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ZEHを目指す外壁リフォームの基礎知識|断熱性能・工法・補助金をわかりやすく解説(後半)

前半では、外壁断熱の工法や性能基準、ZEH判定に影響するポイントを整理しました。

しかし「実際にどんな補助金が使えるのか」「外壁断熱は対象になるのか」など、費用面で不安を感じる方も多いでしょう。

後半では、外壁断熱に使える主要な補助金をまとめて紹介します。

・国の断熱改修向け制度
・東京都の外壁断熱補助
・区の断熱改修支援

補助金を活用すると、外壁断熱の負担を大きく抑えられますので、ぜひ計画前の参考にしてみてください。

>>ZEH基準に該当する外壁性能の目安については“ZEHリフォームで外皮性能向上まとめ前半”をご覧ください。

目次

外壁リフォーム・外壁断熱で使える主なZEH関連補助金

外壁リフォームそのもの(外壁材の張り替え・塗装)は補助対象外ですが、外壁断熱を伴う場合は複数の補助金が利用可能です。


ここでは、「外壁断熱に関係する制度」を厳選して整理します。

国の制度|既存住宅の断熱リフォーム支援事業(外壁断熱に対応)

国が実施する断熱リフォーム支援制度で、外壁・屋根・天井・床の断熱材設置が対象です。外壁断熱を含む外皮性能改善が補助対象となります。

外壁の断熱性能(熱抵抗値・厚み)が基準を満たす必要があります。

項目内容
対象既存住宅の断熱改修(外壁・屋根・床など)
補助対象断熱材の設置(外壁は高性能断熱材が対象)
特徴外壁を含む外皮全体の断熱強化を後押し
補助金額最大120万円/戸
公式サイトhttps://www.heco-hojo.jp/danref/index.html

※要件や金額は年度によって変更になる場合があります。必ず最新の情報をご確認ください。

東京都|既存住宅における省エネ改修促進事業(外壁断熱が対象)

東京都の代表的な断熱改修補助制度で、外壁・屋根・天井・床の断熱材設置や窓・ドアの断熱、高断熱浴槽の設置が対象です。

外壁断熱はとくに補助対象として利用しやすい工事です。

項目内容
対象都内の既存住宅
補助対象外壁・屋根・天井・床の断熱材、窓断熱など
外壁断熱の要件熱抵抗値など、性能基準を満たす断熱材が必要
補助金額の例外壁断熱:上限100万円窓・ドア断熱:合わせて上限130〜325万円*高断熱浴槽の設置:上限9.5万円*登録された防犯窓への改修の場合上限金額が325万円までになる。※要件や金額は年度によって変更になる場合があります。必ず最新の情報をご確認ください。
特徴外壁断熱+窓断熱の組み合わせで補助額が伸びやすい
公式サイトhttps://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/ene_reform/ene_reform_r07

足場を利用する工事では、窓と外壁断熱を併せて行うとコストメリットも大きくなります。

東京23区の断熱リフォーム支援(外壁断熱に使える区の制度も)

東京23区には、外壁断熱や外皮改善に使える補助金が独自に用意されている区があります(年度や区によって制度は変動)。

区名(例)制度の例特徴
葛飾区かつしかエコ助成金断熱材設置・窓改修などが対象
荒川区荒川区新エコ助成事業外皮断熱を伴う改修が補助対象
足立区省エネリフォーム補助金外壁・窓の断熱改修に対応
杉並区再生可能エネルギー等の導入助成及び断熱改修等省エネルギー対策助成金外壁断熱など外皮改修が対象

区の制度は「国や都の補助金と併用可能」なケースもあるため、外壁断熱との相性が非常に良いのが特徴です。

補助金について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

【関連記事】

【2025年最新】ZEHリフォームは補助金でお得に!東京都・23区・国の支援制度と費用例を徹底解説(後半)

ZEH外壁リフォームでよくある失敗と注意点

外張り断熱で開口部の納まりが悪くなる

外張り断熱は性能が高い一方で、窓まわりの“納まり”が変わりやすい工法です。

断熱材の厚みが増えることで、窓枠が奥まったり、雨仕舞(雨水処理)が不十分になるリスクがあります。


特に既存外壁との取り合い部分は、適切な防水処理と役物(見切り材)の設置が欠かせません。

既存壁の内部結露リスク

内断熱・外断熱を問わず、断熱層と既存壁の間に湿気がこもると“内部結露”を招く可能性があります。


特に内張り断熱では既存の壁内に湿気が滞留しやすいため、防湿層の施工精度が重要です。
湿気の逃げ道や換気性能を考慮した設計が求められます。

気密処理が不十分で性能が出ない

外壁断熱は“気密性能の確保”が前提条件です。


断熱材を厚くしても、コンセントまわり・配管まわり・窓周囲の気密処理が不十分だと、計算上の性能が実際の断熱性能に反映されません。


ZEHを想定した外壁断熱では、C値(相当隙間面積)の改善まで視野に入れることが重要です。

外壁材との組み合わせで断熱性能が低下するケース

サイディング・モルタル・金属外壁など、外壁材の種類によっては断熱材の固定方法や重ね張り方法に制限が生じます。


誤った組み合わせを選ぶと、熱橋(ヒートブリッジ)が多発して性能が落ちるだけでなく、耐久性にも悪影響が出ることがあります。


対策としては、適切な下地補強や通気層の確保が非常に重要です。

ZEHレベルを目指す外壁リフォームの費用目安

既存外壁を残す場合と張り替える場合の費用差

外壁リフォームは、既存外壁の扱いによって費用が大きく変わります。


ZEHレベルの断熱性能向上を狙う場合も、以下の2パターンで費用感が分かれます。

①既存外壁を残す(重ね張り)
・外壁材の撤去が不要で工期が短い
・撤去費がないため総額が抑えられる
・ただし断熱層の施工スペースに制限がある→外張り断熱と相性が良いが、厚みの上限が出やすい
②既存外壁を撤去して張り替える
・施工自由度が高く、厚い断熱材を入れやすい
・気密処理や下地補強がしっかり行える
・ただし撤去解体費が上乗せされる
→ZEHレベルの断熱厚みにしやすいが、費用は上がる

■比較表:既存外壁を残す(重ね張り)vs既存外壁を撤去して張り替える

項目既存外壁を残す(重ね張り)既存外壁を撤去して張り替える
工期短い(撤去作業なし)長い(撤去〜下地調整が必要)
費用比較的安い(撤去費ゼロ)割高(撤去費・下地処理費が発生)
断熱材の施工自由度やや制限がある(厚み制限が出やすい)高い(必要な厚みを確保しやすい)
仕上がりの自由度外壁の厚み増加により納まり制限あり外壁デザインの自由度が高い
気密性能の確保施工状況によりバラつきやすい下地から調整でき安定しやすい
ZEHレベル断熱との相性△(厚み確保が難しい場合あり)◎(ZEHレベルの厚みにしやすい)

外壁リフォームと断熱工事を“別で行う”と割高になる理由

外壁の張り替えと断熱工事を別々に行うと、足場の再設置や外壁材の再施工が必要になるため費用が増えます。

・外壁工事のたびに足場費が発生・断熱工事後に再び外壁材の施工が必要・気密処理や納まり調整が非効率になり手間が増える

外壁と断熱は同時施工するほどコスト効率が高くなります。

特に既存外壁を撤去するケースでは、断熱材の施工自由度も高まり、ZEHレベルへ近づきやすくなります。

ZEHを目指すために必要な外壁断熱工事の割合(面積ベース)

ZEHでは「外皮性能(UA値)」の改善が不可欠であり、外壁断熱は外皮面積の大きな割合を占めます。


しかし、外壁の一部だけ断熱してもUA値はほとんど改善しません。

【一般的な木造住宅(2階建て)の外皮構成比(例)】

・外壁:45〜55%程度
・屋根・天井:20〜25%
・床:10〜15%
・窓:10〜15%

このため、外壁断熱をZEHレベルに近づけるには

・外壁面積の7〜8割以上を断熱改修する・窓を同時に性能アップする・屋根・天井とバランスよく断熱強化する

といった「外皮一体の改善」が必須になります。

外壁の一部補修だけでは、外皮全体の性能は十分に向上しません。

外壁リフォームだけでZEHを達成できないケース

外壁断熱は外皮性能を大きく向上させる工事ですが、それだけではZEH基準(外皮性能+一次エネルギー削減量)を満たせないケースもあります。

東京都・23区の住宅では特に「窓」「日射条件」「気密」の影響が大きく、外壁単体で改善できる幅には限界があります。

以下では、ZEH基準に届かなくなる代表的なケースをご紹介します。

窓性能が低く、外壁だけではUA値が届かない

ZEH判定において最も影響するのは窓(開口部)です。


木造住宅では外皮面積の約15%が窓ですが、熱の出入りは外壁よりも大きくなりやすいため、外壁だけ強化しても以下のような問題が発生します。

・アルミサッシ(単層ガラス)のままでは断熱性能が極端に低い
・日射取得が大きい南面窓が多い場合、冷房期の負荷が下がらない
・外皮平均熱貫流率(UA値)が目標値に届かない

このためZEHレベルの外皮性能を目指す場合は、外壁断熱+窓性能の底上げがセットになるケースがほとんどです。

日射取得の大きい面の断熱不足

東京(6地域)では、日射熱の影響が大きい西面・南面の外壁の断熱強化が重要です。


外壁を一律で施工しても、日射量の大きい面の断熱が不十分だと次のような現象が起こります。

・夏の冷房負荷が大きく、一次エネルギー削減量に反映されない・部屋ごとの温度ムラが残り、体感温度が改善しない・ZEH計算で「冷房期の負荷」が基準値に届かない

ZEHでは夏の冷房負荷削減も評価対象となるため、日射条件の分析と“面ごとの差”を意識した断熱設計が必要です。

断熱欠損や気密不足で実効性能が出ない

外壁断熱は「厚み」だけではなく施工品質(気密処理・下地処理・断熱欠損)」が評価を大きく左右します。

よくある問題は次のとおりです。

・柱まわり・配線まわりの断熱欠損で性能が想定より下がる
・気流止めが不十分で壁内対流が起こる
・外張り断熱で開口部の周囲に隙間が生じる
・気密処理の甘さで暖房・冷房負荷が増える

UA値は机上計算ですが、ZEHは「実効性能」が下がると一次エネスコアにも影響するため注意が必要です。

外壁だけ強化しても一次エネ評価が改善しない理由

ZEH判定には外皮性能だけでなく、設備(給湯・空調・換気・照明)の一次エネルギー削減量が必須です。

外壁断熱だけでは評価に届かないパターンは次のとおりです。

・給湯が旧式で一次エネ消費が大きい・エアコンが旧型で効率が低い・換気が第1種ではなく、ロスが大きい・太陽光の容量が不足している(ZEH/Nearly ZEHの場合)

特に東京では給湯・空調の効率アップと太陽光導入がセットの方が判定が安定しやすいため、外壁だけでZEH化を狙うのは現実的ではありません。

外壁リフォームだけでZEHを達成できない理由と“改善策”まとめ表

課題の種類起きやすい問題(わかりやすく要点化)ZEH基準に届かない理由おすすめ改善策(実務的に有効)
窓性能が低い外壁は断熱されていても、古い窓(アルミサッシ・単板ガラス)が熱の出入り口になってしまう。・UA値が改善しない
・夏冬の冷暖房負荷が大きい
・外壁の性能が“窓から逃げる熱”で相殺される
・樹脂窓or内窓の導入(先進的窓リノベを併用)
・南面の窓は特に強化(遮熱タイプも検討)
日射の強い面の断熱不足南面・西面の外壁が十分に断熱されていないと、夏に壁が熱くなり冷房が効きにくい。・冷房期の負荷が下がらない
・一次エネ削減量が不足
・外壁全体の断熱レベルが揃わない
・西面
・南面を重点的に断熱厚みアップ
・遮熱塗料との組み合わせも有効
断熱欠損・気密不足断熱材の隙間・壁内の空気の流れ・開口部周辺の隙間など、“施工ミス”で本来の性能が出ない。・机上計算より実際の性能が大きく下がる
・冷暖房エネルギーが増える
・ZEH判定の信頼性低下
・断熱材の連続性と気密処理を徹底
・外張り断熱は開口部まわりを重点チェック
・赤外線サーモでの“施工後の確認”も有効
外壁だけ強化しても一次エネが足りない外壁は良くても、給湯・空調・換気が古いままだと“設備のエネルギー消費”が減らない。・一次エネ基準に未達
・給湯の効率不足が特に大きく影響
・太陽光なしではNearly/ZEHで不利
・高効率エコキュート+高効率エアコンへ更新
・太陽光発電をセットで導入・必要に応じて第1種換気を採用
・高効率エコキュート+高効率エアコンへ更新
・太陽光発電をセットで導入
・必要に応じて第1種換気を採用

よくある質問(FAQ)

Q1.外壁リフォームだけでZEH基準を満たせますか?

A.外壁だけのリフォームでZEH基準に届くケースは多くありません。


理由は、外皮性能に最も影響するのが窓・屋根(天井)・気密性能であり、外壁単体ではUA値の改善幅に限界があるためです。

外壁断熱を強化しても、以下の状態のままでは外皮全体の性能が不足します。

・窓の断熱が弱い
・西面・南面の冷房負荷が大きい
・気密性能が不足している

よってZEH基準を目指すには、外壁+窓+屋根(天井)の組み合わせで計画するのが一般的です。

Q2.サイディングの張り替えはZEHに関係ありますか?

A.サイディングの材質そのものはZEHの評価対象ではありません。
評価されるのは外壁の断熱材の性能と厚みです。

つまり、サイディングの張り替えだけではUA値はほとんど変わりません。
張り替えと同時に次のような断熱工事を取り入れる必要があります。

・外張り断熱・充填断熱の増厚・付加断熱との組み合わせ

ZEH視点では断熱材の設計が要点です。

Q3.外壁断熱は何センチ必要ですか?(ZEH視点)

A.木造2階建ての6地域(東京)では、以下がひとつの目安です。

・高性能グラスウール:100mm〜120mm
・フェノールフォーム:45mm〜60mm
・XPS:50mm〜75mm

ただし、必要な厚みは「窓性能」「屋根断熱」「外壁面積」でも変動します。
ZEHを目指す場合は外皮計算(UA値計算)での確認が必須です。

Q4.窓工事と同時に行うべきですか?

A.ZEH基準を目指すなら、外壁断熱と窓工事は同時施工が最適です。

理由は以下の通りです。

・窓は外皮性能への影響が最も大きい・外壁断熱だけ強化しても窓から熱が逃げる・同時施工なら足場費が1回で済む・補助金の加点が伸びやすい

外壁断熱×窓強化は、東京でZEHを目指す住宅では“重要度の高い組み合わせ”です。

Q5.外壁断熱に使える補助金は何がありますか?

A.国・東京都・区の複数制度で外壁断熱は補助対象になります。

例

・既存住宅における省エネ改修促進事業(東京都)・既存住宅の断熱リフォーム支援事業(国)・23区の外壁断熱補助金(区によって内容が異なる)

外壁だけでなく窓・屋根と組み合わせると補助額が増えやすいのが特徴で、ZEHを目指す場合は特に有利です。

まとめ

外壁リフォームは、ZEHに求められる外皮性能(UA値)を大きく左右する重要な工事です。


ただし、外壁単体でZEH基準を満たすのは難しく、窓・屋根(天井)・気密性能との総合的なバランスが欠かせません。

今回の記事では、以下のポイントを中心に整理しました。

・ZEH基準の達成には「断熱材の厚み」と「施工品質」が重要・外壁断熱だけ強化しても、窓性能が低いとUA値が届かない・東京(6地域)は日射取得の影響が大きく、面ごとの断熱差がZEH判定に影響・断熱欠損・気密不足は実効性能を下げるため特に注意が必要・外壁断熱×窓×屋根×設備の総合改善でZEHレベルに近づく・国・東京都・区の補助金を活用すると費用負担を大きく削減できる

東京都・23区で外壁断熱を検討する際は、外壁だけでなく外皮全体の最適化を見据えることで、暖冷房効率の向上や補助金活用の自由度が高まります。

ファミリー工房では外壁リフォームと断熱施工を一体で検討できるため、
・ZEHレベルを目指した性能設計
・補助金を活かしたリフォーム計画
・外壁材や断熱材の最適な組み合わせ
までまとめてご相談いただけます。
施主様は面倒なお手続きなく、快適な住まいを手に入れられます。無料で現地調査・お見積もりを承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください!

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監修者
近岡 正平
株式会社ファミリーDesign

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お客様とコミュニケーションをとって、ご希望にマッチした提案をいたします。
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【保有資格】
一級建築士
二級建築士
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