陽光を組み込める条件であれば、ZEHとして計画されるケースが多く、それが難しい条件の住宅は、同じ省エネ性能でもZEHオリエンテッドとして評価されます。
この違いを理解しておくことで「ZEHオリエンテッド=劣っている」「補助金的に不利」といった誤解を避けやすくなります。
ZEHオリエンテッドはどんな住宅に向いている?

ZEHオリエンテッドは、すべての住宅に当てはめるための区分ではありません。
住宅の立地や条件によって、ZEHよりも現実的な選択肢になるケースがあります。
ZEHオリエンテッドが向いている住宅の整理表
| 観点 | ZEHオリエンテッドが向いているケース |
| 太陽光発電 | 屋根面積が小さい、方位が不利、影の影響が大きい |
| 立地・環境 | 都市部、狭小地、密集地、景観・建築規制がある |
| 屋根条件 | 形状が複雑、将来の増改築を想定している |
| 重視したい性能 | 断熱性能、給湯・空調など設備効率 |
| 考え方の軸 | 創エネに無理に寄せず、省エネ性能を最大化したい |
太陽光発電を前提にしにくい住宅
ZEHオリエンテッドが想定しているのは、太陽光発電の設置が難しい、または効率を確保しにくい住宅です。
特に都市部では、次のような条件が重なりやすくなります。
| ・屋根面積が小さい・屋根の向きが北寄り・周辺建物の影が大きい |
こうした条件では、太陽光を載せても十分な創エネ効果を見込みにくくなります。
敷地条件や規制の影響を受ける住宅
太陽光発電が技術的には可能でも、現実的に選びにくいケースもあります。
| ・景観規制や地区計画がある・屋根形状が複雑で設置効率が低い・将来的な建て替えや増改築を想定している |
このような場合、創エネに無理に寄せるより、省エネ性能を重視したZEHオリエンテッドの方が整合を取りやすくなります。
断熱や設備性能を重視したい住宅
ZEHオリエンテッドは、断熱や設備による一次エネルギー削減を評価の中心に置きます。
そのため、以下のような考え方の住宅とも相性が良い区分です。
| ・外皮性能をしっかり高めたい・給湯や空調の効率改善を優先したい・光熱費の安定を重視したい |
創エネに頼らず、省エネ性能そのものを高めたい場合には、ZEHオリエンテッドとして整理する方が現実的なケースもあります。
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- 監修者
- 阿部 智康
sub manager
保有資格:2級建築施工管理技士

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