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ZEHを目指す外壁リフォームの基礎知識|断熱性能・工法・補助金をわかりやすく解説(前半)

外壁リフォームを検討する際に、「せっかくならZEH基準にも近づけたい」「外壁を張り替えると断熱性能も上がるのでは?」と疑問を抱く方は多いです。

しかし実際には、外壁材そのものの張り替えだけではZEH基準に近づかず、外皮性能(UA値)にも影響しません。

ZEH評価に関わるのは外壁の“見た目”ではなく、その内側にある断熱層の性能であり、外壁工事と断熱改修をどのように組み合わせるかが重要です。

本記事では、以下のポイントに焦点を当てて解説します。

・外壁リフォームとZEH基準の関係・外壁性能がUA値・一次エネルギー評価に与える影響・ZEHレベルに近づけるための工法や外壁材の選び方・窓・屋根との組み合わせによる最適な外皮改善・東京都・区で外壁断熱に使える補助金制度

外壁のデザイン性・耐久性を高めながらZEHレベルに近づける方法を整理していますので、外壁リフォームを検討中の方はぜひ参考にしてください。

目次

ZEHにおける「外壁性能」の位置づけと基礎知識

ZEHの評価では「外壁リフォーム」ではなく、外壁内部の断熱層(断熱材)が性能値に反映されます。


外壁材(サイディング・モルタル・塗装)は見た目や防水の役割が中心であり、ZEH判定の対象ではありません。

ここでは、外壁とZEHの関係を整理します。

外皮性能(UA値)と一次エネ評価の関係

ZEH判定では、外壁を含む建物外周部の断熱性能がUA値(外皮平均熱貫流率)で評価されます。


外壁部分の断熱性能が上がると、UA値が改善され暖房・冷房負荷が減少します。

■UA値に影響する外皮(外周パーツ)

・外壁・窓(最も熱損失が大きい)・屋根または天井・床

外壁は面積が広いため「少しの性能差でもUA値に影響しやすい」のが特徴です。

外壁材(サイディング・塗装)はZEH性能に影響しない理由

ZEHの判定に使われる基準値は、外壁材ではなく断熱材の熱抵抗値(R値)や厚みです。


つまり、サイディングを変えても、塗装を高性能にしても、UA値は変わりません。

■外壁材の主な役割
・外観デザイン
・防水性能の確保
・耐候性・耐久性
■ZEHに関係するのは「断熱材」
・グラスウール
・ロックウール
・EPS(外張り断熱)
・フェノールフォーム断熱材 など

外壁の断熱性能が改善すると起こる変化

外壁断熱を改善すると、外皮性能が上がり建物全体のエネルギー効率が向上します。

■改善による主な効果

・暖房負荷の低減(冬の寒さが和らぐ)・冷房負荷の低減(夏の日射熱を抑える)・外気温の影響を受けにくくなり、室温が安定しやすい・一次エネルギー消費量の削減につながる

特に東京(6地域)では、外壁断熱を強化しても窓性能が低いとZEHに届かないケースが多いため、外壁+窓のセット改善が重要です。

【外壁がUA値に与える影響の目安表(東京・戸建て想定)】

外皮部位外皮面積の目安(割合)熱損失への影響度特徴・補足
外壁約25〜35%中〜大面積が広く、断熱強化の効果が安定して出やすい
窓(開口部)約15〜25%最大(最重要)面積は小さいが熱損失が最も大きく、ZEH判定では優先度が高い
屋根(天井)約20〜30%中夏の冷房負荷への影響が大きい
床約15〜20%小〜中冬の体感温度に影響しやすい
玄関ドアなど数%小外皮面積が小さいため全体への寄与は限定的

■補足:表からわかるポイント

・外壁は外皮の中で“2〜3番目に重要なパーツ”
→面積が大きいので、断熱材を強化するとUA値が安定して改善する。
・窓は面積が小さくても“最重要”
→外壁だけ強化しても、窓性能が低いとZEHはほぼ不可能。
・屋根も外壁と同レベルで重要
→とくに日射負荷が高い夏に影響。

【結論】

外壁は重要だが、単独ではZEHに届きにくいため“外壁×窓×屋根”の組み合わせが必須。

ZEH基準に必要な「外壁性能」の目安とは?

外壁は外皮の中でも面積が大きく、断熱性能を改善するとUA値が安定して下がります。

ここでは、ZEH基準に近づくために「外壁にどの程度の性能が求められるか」を整理します。

東京(6地域)で求められるUA値の目安

ZEHの外皮基準では、地域区分に応じてUA値の上限が設定されています。


東京23区は地域区分6に該当し、UA値0.6以下がZEHの外皮基準です。

地域区分地域例ZEH基準(UA値)備考
6地域東京・神奈川・千葉0.6以下改修で到達させるには外壁+窓の改善が必要
7地域九州南部など0.5以下基準が厳しくなる

外壁断熱の強化だけでは0.6に届かないケースが多いため、窓断熱との組み合わせは必須といえます。

外壁断熱材の熱抵抗値(R値)がZEHに与える影響

外壁がZEH基準に近づくためには、断熱材の熱抵抗値(R値)が重要です。


R値が高いほど断熱性能が高く、外皮性能が改善します。

断熱材一般的なR値の例(厚みに応じた目安)特徴
グラスウール(16K)R1.5〜2.0リフォームで最も普及
高性能グラスウールR2.5〜3.5ZEHレベルを目指す改修向き
硬質ウレタンフォームR3.0前後外張り断熱で多い
フェノールフォーム断熱材R3.5〜4.0少ない厚みで高性能

東京の戸建てでは、外壁はR2.7以上が望ましい水準とされます。

外壁だけではZEHに届かない理由(開口部の影響)

UA値は「外皮全体の平均値」で評価されます。


そのため、外壁だけを強化しても、窓性能が低い場合は基準に届きません。

部位熱損失の割合(目安)ZEHへの影響
窓約50〜60%最重要要素
外壁約15〜25%効果は大きいが単独では不足
屋根約10〜20%補完的に必要

【結論】

ZEH基準に到達するには、外壁+窓+屋根の総合改善が前提となります。

外壁リフォームでZEH化を目指す際に選ばれる工法

外壁リフォームでZEH基準に近づけるためには、外壁材ではなく「断熱工法」をどう選ぶかが鍵になります。

ここでは、ZEHに向けて採用されることが多い外壁断熱の代表工法を、ZEH視点で整理します。

外張り断熱(外側から断熱材を追加する工法)

外壁の外側に断熱材を張り付け、その上からサイディングや仕上げ材を施工する工法です。

リフォームでも採用でき、断熱欠損が起こりにくいことが特徴です。

項目内容
断熱性能高い(熱橋が少なく安定)
ZEH適性最も高い
工期やや長い
メリット壁内結露のリスクが低い/既存壁を壊さない
注意点外壁が厚くなる/開口部まわりの納まりが必要

ZEH向け改修では最も選ばれやすい断熱強化方法です。

内張り断熱(室内側から断熱材を追加)

室内側の壁を一度解体し、内部に断熱材を充填する工法です。

外壁を触らず施工できるため、戸建て内装リフォームと併せて行いやすい特徴があります。

項目内容
断熱性能中〜高(施工精度で左右されやすい)
ZEH適性中(施工次第で伸びる)
工期中程度
メリット室内側から施工でき、外観を変えない
注意点家具移動が必要/気密施工が重要/結露リスク管理が必須

窓交換と同時に行うと外皮改善効果が大きくなります。

付加断熱(外壁張り替え時に追加する方法)

既存外壁を剥がすタイミングで、新たに断熱材を追加する工法です。


外張り断熱と内張り断熱の“いいとこ取り”ができ、リフォームでも高性能化しやすいのが特徴です。

項目内容
断熱性能高い
ZEH適性高い
工期外壁張り替えと同程度
メリット外壁リフォームと一体で性能改善できる/断熱厚みを柔軟に設定可能
注意点工事費がやや高め/納まりが複雑になることも

【ZEH向け外壁断熱工法の比較表】

工法断熱性能ZEH適性工期費用感(相対)主なメリット主な注意点
外張り断熱高い(安定)最も高い中〜長高め・熱橋が少なくUA値が安定・既存壁を壊さず施工できる・結露リスクが低い・外壁が厚くなる・開口部まわりの納まり調整が必要
内張り断熱中〜高(施工精度に左右)中中中・外観を変えずに性能改善・室内リフォームと同時施工しやすい・気密処理の質が重要・壁内結露に注意・家具移動が必要
付加断熱(外壁張り替え+追加断熱)高い高い中中〜高・外壁リフォームと同時に断熱強化・断熱厚みを柔軟に設定できる・外壁張り替え費用が加算・納まりが複雑になることがある

※補足

・ZEHを確実に狙うなら外張り断熱or付加断熱が最有力
・外観を変えない/予算を抑えたいなら内張り断熱が候補
・外壁張り替えのタイミングなら付加断熱が最もコスパが良い
・東京の戸建ては窓断熱が必須なので、工法選びだけでZEHに届くわけではない

外壁材はZEHに影響する?よくある誤解を解消

外壁リフォームとZEHの関係で最も誤解されやすいのが「外壁を張り替えれば断熱性能が上がる」という思い込みです。

実際には、サイディングや塗装といった外壁材そのものはZEH判定の対象外で、断熱性能は外壁内部にある「断熱層」によって決まります。

サイディング・塗装は“外観と防水”が中心で断熱ではない

サイディング張り替えや外壁塗装は、住宅の見た目を改善し、外壁の防水性や耐久性を高める工事です。

しかし、ZEHに関わる断熱性能は外壁材ではなく断熱材の性能・厚みで判断されます。

■外壁材の役割

・外観デザイン・防水性能・耐候性・耐久性・下地保護

外壁材を変えてもUA値はほとんど変化しません。

ZEH評価に影響するのは“断熱材の熱抵抗値(R値)”

外壁性能としてZEHに直接影響するのは、断熱層(断熱材)の熱抵抗値(R値)です。

R値が高いほど熱が伝わりにくく、ZHE基準に近づきます。

要素ZEH判定への影響説明
外壁材(サイディング・塗装)ほぼ影響なし断熱ではなく外観・防水が役割
断熱材の種類・厚み大きく影響R値、厚みで外皮性能が決まる
気密処理の精度中〜大施工品質で性能が大きく変わる

外壁工事と断熱工事を同時に行うメリット

外壁リフォームは足場が必須で、断熱工事も外側からアプローチする場合は同様に足場が必要です。


そのため外壁工事と断熱工事を同時に行うと費用を抑えやすいというメリットがあります。

■同時施工のメリット

・足場を1回で済ませられる・外壁材の張り替え時に付加断熱を追加しやすい・施工範囲が重なるため効率が良い・外見のデザインと断熱性能を同時に改善できる

外壁×窓×屋根の組み合わせでZEHに近づく理由

外壁だけの断熱強化では、ZEH基準に届かないケースが多く見られます。


その理由は、外皮性能は「外壁だけ」ではなく外壁・窓・屋根・床の総合評価で決まるためです。

ここでは、外壁断熱を軸に、窓や屋根と組み合わせる必要性を解説します。

東京(6地域)は窓の熱損失が最大。外壁だけでは限界がある

東京の住宅では、外皮の中でも窓(開口部)の熱損失が最も大きいのが特徴です。


そのため、外壁断熱を強化しても、窓性能が低いと暖房・冷房負荷はほとんど下がりません。

外皮部位熱損失割合の目安コメント
窓50〜60%ZEH化では最優先で改善する必要がある
外壁15〜25%面積は広いが窓ほどの損失はない
屋根10〜20%夏の冷房負荷の大きな要因
床5〜10%冬の体感温度に影響

結論:外壁強化だけでは、窓の性能不足によりZEH基準に届かない。

屋根断熱を加えると“夏の冷房負荷”が大きく減る

東京の夏は日射量が多く、屋根面が最も熱を受けやすい部分です。


屋根断熱を外壁と同時に強化すると、冷房の効きが大きく改善します。

■屋根断熱と組み合わせるメリット

・日射熱を大幅にカットできる・冷房の電力消費が低下・小屋裏温度の上昇を抑制・外壁断熱だけより一年を通じた省エネ効果が高い

ZEHでは「暖房と同じくらい冷房負荷の低減」も評価対象のため、屋根断熱の強化は外壁と同等に重要です。

パッシブ設計(方位)による外壁の影響

外壁は方位によって受ける熱の量が大きく変わります。


特に南面・西面は日射が強いため、断熱の厚みや窓の遮熱性能がZEH化の成否を分けます。

方位特徴ZEH視点での対策
南面冬は日射取得が有利窓は断熱と日射取得のバランスを
西面夏の日射負荷が最大外壁の断熱強化+遮熱窓が効果的
東面朝の日射で温度上昇遮熱ガラスが有効
北面熱損失は大きいが日射少断熱材を厚めにすると安定

外壁は“全面均一”ではなく、方位によって断熱強度を変える設計がZEHに近づく鍵です。

外壁・窓・屋根の組み合わせがZEHに最も効果的な理由

3つを同時に改善すると、外皮全体の性能がバランス良く向上し、UA値の改善幅が大きくなります。

組み合わせ効果
外壁×窓熱損失の大部分をカバーし、UA値が大きく改善
外壁×屋根冬と夏の両方の負荷が減り、一次エネ評価が安定
外壁×窓×屋根ZEH判定で最も効果が高い組み合わせ

結論として、ZEH基準を目指す外壁リフォームでは以下の違いが明確に表れます。

外壁単独リフォーム → 効果は限定的外壁 + 窓 + 屋根リフォーム→ 大幅に省エネ化
ファミリー工房では、ZEHリフォームの施工はもちろん、補助金の申請から書類提出、完了報告までをワンストップで承ります。
施主様は面倒なお手続きなく、快適な住まいを手に入れられます。無料で現地調査・お見積もりを承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください!

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監修者
近岡 正平
株式会社ファミリーDesign

Manager

お客様とコミュニケーションをとって、ご希望にマッチした提案をいたします。
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【保有資格】
一級建築士
二級建築士
福祉用具専門相談員
監理技術者
既存住宅状況調査技術者
建築物石綿含有建材調査者

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