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ZEHリフォームで換気システムを導入するメリットと注意点|第一種・第三種の違いも徹底解説(前半)

室内のにおいや湿気がこもりやすい、冬に結露が出やすいといった悩みは、多くの住宅で見られます。

これらは「空気が入れ替わりにくいこと」が原因のひとつで、断熱性能が高い家ほど室内の空気がとどまりやすくなります。

そのため、住まいの快適性を高めたいという理由から、断熱改修や窓リフォームを含めたZEHリフォームを検討されるご家庭も少なくありません。

こうしたリフォームでは断熱・気密が向上する一方で、室内の空気が循環しにくくなるため、計画的に空気を入れ替える「換気システム」がより重要になります。

この記事では、換気システムを導入するメリットや種類、既存住宅に取り入れる際の注意点をわかりやすく整理しました。換気改善を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

>>導入時のポイント、補助金、工事の流れについては“ZEHリフォーム換気システム導入まとめ後半”をご覧ください。

ZEHリフォームで換気システムを導入するメリット

ZEHリフォームでは断熱性と気密性が高まるため、室内環境を快適に保ちやすくなる一方で、空気が入れ替わりにくくなる面があります。

そこで重要になるのが換気システムです。

ここでは、ZEHリフォーム&換気設備を組み合わせると得られる主なメリットを、初めて換気システムのリフォームを検討される方にも伝わりやすいように整理してご紹介します。

暖冷房効率が上がる(熱交換でエネルギー損失を抑える)

ZEHリフォームでは外壁や窓の断熱性能が高まるため、室内で調整した空気を保ちやすくなります。

しかし窓を開けて換気すると、暖めた空気や冷やした空気がそのまま外へ逃げてしまい、エアコンの負担が増えます。

熱交換型の換気システムを導入すると、排気時に回収した熱を使って外気の温度を調整し、室内へ取り込みます。


そのため、換気によるエネルギー損失を抑えやすく、快適さと省エネ性の両立が可能になります。

■ポイント

・冬:冷たい外気を少し暖めて取り込める
・夏:熱い外気を少し冷まして取り込める
・エアコンの稼働が安定し、省エネに影響しやすい

室内空気の質が安定する(CO₂・におい・ホコリ対策)

高気密化が進むと自然に空気が入れ替わる機会が減り、室内にCO₂や湿気、においの成分が滞留しやすくなります。

換気システムを整えると、以下のような「空気の問題」を抑えられます。

■改善できるポイント

・CO₂濃度の上昇
・調理や生活臭の滞留
・湿気のこもり
・ホコリ・微粒子の増加

フィルターを清掃・交換すれば捕集力も維持でき、室内空気の質が安定しやすくなります。

花粉・PM2.5など外気汚染の侵入を抑えやすい

窓を開ける換気では、花粉やPM2.5がそのまま入り込みやすく、季節によっては換気をためらう場面もあります。

換気システムでは給気口にフィルターを設置できるため、汚染物質の侵入を一定程度防ぎながら換気できます。

■侵入予防の効果が期待できる物質の例

・花粉
・砂ぼこり
・PM2.5(フィルター性能による)

外気が気になる季節でも換気しやすく、暮らしやすさの向上につながります。

結露・カビの発生を抑制

結露は、室内の湿気が冷たい面に触れることで発生します。

ZEHリフォームで断熱性能を高めると冷えやすい部分は減りますが、湿度が高すぎると結露が起きる可能性は残ります。

換気システムを整えると、湿気を外へ逃がしやすくなり、次のようなトラブルを抑えられます。

■換気で抑えられるリスク

・窓ガラスの結露
・サッシ周辺の黒カビ
・押し入れ・クローゼット内の湿気
・においの発生

断熱と換気をセットで考えることで、年間を通じて快適な湿度を維持しやすくなります。

高気密住宅で必須になる“計画換気”の質が上がる

ZEHリフォームは気密性が高まるため、自然に空気が入れ替わる機会が大幅に減ります。

そのため、計画的に空気を取り込み、排気する仕組みが不可欠です。

■計画換気が必要な理由

・すきま風による“勝手な換気”がなくなる
・CO₂や湿気が滞留しやすくなる
・部屋ごとに空気が停滞しやすい

換気システムを見直すと、必要な場所に新鮮な空気が届き、汚れやすい場所から効率的に排気できるため、気密性能と相性の良い住まいに近づきます。

冷暖房負荷が減り、一次エネ削減につながる

ZEHでは外皮(断熱)だけでなく、一次エネルギー消費量も基準値以下に抑える必要があります。

換気は生活に欠かせない設備ですが、外気の温度差によって熱損失が起きやすい部分でもあるからです。

熱交換型換気を導入すると、外気を取り込む際の温度差を小さくできるため、冷暖房の負荷を減らしやすくなります。

■一次エネ削減につながる理由

・外気との温度差が減る
・冷暖房の稼働が安定する
・計画換気の循環効率が高まる
・太陽光発電と組み合わせると効果が見えやすい

断熱改修と換気の両方を整えることで、ZEH基準に近づきやすく、省エネ性を実感しやすい住まいになります。

ZEHリフォームにおける換気の重要性


換気システムのメリットを理解したうえで、次に知っておきたいのが「なぜZEHリフォームでは換気が特に重要になるのか」という点です。

外皮性能を高めるZEHリフォームでは、室内の空気が外へ逃げにくくなるため、空気の入れ替え方や循環の仕組みを正しく整える必要があります。

ここでは、ZEHの基準との関係や、断熱との組み合わせで換気が重要になる理由を整理します。

ZEHの一次エネ基準と換気設備の関係

ZEHでは「外皮性能(UA値)」だけでなく、冷暖房・給湯・照明・換気などの一次エネルギー消費量を基準値以下に抑える必要があります。


換気は生活に不可欠な設備ですが、外気との温度差によって熱損失が起きやすく、省エネ評価に影響します。

・熱交換型換気は外気を室温に近づけて取り込むため、冷暖房負荷を抑えやすい・第三種換気は外気を給気口から取り入れるため、温度調整がされず熱損失が大きくなりやすい・換気の方式によって一次エネ計算に差が出る

■ポイント
東京(6地域)でもηAC(冷房期の日射熱取得率)には上限基準が設定されていますが、日射遮蔽や換気方式は一次エネ削減に間接的に影響するため、換気計画はとても重要です。

断熱と換気はセットで考えるべき理由

断熱改修によって外皮性能を高めると、室内の空気が外へ逃げにくくなります。

これは快適性を高める大きなメリットですが、その反面、自然に空気が入れ替わりにくくなる側面があります。

・外皮性能が上がると空気が逃げにくくなる
・すきま風が減り、自然換気がほぼ起きなくなる
・CO₂や湿気が滞留しやすくなる
・計画的な給気と排気の仕組みが欠かせない

断熱だけ強化すると「空気がこもりやすい家」になる可能性があります。


そのため、ZEHリフォームでは断熱と換気をセットで考えることが基本です。

換気不足が招くリスク

換気が不足した状態が続くと、生活の中でさまざまな問題が発生します。

ZEHリフォームで気密が高まるほど、この影響は大きくなりやすい傾向があります。

以下は、換気不足で起きやすい代表的なリスクです。

リスク内容
CO₂濃度の上昇眠気・頭の重さ・集中力の低下につながる
冬の結露カビ発生の原因になり、窓まわりの劣化を招く
湿気の滞留押し入れやクローゼットのにおい・カビにつながる
アレルゲンの滞留ホコリ・ダニ・花粉などがたまりやすくなる

このように、空気が入れ替わらない状態が続くと、体調面から建物寿命まで幅広く影響が出ます。


断熱性能を高めるほど換気が重要になる理由がここにあります。

ZEHで使われる主な換気システムの種類


ZEHリフォームでは、断熱強化とあわせて「どの換気方式を選ぶか」が重要です。

換気方式によって空気の入れ替え方やエネルギー効率が大きく変わるため、特徴を正しく理解して選ぶ必要があります。

ここでは、一般的に使われる第一種換気と第三種換気の特徴を、初めて換気システムの更新を検討される方にもわかりやすいように整理します。

第一種換気と第三種換気の比較(表)

どちらが優れているというよりも、家の構造・断熱性能・気密性・予算によって適した方式が異なります。

以下の表は違いをまとめたものです。

項目第一種換気第三種換気
換気方式給気・排気とも機械排気のみ機械・給気は自然
熱交換あり(全熱・顕熱)なし
省エネ性高い標準的
快適性外気温の影響を受けにくい外気がそのまま入る
初期費用やや高い比較的安い
メンテナンス定期交換部品が多めシンプルで行いやすい
ZEHとの相性良いケースにより改善が必要

どの方式が最適かは、住宅の断熱性能・気密性・リフォーム範囲で変わるため、換気単体ではなく全体計画の中で検討するのがポイントです。

第一種換気(全熱交換型・顕熱交換型)

第一種換気は、給気と排気の両方を機械で行う方式で、外から入れる空気を熱交換器で処理しながら取り込めるのが特徴です。


ZEHとの相性が良く、外気温の影響を抑えつつ計画的な換気が行えます。

・外気を暖めたり冷ましたりして取り込める(熱交換)
・冷暖房負荷を抑えやすく、省エネ性が高い
・気密性の高い住宅と相性が良い
・ZEHの一次エネ基準を満たしやすくなるケースがある

※補足:全熱交換型と顕熱交換型

・全熱交換:温度+湿度も交換・顕熱交換:温度のみ交換(湿度の交換は行わない)


湿度も扱える全熱交換型は快適性が高い一方、顕熱交換型はカビリスクが比較的低く、メンテナンスのしやすさで選ぶケースもあります。

第三種換気(一般住宅で普及している方式)

第三種換気は、排気のみ機械で行い、給気は自然に行う方式です。

一般的な住宅や賃貸住宅でも多く採用されており、導入しやすい点が特徴です。

・排気メインのシンプルな構造
・導入費用を抑えやすい
・既存住宅でも取り入れやすい
・ただし外気がそのまま入るため、冬は冷気・夏は暑い空気が入りやすい

第一種換気ほどの省エネ性はありませんが、設備を大きく変更できない住宅では第三種換気を改善して性能を底上げする方法もあります。

換気システム導入の費用目安


換気システムは方式によって性能や構造が異なるため、必要な費用にも幅があります。

ここでは、第一種換気と第三種換気を導入または改善する際の費用を整理し、リフォームを検討するうえでの目安としてご紹介します。

住宅の構造や既存設備との兼ね合いで変動するため、あくまで参考としてご覧ください。

第一種換気の改善費用

第一種換気は、給気・排気を機械で行う高性能な方式で、ダクト工事や熱交換器の設置が必要になります。

既存住宅では施工条件によって金額が変わりやすいため、費用の内訳を表にまとめました。

費用項目目安金額内容
本体(熱交換器)+コントローラー20〜40万円第一種換気の中核となる設備。機能・グレードで幅が出る
ダクト配管工事20〜40万円天井裏や床下にダクトを通すための工事。構造で難易度が変わる
天井補修・点検口の新設5〜15万円ダクト配置や点検のために必要となるケースがある
総額目安50〜90万円住宅の構造・天井高・ダクトルートで変動

■補足ポイント

・天井裏や床下に十分なスペースがあるかどうかで導入可否が変わる
・騒音対策(設置位置)が費用に影響する場合がある
・メンテナンスしやすい配置かどうかも考慮が必要

第三種換気の改善費用

第三種換気は排気のみ機械で行う方式で、既存住宅でも改善しやすい構造です。

方式を変えず性能を上げたい場合の主な費用を表にまとめました。

費用項目目安金額内容
換気扇本体の交換3〜10万円老朽化や風量不足を改善し、換気量を確保しやすくなる
高性能フィルターへの交換数千円〜数万円外気の粒子を抑え、花粉やホコリの侵入を低減
給気口の追加1〜5万円部屋間の空気の流れを改善し、換気のバランスを整える
気密性の調整(隙間の是正など)数万円〜すきま風を減らし、計画換気が機能しやすくなる

■補足ポイント

・大掛かりな工事を必要としない改善が中心
・換気扇の風量・給気経路の見直しだけでも改善されるケースが多い
・費用を抑えて性能向上を図りたい場合に適した方式

第一種・第三種の費用比較表

以下は費用の大まかな比較をまとめた表です。

項目第一種換気第三種換気(改善含む)
初期費用50〜90万円程度3〜15万円程度
工事内容ダクト工事・天井補修・本体設置換気扇交換・フィルター改善など
省エネ性高い標準的
快適性外気温の影響を受けにくい外気がそのまま入る
既存住宅との相性構造により導入可否が変わるほとんどの住宅で対応可能

第一種換気は費用はかかりますが性能が高く、第三種換気は費用を抑えつつ改善しやすい方式という位置付けになります。

ファミリー工房では、ZEHリフォームの施工はもちろん、補助金の申請から書類提出、完了報告までをワンストップで承ります。
施主様は面倒なお手続きなく、快適な住まいを手に入れられます。無料で現地調査・お見積もりを承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください!

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>>導入時のポイント、補助金、工事の流れについては“ZEHリフォーム換気システム導入まとめ後半”をご覧ください。

監修者
近岡 正平
株式会社ファミリーDesign

Manager

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【保有資格】
一級建築士
二級建築士
福祉用具専門相談員
監理技術者
既存住宅状況調査技術者
建築物石綿含有建材調査者

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