ファミリースクール
ホーム » ファミリースクール » ファミリノベーション » 外装 » サイディング上貼り・交換(張り替え)と外壁塗装、どれを選ぶべき?3つの比較と判断基準を解説

サイディング上貼り・交換(張り替え)と外壁塗装、どれを選ぶべき?3つの比較と判断基準を解説

外壁が古くなり、ヒビ割れや色あせが気になってきた……。

そんなときに検討されるのが「塗装によるメンテナンス」か「サイディングの上貼り・交換」です。

とはいえ、「うちはどちらが向いているの?」「費用はどのくらい違うの?」と迷う方も多いでしょう。

この記事では外壁塗装・サイディング上貼り(カバー工法)・サイディング交換(張り替え)の違いや費用、耐用年数、デザイン性などを比較。

築20年以上の住宅に多い劣化症状も、写真付きでご紹介します。

ご自宅に合った方法を見極め、長く安心して暮らすための判断材料としてぜひご参考ください。

目次

外壁の劣化状態から見る最適なリフォーム方法

外壁リフォームは、現在の劣化状態によって最適な方法が異なります。


「塗装で十分なのか」「上貼りがいいのか」「張り替えが必要なのか」を判断するために、まずは外壁の状態をチェックしてみましょう。

①表面劣化のみの場合(再塗装で十分)

【症例:サイディングの軽度劣化・チョーキング】

■主な症状

・色あせやツヤの低下が目立つ
・軽いチョーキング(白い粉)が出ている
・小さなヘアクラック(浅いひび割れ)がある

外壁材そのものはまだ健全で、塗膜の劣化が中心の段階です。


表面劣化のみの場合は再塗装によって防水性や美観を回復でき、初期費用を最も抑えられる方法です。


この段階で早めに対応しておくと、外壁材の寿命を延ばせます。

②軽度〜中度の劣化(サイディング上貼りが適している)

【症例:サイディングの剥がれと浮き】

【症例:サイディングの軽度ひび割れ】

【症例:サイディングの剥がれ(一部)】

■主な症状

・モルタル壁にひび割れがあるが、内部構造に問題はない
・タイルやモルタルの一部が浮いている
・小範囲の剥離がある
・塗装をしてもすぐ剥がれてしまう

下地はまだ健全な状態ですが、表面の劣化が進んでいる段階です。


サイディング上貼り(カバー工法)によって、既存の壁を保護しながら新しい外壁で覆うことで、断熱性・遮音性を高めつつ外観も一新できます。


塗装よりも長期的な耐久性を求める場合に適しています。

③コーキング(目地)の劣化が目立つ場合

外壁材の継ぎ目を埋めている「コーキング(シーリング)」は、紫外線や温度変化の影響で10年前後から劣化が進みます。


放置すると雨水が内部に浸入し、下地の腐食や雨漏りの原因になるため、早めの補修が重要です。

小見出し:主な劣化症状

症状状況放置した場合のリスク
ひび割れ・亀裂弾力が失われ、表面に細かいひびが入る雨水が浸入しやすくなる
剥がれ・隙間サイディングとの間にすき間ができる下地や断熱材の腐食を招く
硬化・収縮コーキングが硬くなり、伸縮に追従できない目地から割れやすくなる
変色・カビ黒ずみや汚れが発生美観低下、内部の湿気がこもる可能性

【症例:コーキングの劣化が軽度な場合】

【症例:コーキングの硬化】

【症例:コーキングの破断】

【症例:重度劣化状態のコーキング。弾力性を失いひび割れが深刻化している】

対応方法と適した工法

外壁の状態適した工法備考
コーキングのみ劣化(外壁健全)コーキング打ち替え+外壁塗装最も費用を抑えられる一般的な補修。塗装との同時施工がおすすめ。
コーキング劣化+外壁の一部浮き・反りサイディング上貼り(カバー工法)下地は健全でも外壁表面が劣化。断熱・防水性能を向上できる。
コーキング劣化+下地腐食・雨漏りありサイディング交換(張り替え)内部構造の修繕が必要。防水層を含め全面改修。

例えば以下の写真のように、コーキングに隙間が空き、サイディングも反り返ってしまっているようなケースでは、サイディングの上貼り(または張り替え)がおすすめです。

【症例:コーキングの劣化からサイディングが浮いている状態】

見極めのポイント

  • コーキングを押して弾力があれば健全硬く割れる場合は劣化サイン。
  • コーキング周辺に雨染みやカビがある場合は、すでに水が侵入している可能性あり。
  • 築10〜15年を超えてメンテナンスをしていない場合は、打ち替え+塗装のセットで検討を。

補足:コーキング補修のタイミング目安

築年数推奨メンテナンス内容
約10〜15年コーキング打ち替え+外壁塗装
約20年以上劣化状況によっては上貼りまたは張り替えを検討
雨漏り・反り・剥がれあり張り替えが必要な可能性大


コーキングの劣化は軽視されがちですが、実際は外壁トラブルの初期サインです。


「塗装で済む段階」なのか「上貼り・交換が必要な段階」なのかを見極めることで、無駄な費用をかけずに最適なリフォーム計画を立てられます。

判断に迷う場合は、専門業者による現地調査を受けて、外壁材とコーキングの両方の状態を確認してもらいましょう。

④構造的な劣化(サイディング交換が必要)

■主な症状

・外壁材の反り・割れ・剥がれが広範囲に発生
雨漏りや防水シートの破損が見られる
・内部に湿気・カビ・腐食が進行している

このような状態が見られた場合、劣化が内部構造まで進行しているため、サイディング交換(張り替え)による根本的な改修が必要です。

外壁材を撤去して下地や防水層を新しく施工することで、建物全体の防水・断熱性能を再構築できます。


費用や工期はかかりますが、長期的な安心を重視する方に適した工法です。

ポイント

劣化の進行度を見極めれば、余計な費用を抑えながら最適なリフォーム方法を選べます。
判断が難しい場合は、専門業者による現地調査で外壁の内部状態を確認してもらうのが確実です。

サイディング上貼り・交換と外壁塗装の違いとは?

外壁リフォームには大きく分けて「外壁塗装」と「サイディング上貼り(カバー工法)」「サイディング交換(張り替え)」の3種類があります。


いずれも見た目を整えるだけでなく、建物を保護する重要な工事ですが、目的や施工内容は異なります。

それぞれの工法と目的

外壁塗装は、既存の外壁をそのまま残して表面に塗料を塗り直す方法です。

主な目的は、外壁の防水性や美観を保ち、経年劣化を防ぐことにあります。
外壁材がまだ健全な状態であれば、塗装だけで十分なメンテナンス効果が得られます。

一方で、サイディング上貼り(カバー工法)は、既存の外壁を撤去せずに上から新しいサイディングボードを重ねて貼る方法です。

塗装では補修しきれない劣化が進んでいる場合や、外観の印象を大きく変えたい場合に選ばれます。外壁を二重構造にするため、断熱性・遮音性の向上も期待できます。

さらに、サイディング交換(張り替え)は、既存の外壁材をすべて撤去して新しいサイディングに張り替える方法です。

下地や防水シートも含めて新しく施工するため、外壁内部まで劣化が進行している場合に有効です。費用や工期はかかりますが、構造ごと健全に再生できる点が大きな特徴です。

■外壁塗装の特徴

・既存の外壁を残したまま、表面に塗料を塗り直す工法。・主な目的は外壁の防水性・耐候性を回復させ、美観を保つこと。・外壁材が健全な状態であれば、塗装だけでも十分に補修効果が得られる。・工期が短く、費用を抑えられるのが特徴。

■サイディング上貼りの特徴

・既存の外壁の上に、新しいサイディングボードを重ねて貼る工法。・下地が健全で、塗装では十分な耐久性が確保できない場合に有効。・外壁を二重構造にするため、条件を満たせば断熱性・遮音性の向上が期待できる。・外観デザインを一新できるため、住宅の印象を大きく変えられる。

■サイディング交換(張り替え)の特徴

・既存の外壁材をすべて撤去し、新しいサイディングボードを張り替える工法。・内部の防水シートや下地材も新しく施工できるため、構造全体を健全な状態に戻せる。・外壁内部の腐食や雨漏りなど、重度の劣化にも対応できる。・費用と工期はかかるが、仕上がりは新築同様に一新できるのが特徴。

塗装や上貼りでは補修しきれない劣化状態

以下のような症状が見られる場合は、塗装や上貼りでは十分な補修効果が得られません。

外壁内部まで劣化が進行している可能性が高く、サイディング交換(張り替え)によって構造から修復する必要があります。

【症例:外壁の破損・割れ】

【症例:コーキングの破断から隙間に雨水侵入の危険】

【症例:植物の侵入で外壁に隙間が発生した状態】

・外壁を押すと「ブカブカ」と浮いている
・割れや剥がれが広範囲に及んでいる
・サイディングの反り・変形・隙間が大きい
・雨漏りや内部のカビ・腐食が発生している
・モルタルやタイルが剥落・崩落している

こうした状態では表面を塗り替えても短期間で再劣化するリスクが高く、構造材や防水層を含めた根本的な補修が欠かせません。

比較表で見る違い

比較項目外壁塗装サイディング上貼り(カバー工法)サイディング交換(張り替え)
工法の概要既存外壁の上に塗料を塗り、防水性・美観を回復する方法。既存外壁の上に新しいサイディングを重ねる工法。撤去不要で工期が短い。既存外壁を撤去して新しいサイディングに張り替える方法。下地も再施工する。
費用目安(30坪)約80〜150万円約150〜250万円約200〜300万円
耐用年数約10〜15年約25〜30年約30〜40年
メンテナンス頻度約10年ごとに再塗装が必要約10〜15年ごとに再塗装・シーリング打ち替え約10〜15年ごとに再塗装・シーリング打ち替え
デザイン性カラーや塗料の種類が豊富素材・柄・色の自由度が高い外観を完全に一新できる
断熱・遮音性能ほとんど変化なし
※遮熱塗料使用で夏場の表面温度を軽減可能
断熱材入りサイディングで性能向上下地から断熱施工で大幅に性能向上
工期の目安約1〜2週間(10〜14日)約2〜3週間(14〜21日)約3〜4週間(21〜28日)
補助金の対象遮熱・断熱塗料使用時に対象となる場合あり制度により可否が分かれる(事前確認が必要)制度により可否が分かれる(事前確認が必要)

サイディング工事の費用構造と価格幅

工法費用目安(30坪程度)主な費用要因
サイディング上貼り(二重貼り)約150〜220万円既存外壁を残すため撤去費が不要。
ただし、下地補修や付帯部調整で220万円前後になることも。
サイディング張り替え(交換)約200〜300万円既存外壁の撤去・廃材処分・下地再施工が発生。
モルタルやタイルなど重量外壁の場合、撤去費が高く300万円に達することも。

外壁塗装のメリット・デメリット

外壁塗装は、外壁表面の劣化が軽度な場合におすすめのメンテナンス方法です。


外壁材自体が健全で、下地や防水シートに問題がなければ、塗装だけでも十分な保護効果が得られます。


ここでは、塗装が適している状態や、最新塗料を活用した耐久性向上のポイントを整理します。

メリット

  • 費用を抑えながら外観をリフレッシュできる(約80〜150万円)
  • カラーバリエーションが豊富で、イメージを一新できる
  • 防水性能を維持し、外壁の寿命を延ばせる
  • 工期が短く、戸建てなら約10〜14日で完了

外壁塗装は最もコストを抑えて劣化を防ぐ方法であり、築10〜15年周期のメンテナンスに適しています。


遮熱・低汚染などの機能性塗料を選べば、省エネ性や汚れにくさも強化できます。


仕上がりの自由度も高く、美観と保護の両面でバランスの取れた工法です。

デメリット

  • 下地の劣化が進行している場合は効果が限定的
  • ひび割れや浮きがある外壁では、再塗装しても長持ちしない
  • 定期的な塗り替えが必要(10〜15年周期)

外壁塗装はあくまで表面保護が中心のため、内部の劣化や防水層の損傷は改善できません。


また、塗膜の耐用年数は塗料グレードに左右されるため、長期的なメンテナンスコストも視野に入れる必要があります。


ひび割れや反りが見られる場合は、塗装よりも上貼り・交換が適しているケースもあります。

最新の高耐久塗料でメンテナンス周期を延ばす

最近は、塗料の性能も大きく進化しています。


以下のような高耐久塗料を選ぶことで、従来よりもメンテナンスの手間を減らせます。

塗料の種類耐用年数の目安特徴
シリコン塗料約10〜15年コストと耐久性のバランスが良い
フッ素塗料約15〜20年紫外線に強く、汚れにくい
無機塗料約20年以上変色・劣化が少なく長期保護に適する
遮熱塗料約15〜18年夏の室温上昇を抑制し、省エネ効果あり

特に無機塗料遮熱塗料は、近年人気が高まっているタイプです。

耐用年数が長く、長期的に見てコストパフォーマンスが優れています。

遮熱塗料を使用した改修工事は光熱費削減につながるだけでなく、自治体によっては補助金の対象となる場合があります。

東京都や一部の区では塗料代の一部が助成される制度もあるため、施工前に確認しておくと安心です。
※補助金については記事の後半部分で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

塗装で対応できるかの見極めポイント

塗装で補修可能かどうかを判断する際は、次の2点を確認しましょう。

1. 外壁を押しても柔らかく沈まないか(下地の健全性)2. 雨漏りや内部結露の跡がないか(防水層の状態)


これらに問題がなければ、塗装で十分対応できます。


ただし、下地の腐食が疑われる場合は、無理に塗装をしても短期間で再劣化するため、サイディング上貼りを検討すべきです。

サイディング上貼り(カバー工法)のメリット・デメリット

外壁の傷みが進んでいる場合は、塗装では補修効果が十分に得られません。
そのようなときに有効なのが「サイディング上貼り」です。

既存の外壁の上に新しいボードを重ねることで、建物全体の強度と防水性を高められます。

既存の壁を保護しつつ新しい外壁材で家全体を包み直すことで、建て替えよりも費用を抑えながら機能性を回復できます。

参考事例:タイルから全面サイディングの家に~☆|ファミリー工房

メリット

  • 既存外壁を撤去しないため、廃材処理費がかからない
  • 工期が短く、住みながら施工できる(約2〜3週間)
  • 外壁が二重構造となり、断熱性・遮音性が向上する
  • デザイン性の高い金属サイディングなどを選べる

サイディング上貼りは、既存の外壁を活かして新しい外壁材を重ねる工法です。
撤去工程がないためコストを抑えやすく、工期も短縮できるのが特徴。


また、外壁が二重構造になることで断熱・遮音効果が高まるなど、快適性の面でもメリットがあります。

デメリット

  • 外壁が厚くなるため、窓まわりなどの納まりに工夫が必要
  • 既存外壁の内部劣化が見つかりにくい
  • 下地や防水層が傷んでいる場合は対応できない

上貼り工法では内部構造を直接確認できないため、下地の腐食や雨漏りリスクを見逃すおそれがあります。
また、既存外壁の状態によっては施工自体が難しいケースもあります。そのため、施工前の点検・診断を丁寧に行うことが重要です。

サイディング交換(張り替え)のメリット・デメリット

外壁がひび割れたり、反って隙間ができているなど、見た目の劣化が進んでいる住宅では「塗装や上貼りで本当に大丈夫なのか?」と不安に感じる方も多いでしょう。

外壁の傷みが表面だけでなく内部構造まで及んでいる場合は、サイディング交換(張り替え)による根本的な修繕が必要です。

メリット

  • 外壁内部の腐食やカビを一掃できる
  • 防水シート・胴縁を新しくし、耐久性を回復
  • 外観デザインを新築同様にリニューアルできる

サイディング交換では外壁を撤去するため、内部の腐食や湿気を根本から除去できるのが大きな利点です。

また防水層や下地もすべて新しく施工できるため、建物全体の耐久性・防水性を再構築できる点が上貼りとの大きな違いです。

外観のデザイン自由度も高く、「見た目と性能の両立」を目指すリフォームに適しています。

デメリット

  • 費用は上貼りより高く、工期も長め(約3〜4週間)
  • 既存外壁の撤去・廃材処理費がかかる
  • 構造補修が必要な場合、追加費用が発生する

張り替えは撤去・処分・下地再施工といった工程が多いため、上貼りより費用・工期の負担が大きくなる点に注意が必要です。

また、解体時に内部の腐食が想定より進んでいると、補修費が追加発生するケースもあります。そのため、事前の現地調査と正確な見積りが重要です。

交換と上貼りの判断は「下地の状態」がポイント

同じ外壁でも、内部の下地(胴縁・防水シート)の劣化状態によって最適な施工方法は異なります。
見た目だけでは判断が難しいため、専門業者による現地調査が欠かせません。

ファミリー工房では、外壁の状態を細かく診断し、「塗装」「サイディング上貼り」「サイディング交換」の3パターンから、費用・工期・耐久性を比較した最適プランをご提案しています。

費用・耐用年数・デザイン性で比較する判断基準

外壁塗装とサイディング上貼りは、どちらも外壁を保護する目的は同じですが、費用・耐用年数・仕上がりの印象は大きく異なります。


ここでは、長期的な住まいの維持費やデザインの自由度を踏まえ、どちらが自宅に合っているかを判断するための比較ポイントを整理します。

費用・耐用年数・デザイン性の比較表

比較項目外壁塗装サイディング上貼り(カバー工法)サイディング交換(張り替え)
工法の概要既存外壁の上に塗料を再塗装し、防水性・美観を回復させる既存外壁の上に新しいサイディングを重ねて貼る工法。既存の壁を保護しつつ耐久性を向上できる既存外壁を撤去し、新しいサイディングを貼り替える全面改修。構造から再生できる
費用目安(30坪程度)約80〜150万円約150〜250万円約200〜300万円
耐用年数の目安約10〜15年(塗料により変動)約25〜30年約30〜40年
断熱・遮音性能ほとんど変化なし(遮熱塗料は例外)外壁が二重構造になるため向上内部下地から改修するため大幅に向上
デザイン性カラーや艶で印象を変えられる素材・柄の選択肢が豊富で外観一新が可能新築同様に全面リニューアルできる
工期の目安約1〜2週間約2〜3週間約3〜4週間
メンテナンス性定期的な塗り替えが必要汚れや色あせが少なく、メンテナンス頻度が少ない耐久性が高く、メンテナンス周期が最も長い

※費用は30坪程度の一般的な住宅を想定した目安です。

初期費用とメンテナンス費のバランスを考える

短期的な出費を抑えたい場合は塗装が有利です。

しかし30年スパンで見ると、再塗装を複数回行うため、トータルコストはサイディング上貼りと大きく変わらないケースもあります。

  • 塗装の特徴:10〜15年ごとに塗り替えが必要だが、1回の費用は安い。
  • 上貼りの特徴:初期費用は高いが、長期的にメンテナンス回数が減る。

つまり、「今すぐの費用を抑えたいか」「長期的なメンテナンスを減らしたいか」によって最適な選択は変わります。

デザイン性を重視するならサイディング上貼りor張り替え

サイディング上貼り(カバー工法)や交換(張り替え)をする場合、デザインの自由度が格段に高まります。

  • 木目調・石目調・タイル調など、豊富な質感が選べる
  • 凹凸のある外壁材で立体感を出せる
  • 外観の印象を「和風→モダン」など大きく変更できる
  • 色あせしにくい高耐候素材を選べば、長期間美観を維持できる

一方、塗装は色・ツヤの変更は可能ですが、外壁の素材感自体は変えられません。


「外観を一新したい」「住宅の印象を変えたい」という場合は、上貼りの方が満足度が高いでしょう。

長期的な視点での“トータルコスト”が判断基準

リフォームは一度きりではなく、10年後・20年後のメンテナンスも見据えて判断することが重要です。


以下のように、住まいの状況や目的ごとに考えると判断しやすくなります。

目的・状況向いている施工方法
費用をできるだけ抑えたい外壁塗装
外壁がひどく傷んでいるサイディング上貼り
デザインや質感にこだわりたいサイディング上貼り
10年ごとの塗り替えが面倒サイディング上貼り
軽度な劣化で再塗装を検討中外壁塗装

外壁リフォームでは、断熱性や耐久性を高める改修を目的とした場合、国や自治体の補助金を活用できることがあります。


ただし、対象範囲は制度によって異なります。

サイディング上貼りが補助対象外となる場合も多いため、注意が必要です。

東京都の主な補助金制度(外壁関連)

東京都では断熱リフォームを行うご家庭に対し、補助金制度を実施しています。

【既存住宅における省エネ改修促進事業の概要】

制度名対象工事補助上限額対象範囲のポイント
既存住宅における省エネ改修促進事業(東京都)外壁・屋根・床の断熱改修(断熱材追加など)断熱リフォーム:最大100万円外壁に断熱材を追加する改修、および遮熱塗装が対象。単なるサイディング上貼り・張り替えは対象外。遮熱塗装の場合、塗料代のみ助成対象となる。

この事業は、省エネ性能の向上を目的とする工事を支援するものであり、デザイン変更や補修目的の外壁リフォームは対象外です。


ただし、外壁塗装で遮熱・断熱塗料を使用する場合のみ、その塗料費用が一部助成の対象になります。

区レベルで活用できるリフォーム助成制度の例

自治体制度名対象工事補助上限額
足立区省エネリフォーム補助金遮熱塗装(近赤外線領域における日射反射率が50%以上の塗料で塗装)、断熱材の設置など最大5万円
葛飾区《個人住宅用》かつしかエコ助成金外壁・屋根・内装など幅広い改修・高反射率塗装:最大10万円・断熱改修:最大20万円
墨田区地球温暖化防止設備導入助成制度断熱リフォームや遮熱塗装・建物の断熱改修(断熱材):最大15万円・遮熱塗装:最大15万円

※区の助成制度は年度ごとに内容・金額が更新されます。最新の募集要項で工事種別・使用材料・申請時期をご確認ください。

区の助成制度は、遮熱塗装が補助対象になるケースが多く見られます。


また対象条件として「区内業者による施工で上限額アップ」「住宅の所有者が居住している」などが設定されている場合が多いため、事前に確認しておきましょう。

補助金を申請する際の注意点

  • 工事前の申請が必須(着工後は対象外)
  • 対象工事・使用材料が限定されている
  • 見積書・施工写真などの提出が必要
  • 予算枠が埋まり次第、受付終了となることがある

補助金を使えば外壁リフォームの費用を抑えられますが、すべての工事が対象になるわけではありません。断熱・遮熱性能を高める工事など、要件を満たす内容でなければ申請できないケースもあります。

また、同じ工事内容で同じ財源の補助金を重複して申請することは不可です。

加えて申請は工事着工前に行うのが原則のため、早めの準備が大切です。

制度や申請時期は自治体によって異なるため、見積もり段階で施工会社や自治体窓口に確認しておきましょう。

外壁改修の補助金は「性能向上」を意識するのがポイント

外壁リフォームで補助金を受けるには、「性能向上につながる改修」であることが重要です。

単なる美観の回復ではなく、断熱性や遮熱性、防水性などを高める内容であれば対象になりやすくなります。

たとえば、国が実施する長期優良住宅化リフォーム推進事業は、外壁や窓など住宅全体の性能を向上させる改修を支援する制度です。


既存住宅の劣化状況を改善し、耐久性・省エネ性を高める工事が補助の対象となります。

【長期優良住宅化リフォーム推進事業(概要)】

項目内容
対象既存住宅(戸建・共同住宅)を性能向上リフォームする場合
主な補助対象工事外壁・屋根・窓などの断熱改修、劣化対策、防水性能の向上など
補助率・上限額評価基準型・提案型:1住戸あたり80万円認定長期優良住宅型:1住戸あたり160万円
さらに、三世代同居・若者子育て世帯・中古住宅購入+改修のいずれかに該当する場合、最大50万円加算
要件事前にインスペクション(住宅診断)を実施し、性能評価基準を満たすこと
申請時期工事着工前に申請。交付決定後に着工する必要あり
実施機関国土交通省公式サイト:https://r07.choki-reform.mlit.go.jp/

よくある質問(FAQ形式)

Q1.サイディング上貼りと張り替えは何が違いますか?

A.上貼りは既存の外壁を残したまま、新しい外壁材(サイディングボード)を重ねて施工する方法です。


一方、張り替えは古い外壁を撤去してから新しい外壁材を貼る工法で、工期・費用ともに上貼りより大きくなります。

一般的な戸建て住宅では、下地が健全なら上貼り、腐食や雨漏りがある場合は張り替えが選ばれます。

Q2.サイディング上貼りにすると、重くなって耐震性に影響しませんか?

A.現在主流のサイディング材は軽量化が進んでおり、上貼りによる耐震性への影響はごくわずかです。


外壁の補強にもなるため、むしろ建物全体の安定性が高まるケースもあります。

ただし、築年数が古く構造に不安がある場合は、施工前に耐震診断を受けておくと安心です。

Q3.塗装と上貼りでは、どちらが費用を抑えられますか?

A.初期費用だけを見ると、塗装(約80〜150万円)が上貼り(約150〜250万円)より安く済みます。


ただし、塗装は10〜15年ごとに再施工が必要なため、長期的にはコスト差が縮まる場合もあります。

20年以上住み続ける予定がある場合は、上貼りを検討する価値があります。

Q4.雨漏りしている外壁でも塗装で直せますか?

A.表面だけ塗っても、内部の防水シートや下地が傷んでいる場合は根本的な修復になりません。
雨漏り跡や膨れがある場合は、下地補修またはサイディング上貼りによる防水補強が必要です。

塗装で済ませようとすると、数年以内に再発するリスクがあります。

Q5. 外壁リフォームで補助金を使うには、どんな条件が必要ですか?

A.外壁リフォームで補助金を受けるには、「住宅の性能を向上させる工事」であることが基本条件です。


単なる美観の回復や塗り替えでは対象外となるケースが多く、断熱性・遮熱性・防水性などを高める工事であるかが判断の分かれ目です。

たとえば、外壁の断熱改修や遮熱塗料を使用した塗装工事など、省エネ性能の向上につながる改修であれば、国の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」や自治体の省エネ補助制度で対象になる場合があります。

補助金の内容や要件は年度や地域によって異なるため、工事を依頼する前に、施工会社や自治体の公式サイトで最新情報を確認しておくことが大切です。

Q6.外壁の状態を見ても、自分では判断できません。どうすれば良いですか?

A.見た目がきれいでも、内部の下地が劣化しているケースは少なくありません。


ファミリー工房では、外壁の状態を確認する無料現地調査を行い、塗装・上貼りのどちらが最適かをプロの目で診断します。


調査結果に基づき、費用や工期の比較見積もりもご案内しています。

まとめ

外壁リフォームを検討する際は、まず外壁の劣化状態と下地の健全性を確認することが重要です。

外壁の状態によって、適した施工方法は次のように異なります。

・外壁材が健全で、表面の色あせや軽度のひび割れのみ→外壁塗装で対応可能

・モルタルやタイルが剥がれかけている、または下地が傷んでいる→サイディング上貼りが有効

・初期費用を抑えて短期的なメンテナンスを優先したい→塗装が向いている

・長期的にメンテナンスの手間を減らしたい、外観を一新したい→上貼りが向いている

また、遮熱・断熱性能を高めるリフォームでは、東京都や各区の補助制度を利用できる場合があります。


工事内容によっては数十万円規模の補助を受けられることもあるため、事前の確認がおすすめです。

ファミリー工房では、現地調査をもとに「塗装」「サイディング上貼り・張り替え」のどれが最適かを中立的に判断し、最適な施工プランをご提案しています。

無料診断・見積のほか、補助金申請のサポートも実施中です。
外壁の劣化が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください!

専門スタッフが建物の状態を丁寧に確認し、安心してリフォームを進められるようサポートいたします。

>>無料お見積もり・ご相談はこちら|ファミリー工房
ファミリー工房

〒120-0001 東京都足立区大谷田 4-1-20 1F

JR線・東京メトロ千代田線「北綾瀬駅」下車 徒歩7分

営業時間

10:00~18:00 / 定休:毎週日・月

※夏期休暇、年末年始休暇、ゴールデンウィークを除く