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フルリノベーションが人気の理由とは?リフォームや建て替えとの違いを解説

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目次

フルリノベーションが人気の理由とは?

住みはじめた当初は「理想の家」でも、住み続けているうちに建物の老朽化は進んでいき、古くなった設備に不便さを感じるようになることもあります。家族構成やライフスタイルが変われば、「今の生活に合った間取りにしたい」という思いも出てくるでしょう。

そうした悩みを解決するのに有効なのが、リフォームやリノベーションといった「住まいの改修」です。この記事では、リフォーム・リノベーションの中でも特に関心が高い「フルリノベーション」について詳しく解説します。建て替えとの違いやメリット・デメリット、選ばれる理由、完成までの流れなどについてもお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも、フルリノベーションとは?

住まいの改修を検討する中で「どういった手段があるのか」を調べていると、リフォーム、リノベーション、フルリノベーション、建て替えなど、さまざまな用語を目にします。業者との打ち合わせの際にも頻繁に出てくる単語なので、言葉の意味やそれぞれの違い、メリット・デメリットなどを押さえておきましょう。

「リフォーム」「リノベーション」「フルリノベーション」「建て替え」の違い

リフォーム

リフォームは、住まいの劣化や老朽化が見られた箇所を、新築と同程度の状態まで戻すための工事です。「壁紙が破れたり剥がれたりしている」「直射日光が当たる部分が色褪せている」「水回りのサビが気になる」「水漏れが起こっている」など、居住年数が長くなればなるほどこうしたトラブルが目立ってきます。そういった箇所を原状回復する目的で行うのがリフォームです。

リノベーションやフルリノベーションと比べて修復箇所が限定的なので、工期が短く費用を抑えることができます。リフォーム箇所・内容によっては工事中に仮住まいを探す必要もなく、そういった場合はそのための費用も発生しません。しかし、間取りの変更や耐震補強といった住まい全体の改修は、リフォームの対応範囲を超えてしまいます。

リノベーション

リフォームが原状回復を目的した工事なら、リノベーションは今よりもさらに住みやすい住環境を目指すために行う工事と言えます。例えば、最新式のシステムキッチンを導入したり、壁を取り払って2部屋をひとつにつなげたり(間取りの変更)、外壁を防音性・断熱性の高い素材に刷新したりする工事が該当します。今の住まいに新たな機能を付加し、それまでにはなかった価値をもたらすのがリノベーションです。

30代のときに購入した戸建て住宅や分譲マンションが、50代や60代になっても暮らしやすいとは限りません。転職をして生活リズムが変わることもあれば、子どもの独立、結婚、出産などで家族構成が変化することもあるでしょう。そういったときにリノベーションを行えば、家族全員にとって理想的な住環境が実現できます。

リノベーションは、間取りや設備を自由に設計できるため、「大規模なリフォーム」と言い換えることができます。しかし、工事を行う範囲が広くなるので工期や費用がリフォームよりもかかってしまう点はデメリット。大がかりな作業になると、一時的に仮住まいに移る手間や費用も発生します。

フルリノベーションは、住居の内装すべてを解体し、居住空間をゼロから設計し直すより大規模なリノベーションのことです。木造建築の場合は柱・梁・床、マンションの場合はコンクリート躯体といった「骨組み」の状態まで解体し、そこから“新しい住まい”を再構築していきます。「骨格だけ」の状態まで解体することから、「スケルトンリフォーム」「スケルトンリノベーション」などと呼ばれることもあります。

フルリノベーション

間取りはもちろん、水回りの配管や電気配線といったインフラ設備も基本的には思い通りに変更可能。また、耐震補強、基礎補強、防音断熱補強といった躯体部分も改修可能なので、築年数が経っている住居を建て替えたかのように新しくすることもできるのがメリットです。一方、かなり大がかりな工事になるため費用も高額になり、工事中の仮住まいを探す必要もあります。

建て替え

建て替えは今の住まいを完全に解体し、まっさらな状態にしてから住居を新築する工事です。建て替えはフルリノベーションに比べて家の解体にかかる費用が余分に発生しますが、土地を取得している場合は初めて家を買う方に比べて費用を抑えて新居を建てられます。

1981年以前の旧耐震基準で建てられた住居や老朽化により基礎部分に問題が生じた住居の場合は、建て替えが現実的な選択肢として考えられるでしょう。「親から相続した実家で暮らすことになった」といった場合に、建て替えを検討する方も多いようです。建て替えの場合もフルリノベーションなどと同様、ある程度の期間を仮住まいで暮らす必要があります。

どんなときにフルリノベーションが必要?

実際、「どんなときにフルリノベーションを考えたほうがいいの?」と思う方もいるでしょう。以下の場合は部分的なリフォームでは十分に対応できないケースが多いため、フルリノベーションが有力な選択肢になります。

家全体の間取りを変更したい

通常のリフォームや部分的なリノベーションだと、家全体の間取りを変えることはできません。しかしフルリノベーションであれば、内装をすべて解体するので一から間取りを理想の形に変更できます。玄関、水回り、間仕切り、窓、階段などの各設備の場所を変更することは、住む人の暮らしやすさに直結します。家族構成やライフスタイルに合わせて、開放感のある間取りに一新する例も多くあります。

雨漏りがある、水回り全体が劣化している

屋根の劣化や外壁の老朽化によって雨漏りや水漏れが起こり、建物にサビや腐食を引き起こしている場合、複数の箇所が傷んでいることも多くあります。そのため、リフォームよりフルリノベーションのほうが適していることもあります。また、水回りも築年数を重ねるごとに老朽化しやすい箇所。屋根、外壁、水回りに最新の建材を使用し、住居の耐久性を総合的に高めることで、より安心して暮らせるようになるでしょう。

耐震・防音・断熱補強の工事がしたい

フルリノベーションには、安全面を向上させるメリットもあります。住居の骨組みだけを残して解体すれば基礎や構造まで確認できるので、老朽化によって耐震性が低下している場合には補強工事を実施し、最新の耐震基準に見合った基礎・構造に改修することが可能です。また、「外の騒音がうるさいので聞こえにくくしたい」「断熱性を高めて省エネ・低コストの住まいにしたい」といったオーダーに応え、住環境のレベルを上げることもできます。

自由なデザインでこだわりの家を実現したい

ライフステージが変化したタイミングでフルリノベーションを検討されるケースが一般的ですが、その際、「せっかくだから内外装のデザインにもこだわりたい」「夫婦の趣味をリノベーションに反映させたい」というニーズも多くあります。自由にデザインできるからこそこだわりを最大限に取り入れることができます。そうすることで、思い出の住まいにさらに愛着が生まれるでしょう。

最近では、マンションのフルリノベーションも人気があります。フルリノベーションを前提に中古マンションを購入する方も少なくありません。戸建て住宅と違って構造上の制約や管理規約による制約(マンションの場合は外観の変更ができない)などもありますが、専有部分に関しては基本的にオーダーメイドの住まいを実現することが可能です。

それぞれ特徴を比較してみましょう

項目リフォーム建て替えフルリノベーション
現在の住居部分的に解体すべて解体骨組みを残して解体
工事費用◎(安い)△(高い)◯(建て替えよりも安い)
工事期間1週間~4~6ヶ月3~4ヶ月
自由度
新しさ

新築・建て替えよりお得?フルリノベーションが選ばれる理由

リフォーム、リノベーション、建て替えなど、住みやすさを向上させる手段にはさまざまな選択肢がありますが、その中でフルリノベーションが選ばれる理由やメリットについて解説します。

理由その1:ライフスタイルに合った間取りを選べる

基本的に、フルリノベーションする場合は間取りを自由に変えることができます。細かく区切られた部屋をひとつにまとめることもできますし、3DKの間取りを2LDKに変えてリビングを広くするなども自由に設計できます。家族構成の変化に合わせてベストな間取りを設計することで、住環境を向上できるメリットは非常に大きいでしょう。

理由その2:デザインにとことんこだわれる

新築のマンションや建売住宅だと、基本的にオーソドックスなデザインが多いと言えます。最近では施工前に間取りなどをある程度自由に選べるタイプもありますが、基本的にはあらかじめ用意されたオプションの中から選ぶことしかできません。フルリノベーションなら「趣味」や「好み」を存分に取り入れたデザイン・設計を実現できます。ホテル風、カフェ風、純和風など、建て売りでは実現できない細部にまでこだわった住まいが手に入ります。

理由その3:新築・建て替えより費用を抑えられる

新築や建て替えの場合はすべてをゼロからつくり上げることになるので、必然的に費用は高くなります。一方、フルリノベーションであれば既存の建物の骨組みを活かして新築同然の住居を手に入れられるため、費用も新築・建て替えよりは安く抑えられます。フルリノベーションなら、お金をかけるところと抑えるところのメリハリも付けやすいので、合理的にコストダウンできます。

理由その4:エリアや立地の選択肢が自由

新築戸建てや新築マンションに絞って次の住まいを選ぶと、物件の候補数は少なくなります。理想的な物件が理想的な場所にあることはレアケースと言えるかもしれません。しかし、中古の物件をリノベーション前提に購入するなら、理想的なエリアや立地を選びやすくなります。現在は2000年代初めに建てられたマンションが「優良中古物件」として供給されており、物件数も新築に比べて豊富です。

また、「今の住まいがある立地が好条件でしかも愛着もあり、近所との付き合いも良好で住む場所は変えたくないけど、もう一度新築気分を味わいたい」といった場合にも、フルリノベーションはいい選択となるでしょう。

理由その5:購入後の資産価値も考慮したい

新築物件は誰かが一日でも住んでしまうと、その時点で「中古物件」となります。新築物件の価格は「純粋な物件の評価」だけではなく、広告宣伝費・営業費・利益などが上乗せされているため、新築物件の資産価値は購入直後に7^8割に目減りすると言われています。

マンションの資産価値は築年数とともに下がっていきますが、下落率は新築から10年ほどまでが大きく、築20年経つとほぼ横ばいで推移します。資産価値の下落が落ち着いた物件を購入すれば、大きく価値が下がることはないと言えるでしょう。フルリノベーションによって、資産価値の下落を心配することなく“新築同然の物件”を手に入れることは、非常に賢い人生戦略のとなり得ます。

【相談から完成まで】フルリノベーションの流れと注意点

住宅リノベーション工事

以下では、実際にフルリノベーションを行う際の流れについて解説します。以下の6ステップを押さえておくことが重要です。各ステップでの注意点も詳しくお伝えします。

相談から完成までの6ステップ

相談

リノベーションは専門のパートナーに依頼することからはじまります。現在の建物・物件の図面を渡し、家族構成、間取りの希望、内装や外観の希望、趣味やライフスタイルなどについて詳しく相談しましょう。比較検討する際は同じ予算、同じ条件を提示し、提案や対応などを踏まえて決めましょう。マンションの場合は、リノベーションの制約についても事前に確認しておくことが望ましいです。

現地調査

現地に担当者が赴き、物件の採寸や写真撮影を行います。この際、物件の所有者が立ち会うことで細部を見ながら要望を伝えたり、質問したりすることもできます。現地調査を行うことで、間取りの変更や水回りの設備、階段の位置などをどの程度変更可能か、見通しも立ちます。

プラン作成・見積もり

相談内容と現地調査の結果を照らし合わせて、プランの作成を行っていきます。この時点で見積書も提示されます。プランニング自体は無料で対応してくれるケースもあれば、プランニング前に設計契約を結ぶ(料金が発生する)ケースもあります。業者によって対応やサービス内容は異なるため、事前に確認することをおすすめします。

予算との調整を行いつつ、内装・外装の材質、キッチン・トイレなどの設備の仕様も決定していきます。ファミリー工房ではご要望に合わせて3Dプリンターで完成予想図を作成し、ご覧いただくことも可能です。

契約

すべてのプランニングが終了したら、工事請負契約を結びます。マンションの場合は管理組合にリノベーションを行うことを申請し、承認を受けてから着工する流れが一般的です。

着工

プランニングに沿って工事を進めます。この際、イレギュラーな問題などが起きた場合は現場にてご説明や打ち合わせを行います。

完工・引き渡し

完成後、業者による最終チェックが行われ、その後に依頼主がチェックをします。ここで問題がなければ引き渡しとなります。万が一瑕疵などがあった場合は手直しを行います。

リノベーション時の注意点

戸建て住宅やマンションをフルリノベーションする際に気をつけるべき注意点をまとめました。

戸建て住宅の注意点

<構造上の制約がある場合がある> 2×4工法(ツーバイフォー)やプレハブ工法の場合、建物を支える耐力壁を壊すことができないので、間取り変更には制限が生まれる場合があります。
<法律による制約がある> 建物の容積率や建ぺい率の上限は、法律で決められています。日当たりや眺望、火災時の安全性といった理由から、所有地いっぱいに住居を建てることはできません。リノベーションも当然、法律が許す範囲内となります。

マンションの注意点

<共用部分はリノベーションできない> マンションのリノベーションは専有部分のみ工事可能です。外壁、窓、バルコニーやマンションの構造部は原則工事ができません。
<水回りの大きな移動は難しいケースもある> マンションの水回りや配管は構造上、既存の位置から大きく動かすことができない場合があります。
<外壁に穴は開けられない> マンションの外壁は共用部分にあたるため、新しく穴を開けるような工事はできません。間取り変更や水回りの変更の際は、制限が生じる可能性があります。
<マンションの管理規約は守らなければならない> 構造上の問題はなくても、マンション独自の規約がある場合はそのルールを守る必要があります。

戸建て住宅・マンション共通の注意点

<住むまでにかかる時間を考えておく> フルリノベーションは非常に大規模なリフォームなので、解体から工事を行い完成するまで3~5ヶ月程度かかることもあります。仮住まいの確保や現在の住まいからの退去時期などを計算し、計画的に進める必要があります。
<ローンの金利や内容に注意する> リノベーションの際、使えるローンには住宅ローンとリフォームローンの2種類があります。金利の高さ、満額いくらまで借り入れができるのかなどが異なるので注意が必要です。
<見積もり以上の費用がかかる可能性もある> フルリノベーションを行う場合、現地調査も行いますが、実際に解体してみないと配管の傷み具合や追加で補修が必要になる箇所がわからないことも多くあります。そのため、見積もり以上の費用が発生することもあります。予算はあらかじめ余裕を持って組んでおきましょう。

まとめ

フルリノベーションは、家族構成やライフスタイルに合わせた住まいを実現する選択肢のひとつです。既存の建物の骨組みを活かすことで、建て替えや新築よりもコストを抑えることができます。間取りや生活動線を理想的な配置にすることで、よりいっそうマイホームが暮らしやすい環境となるでしょう。

今のお住まいで抱える悩みは人それぞれ違いますし、解決方法や理想とする形も千差万別です。だからこそ、信頼できるリノベーション会社と協力してベストなフルリノベーションを行う必要があります。 ファミリー工房では、フルリノベーションの経験豊富なスタッフがご相談から完成までワンストップでご対応します。施工件数10,000件、17年の実績のもと、コンシェルジュとして理想の住まいの実現をしっかりサポートしますので、フルリノベーションをお考えの際はお気軽にお問い合わせください。