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蓄電池はどのメーカーがおすすめ?人気10社を徹底比較&蓄電池選びのポイントも紹介

太陽光発電と合わせて導入を検討したいのが「蓄電池」です。

太陽光発電で生み出した電気は電力会社に売電するか、自宅で自家消費することになります。近年では太陽光で作った電気を固定価格で買い取ってもらえる「FIT制度」の期間が終了したご家庭も多く、蓄電池の設置を検討される方が増加傾向にあります。

また新築住宅やFITを利用されていないご家庭においても、余った電気を有効活用して電気代を節約したい場合や、災害時のレジリエンス(日常への回復性)向上のために蓄電池の導入を検討されるケースが多くなっています。

ただ、いざ蓄電池を選ぶとなると「どのメーカーがいいのか?」「どんな蓄電池を選べばいい?」と迷ってしまいますよね。

そこで本記事では、蓄電池の品質・性能に定評のあるメーカー10社を比較検討してみました。加えて蓄電池選びで押さえておきたいポイントや、よくある質問もご紹介しています。

蓄電池についての知識を身に着け、ご自宅に合った製品を選ぶためにもぜひご覧ください。

蓄電池はメーカーによって何が変わる?

蓄電池を設置する際にはメーカー選びが重要です。

現在、さまざまなメーカーが蓄電池を開発・提供していますが、製品価格や性能、設置タイプはメーカーごとに特色があります。

【メーカーによって変わる要素】
・価格
・蓄電容量
・使用可能サイクル数
・バッテリーの種類
・サイズ、重量
・屋内設置タイプ販売の有無

メーカーや設置場所によっても変わりますが、一般的な蓄電池の価格相場は工事費用込みで60~200万円です。

また、蓄電池はメーカーのほかにも「タイプ」によって性能や使い勝手が変わります。

蓄電タイプについて

蓄電池には大きく分けて3つのタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。

メーカーによっては異なるタイプの蓄電池を提供している場合もあるため、大まかな特徴を知っておきましょう。

蓄電タイプ    特徴
独立型電力会社から購入した電力を蓄電するタイプ。停電時の予備電源としても便利。
連係型太陽光発電システムと連係して電気を溜め、住宅全体に供給できるタイプ。太陽光発電をして自家消費したい場合におすすめ。

停電時も太陽光で蓄電ができるため、電力会社からの供給が長期間止まってしまっても安心。
EV対応型パワーコンディショナーを搭載しており、電気自動車からの充電・放電が可能。機種によっては電力会社、太陽光発電と連係できるものもあり。他の2つに比べ大容量の機種が多く、運用しやすい。

ご自宅でどのような運用をされるかを明確にしたうえで、最適なタイプの蓄電池を選ぶと満足度が高くなるでしょう。

全負荷型/特定負荷型について

蓄電池には「全負荷型」「特定負荷型」があります。

全負荷型とは、すべての部屋へ電気を供給できる蓄電池です。一方、特定負荷型とはあらかじめ決めておいた部屋にのみ電気を供給できるタイプの蓄電池を指します。

全負荷型の場合、蓄電池に蓄えた電気をすべての部屋へ送ることができるため、停電時でも普段と変わらない生活ができます。ただしその分電気の使い過ぎや電力のロスが起きる可能性もあります。

特定負荷型の蓄電池は指定した部屋の電化製品しか使用できない一方で、電気の使い過ぎを防ぎ、停電時でも長く使えるメリットがあります。価格も全深型に比べると低めで、導入のハードルが低くなっています。

蓄電池が全負荷型か、特定負荷型かはメーカーや製品によって異なります。

ご家族の構成や停電時にどれくらいの電気が使いたいのかを考慮して選びましょう。

【参考】FITと蓄電池の関係

太陽光発電、および蓄電池について調べるうえで知っておきたいのがFIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)です。

FIT制度はもともと太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの普及を促進するための制度で、住宅用・事業用の太陽光発電でつくった電気を、電力会社が一定期間はずっと固定価格で買い取るという制度です。

固定買取価格で電気を買い取ってもらえる

入札対象外の場合の固定買取価格は太陽光のkW数や年度、住宅用/事業用かどうかによって異なっており、申し込んでからは10年間(事業用は20年間)同じ単価で買い取ってもらえます。

たとえば2024年度の買取価格は1kWhあたり16円(住宅用、10kW未満の場合)ですが、この単価は10年後までずっと均一です。

卒FIT後は買取価格が減る

FIT制度スタート時の売電価格は1kWhあたり42円と、2024年度に比べてかなり高額でした。早くから太陽光発電を導入していたご家庭ほど多くの売電収入が見込めたのです。

しかしFITの固定買取単価は年度を追うごとに引き下げられており、当時ほどの売電収入は見込めません。

また現在では、太陽光発電システムの設置・FIT制度の導入から10年が経過し、固定価格での買取が終了したご家庭も増えています(いわゆる“卒FIT”)

卒FIT後の売電単価は、FIT制度で決められた固定買取単価に比べると大きくダウンしてしまいます。

そのため卒FIT後のご家庭では、「蓄電池を導入して自家消費に活用したい」とお考えになる方が多く見られます。

自家消費では売電収入こそ得られませんが、自宅で使う電気をまかなうことで電力会社から買う電気の量を減らせるため、家計全体の可処分所得(使えるお金)が増えるメリットがあります。
また蓄電池関連の補助金では「自家消費する場合にのみ設置費用を補助する」という規定が設けられているものもあるため、これから太陽光・蓄電池をセットで設置する場合は、はじめからFIT制度を利用しない(売電しない)ことを選択するのも一つの方法です。

おすすめの蓄電池メーカー10選!それぞれの特徴を紹介

ここからはおすすめの蓄電池メーカーと代表的な製品の特徴、魅力などをご紹介します。

それぞれ他のメーカーと比べた特徴・魅力をお伝えしますので、ぜひご参考にしてみて下さい。

※施工業者によって扱っている蓄電池やメーカーは異なります。希望する蓄電池の施工に対応しているか不安な方は、あらかじめ施工業者に相談されると安心です。

長州産業

太陽光関連機器に定評のある長州産業は、国内老舗の太陽光パネルメーカーです。同社では蓄電池も提供しており、長年のノウハウを生かした開発・サポートを行っています。

代表的な製品の「スマートPVマルチ(屋内・屋外設置タイプ)」では、6.5~16.4kWhまで3種類の蓄電容量をラインナップ。ライフスタイルに応じて最適な容量を選びやすくなっています。

自立運転時には4.0kVA・200V機器に対応しているため、停電時でもIHコンロやエアコン、冷蔵庫などの家電を問題なく使用できます。機器構成に応じてハイブリッドと単機能、全負荷と特定負荷がカスタムできるようになっているので、停電時のニーズ(全部屋いつも通り使えるようにしたい、一部屋のみの特定負荷で長く電気をバックアップしたい等)に合った使い方が可能です。

国内の自社工場で生産する国産の蓄電池にもかかわらず、価格帯は他メーカーに比べると低め。性能、コスト、サポートのどれをとっても優秀なメーカーといえるでしょう。シェア率が高い分、幅広い施工業者が扱っているところも魅力です。

【大まかな特徴】
・太陽光、蓄電池ともにトップクラスのシェアを誇るメーカー
・国内生産にもかかわらず価格相場が安い
・独自の技術により長寿命化を実現
・自家消費優先、売電優先などライフスタイルに合わせた運転モードが選択可能
・AI機能で夜間充電量の自動制御、気象警報連動の自動充電ができる
・構成機器15年保証に加え、施工後の雨漏り保証が10年ついている

【どのような方におすすめ?】
・国産で低コスト、高機能な蓄電池をお探しの方
・太陽光発電と合わせて電気代を最小限に抑えたい方
・保証の手厚さを重視したい方

【代表的な商品のスペック】

メーカー名長州産業
機種名/型番スマートPVマルチ
重量65~150kg
蓄電容量6.5、9.8、16.4kWh
充放電回数とサイクル寿命要問い合わせ
保証期間構成機器保証:15年施工保証(雨漏り等):10年
設置場所屋外/屋内
価格相場(工事費込)130万円~

ニチコン

ニチコンは家庭用蓄電システムの累計販売数No.1(※2023年12月ニチコン調べ)を誇る京都のメーカーです。

創立は1950年と長い歴史を持ち、単機能、ハイブリッド式蓄電池のほか、太陽光発電+蓄電池+V2Hに必要なパワコンを一体化した「トライブリッド式」の蓄電池を提供しているのが大きな特徴です。

たとえば太陽光発電で作った電気を電気自動車に使う場合、トライブリッド蓄電池があれば昼間に太陽光で電気を作って蓄電池に溜めておき、夜間に電気自動車へ充電することができます。

また、トライブリッド蓄電池と電気自動車、ニチコン製V2Hを併用すれば、電気自動車に溜めた電気を家庭内で使うことも可能です。

なお、ニチコンのトライブリッド蓄電池には4.9kWhと7.4kWhの容量があり、組み合わせることで最大14.9kWhの大容量蓄電池としても使えます。ライフスタイルの変化に応じてあとから追加することもできるため、今後家族が増える予定のご家庭にもぴったりです。

ちなみに、ニチコンのトライブリッド蓄電池には15年と長めの保証が付帯しています。またAI制御や気象警報自動制御、見守りサービスがある点も安心感に繋がるポイントといえるでしょう。

設置サイズは他社に比べると大きめですが、スペックと価格のバランスが良く、初めて蓄電システムを利用される方や電気自動車をお持ちの方にはおすすめのメーカーです。

【大まかな特徴】
・太陽光、電気自動車、V2Hと連携することでムダなく電気を活用できる
・大小異なる容量の蓄電池を組み合わせて使うことができる
・全負荷型&200Vの出力に対応でき、停電時でも家全体の電気をまかなえる
・3つのモードでライフスタイルに合わせて運転をコントロールできる
・AI自動制御サービス、気象警報自動制御で蓄電を最適化できる
・24時間365日の見守りサービスあり

【どのような方におすすめ?】
・性能に対するコスパを重視している方
・電気自動車やV2Hと連携し、電気の自給自足をしたい方
・停電時でもいつも通りの生活をしたい方

【代表的な商品のスペック】

メーカー名          ニチコン
機種名/型番トライブリッド蓄電システムES-T3S1(4.9kWh)/ES-T3M1(7.4kWh)
重量4.9kWh:50kg7.4kWh:61kg
蓄電容量4.9kWh(初期実効容量4.2kWh)7.4kWh(初期実効容量6.4kWh)
充放電回数とサイクル寿命要問い合わせ
保証期間15年
設置場所屋外
価格相場(工事費込)100万円~

トヨタ

自動車で有名なトヨタでは、自社の電池技術を活用した蓄電池システム「おうち給電システム」を提供しています。

おうち給電システムは停電時に家全体に電力を供給可能な「全負荷型」の蓄電池で、部屋を問わず家電が利用できます。太陽光発電で作った電気はもちろん、EV車(電気自動車、ハイブリッド車など)と接続すれば、クルマから蓄電池へ電気を送って住宅へ供給することも可能です。

またトヨタの蓄電池は、売電を優先する「ノーマルモード」のほか、自家消費を高める「省エネモード」、深夜電力と太陽光発電で充電する「スマートモード」、停電時に備える「蓄電モード」の4つの利用パターンが選べるのも特徴です。

モード管理や電気の流れはスマートフォンから操作ができ、専門知識がない方でも安心して電気の運用ができます。

他のメーカーに比べるとコストは高い傾向にありますが、既に太陽光発電を導入している方、トヨタのエコカーを所有されている方には特におすすめといえるでしょう。

【大まかな特徴】
・トヨタの最高峰の電池技術を使って生み出された家庭用蓄電池
・停電時は全部屋に電気を供給、電気自動車等から蓄電池への給電もOK
・スマホからかんたんに電気の状況、運転モードの管理ができる
・蓄電池ユニットは横長でスタイリッシュな外観、どのような家にも調和しやすいデザイン

【どのような方におすすめ?】
・トヨタのエコカーを利用している方
・スマホで手軽に蓄電管理をしたい方
・外観をすっきりさせたい方

【代表的な商品のスペック】

メーカー名トヨタ
機種名/型番おうち給電システム
重量142kg
蓄電容量定格容量:8.7kWh初期実効容量:6.2kWh
充放電回数とサイクル寿命要問い合わせ
保証期間10年
設置場所屋外
価格相場(工事費込)240万円~

住友電工

住友電工の「POWER DEPO H」は蓄電容量12.8kWhの大容量型蓄電池です。

容量に伴いサイズ・重量ともにビッグですが、パワーコンディショナーなどの機器がオールインワンになった一体型のハイブリッド蓄電池のため、外観がすっきりまとまる点が魅力。

肝心のスペックも、AIを活用した高効率の充電・給電機能があったり、寒冷地の使用にも耐えうる長寿命電池を使用していたりと充実。

14.5kWまでの高出力太陽光発電システムと接続ができるので、ハイパワーの太陽光を積んで電気の自給自足を目指したい方や、災害時にいつもと変りなく電気を使いたい方におすすめの蓄電池となっています。

保証期間も15年と長く、ユーザーからはサポートの手厚さも好評です。

【大まかな特徴】
・オールインワン型でスッキリした見た目
・最新の高出力太陽光パネル(最大14.5kW)とも接続可能
・-20℃~45℃の環境で充放電が可能、寒冷地にも対応可能
・AI制御で充電量を自動調整し、自家消費率を高められる
・AIによる停電予測機能で緊急充電モードへ自動切換え

【どのような方におすすめ?】
・大容量の蓄電池を設置したい方
・見た目のスッキリさを重視したい方
・保証、アフターサポートの手厚さを重視したい方

【代表的な商品のスペック】

メーカー名住友電工
機種名/型番POWER DEPO H
重量約230kg
蓄電容量12.8kWh
充放電回数とサイクル寿命11,000回
保証期間機器保証:15年
設置場所屋外
価格相場(工事費込)180万円~

パナソニック

国内トップクラスメーカーのパナソニックでは、自社の太陽光発電システム・蓄電池ユニット・パワーステーションを連携させ、より効率よく電気を活用する「創蓄連携システム」を提唱しています。

このうち蓄電池ユニットについては、室内用・屋外用(屋側用)ユニットのどちらもコンパクトなサイズに仕上げており、空きスペースを有効活用しながら蓄電池が設置できる設計になっています。

またサイズだけではなく、停電時には0.2秒で自動的に給電を行う機能が搭載されるなど、性能面も優秀です。すでにパナソニックの太陽光発電システムやパワーステーションを利用されている場合は連携することでより効率的に電気を活用できるでしょう。

価格相場は他メーカーと比較してやや高めにはなりますが、機器の瑕疵保証15年、蓄電池ユニットの保証も10年(有償で15年にグレードアップ可)ついているなど、サポートの手厚さも魅力です。

【大まかな特徴】
・「創蓄連携システム」により自社製品を連携し効率よく電気を活用できる
・サイズがコンパクトで室内に設置しても圧迫感が少ない
・停電が起こったときにすばやく自動給電がスタートするので安心

【どのような方におすすめ?】
・目的に応じて蓄電容量をカスタマイズしたい方
・室内においても圧迫感のない蓄電池をお探しの方
・パナソニックの太陽光発電システムを使用中で、効率よく発電・蓄電をしたい方

【代表的な商品のスペック】

メーカー名パナソニック
機種名/型番[住宅用]創蓄連携システムS+(蓄電池ユニット)
重量約46kg~85kg
蓄電容量屋内用:3.5kWh、5.6kWh屋側用:5.6kWh、6.3kWh
充放電回数とサイクル寿命要問い合わせ
保証期間機器瑕疵保証:15年蓄電池ユニット保証:無償10年、有償15年
設置場所屋内/屋外
価格相場(工事費込)180万円~

シャープ

日本を代表する電機メーカーのシャープ

最新モデルのJH-WB1921・JH-WB2021は、停電時に家じゅう丸ごと給電、または特定の部屋だけ給電することも可能です。停電時でも200V・5.5kVAの出力に対応可能なため、多くの電気を必要とするエアコンなどの稼働もOK。

コンパクトなサイズ感なので、限られたスペースでも設置できるのが嬉しいポイントです。

またJH-WB1921は2台置きにも対応しており、増設すれば最大13.0kWhの大容量蓄電池として使用できます。太陽光発電システムとの連係がしやすい設計になっているため、あとから蓄電池を導入される方にもおすすめの製品といえるでしょう。

なお、シャープのJH-WB1921、JH-WB2021はAIシステムの「COCORO ENERGY」とクラウド連携することもできます。

AIで生活パターンを学習してエネルギー効率が良くなるよう自動制御したり、気象警報の発令時に停電時の備えとして自動充電をしてくれる機能など、生活の利便性と安全を確保するための機能が備わっています。

保証期間は無料保証が10年、有償保証なら15年と長めなので、長期利用でも安心です。

【大まかな特徴】
・停電時の電気の使い方が全負荷・特定負荷から選べる
・AI制御で快適&便利に蓄電池が利用できる
・サイズがコンパクトで設置しやすく、保証も充実

【どのような方におすすめ?】
・大手メーカーの安心感を求める方
・AI機能でラクに蓄電管理をしたい方
・設置スペースが狭く小さめの蓄電池を探している方

【代表的な商品のスペック】

メーカー名シャープ
機種名/型番JH-WB1921
重量約74kg
蓄電容量公称:6.5kWh定格:6.3kWh
充放電回数とサイクル寿命要問い合わせ
保証期間15年
設置場所屋内/屋外
価格相場(工事費込)150万円~

オムロン

健康医療機器で有名なオムロンの蓄電池では、マルチ蓄電プラットフォーム「KPBP-Aシリーズ」が主力商品となっています。

蓄電容量は屋内型で3種類、屋外型で2種類から選べるため、家族構成や電化製品の使用状況に応じて選びやすくなっています。

屋内型の3種は海辺などの重塩害地域でも設置可能です。(※室内設置が条件)

また、KPBP-Aシリーズはライフスタイルや太陽光発電の設置状況に応じて単機能型、ハイブリッド型、全負荷型ハイブリッドの3機能が利用できるところも特徴。

たとえば太陽光発電システムをすでに設置しているご家庭では、単機能型の蓄電池としてそのまま使用OK。太陽光発電と蓄電池を同時設置する場合は、PVユニットと呼ばれる周辺機器を追加し、ハイブリッド蓄電システムとして使えます。

価格相場は他メーカーに比べるとやや高めになるケースが多いものの、長寿命ゆえ長い目で見たコストは低めです。長く使える蓄電池をお探しなら、ぜひ候補に入れたいメーカーといえるでしょう。

【大まかな特徴】
・屋内/屋外設置に対応していて容量が選べる
・太陽光発電の有無などに応じて臨機応変に設置可能
・PC、スマートフォンからシステムの動作状況や発電量を確認できる

【どのような方におすすめ?】
・すでに太陽光発電を導入している人
・ライフスタイルに合わせて無駄なく電気を使いたい人
・初期コストより長い目で見たランニングコストを減らしたい人

【代表的な商品のスペック】

メーカー名オムロン
機種名/型番KPBP-Aシリーズ
重量65~150kg
蓄電容量屋内:6.5/9.8/16.4kWh 屋外:6.3/12.7kWh
充放電回数とサイクル寿命充放電回数:回サイクル寿命:1回
保証期間15年
設置場所屋内/屋外
価格相場(工事費込)140万円~

京セラ

京セラでは独自のクレイ型リチウムイオン電池を用いた蓄電池「エネレッツァ」シリーズが人気です。クレイ型リチウムイオン電池とは、電極に電解液を練り込み、粘土のようにした蓄電池です。

特殊な蓄電池を使うことで燃えにくく、なんど20,000サイクルもの長寿命化に成功しています。20,000サイクルというのは他メーカーの長寿命蓄電池の約1.7倍の寿命であり、年数にすると約55年使用できる計算です。

合わせて使用するパワコンの寿命は長くとも20年程度のため途中で交換が必要になるものの、蓄電池本体は非常に長持ちするため、長期的なコスト削減に繋がるでしょう。

またエネレッツァは設置後2年以内であれば増設ができる点も特徴です。お子さんの誕生や同居などで家族の人数が増えた場合も、蓄電池を増設することで十分な量の電気をまかなうことができます。

なお、停電時には運転モードを切り替えることで「蓄電池の電気から優先して家へ供給する」「太陽光と外部電源(電気自動車など)から優先して家へ電気を供給、蓄電池の電気は残しておく」といった管理がしやすいのもエネレッツァの特徴です。

特定負荷型のため全部屋では使用できないことや導入コストが他社に比べるとやや高い点はネックですが、大手ならではの保証の手厚さもあり、安心して利用できる蓄電池といえるでしょう。

【大まかな特徴】
・燃えにくく長寿命なクレイ型リチウムイオン蓄電池を採用
・設置後2年以内なら増設できる
・目的に応じて運転モードや給電元が選べる

【どのような方におすすめ?】
・寿命の長さ(長期的コストの低さ)を重視したい方
・ライフスタイルに応じて蓄電容量をカスタマイズしたい方
・太陽光発電や電気自動車を併用している方

【代表的な商品のスペック】

メーカー名京セラ
機種名/型番エネレッツァ
重量64kg
蓄電容量5.5kWh/11.0kWh/16.5kWh
充放電回数(サイクル寿命)20,000回
保証期間機器保証:15年容量保証:15年間で60%自然災害保証:10年
設置場所屋内/屋外
価格相場(工事費込)160万円

伊藤忠商事

伊藤忠商事の「スマートスターL」は、単機能型で比較的リーズナブルに利用できる蓄電池です。

特筆すべきは「全負荷型」で停電時に強いこと。単機能型の蓄電池には特定の回路・機器にしか使用できない特定負荷型のタイプが多いのですが、スマートスターLはどんな部屋でも使用できる全負荷型の蓄電池となっています。

またスマートスターLは9.8kWhと蓄電容量が大きく、200V・3kVAの高出力に対応している点も魅力です。エアコンやIHコンロなど高出力が必要な機器にも対応しているので、停電が起こってもいつも通りの生活が送れます。

フル充電までの充電スピードも3時間と他社に比べて速く、停電時でも6kWまでの太陽光発電システムが稼働できるなど、災害に強い設計になっています。充電量はモニターで確認できるほか、残量設定で使い切らないようにすることも可能です。

【大まかな特徴】
・エアコンやIH機器、エコキュート・エネファームなどの200V機器にも対応
・全負荷型、最大3kVAの高出力で同時に多くの家電が使える
・充電スピードが速く、3時間でフル充電可能
・残量設定で使い切らないように設定できる

【どのような方におすすめ?】
・停電時でも快適に生活したい方
・充電スピードを重視したい方
・充電量をモニターで確認したい方

【代表的な商品のスペック】

メーカー名伊藤忠商事
機種名/型番スマートスターL/LH3098S
重量195kg
蓄電容量定格容量:9.8kWh実効容量:8.8kWh
充放電回数とサイクル寿命6,000回
保証期間10年
設置場所屋外
価格相場(工事費込)200万円前後

リミックスポイント

リミックスポイントの「リミックスバッテリー」は、多様なメーカーの太陽光発電システムに対応しているハイブリッド蓄電システムです。

停電が起こった場合は自動で検知するとともに、即座に電力供給運転へ切り替わるなど、非常時にも安心の設計となっています。

また家全体へ電力を供給するか(全不可型)、特定の場所にのみ供給するか(重要不可型)から好きなモードを選べるため、電力消費やライフスタイルに応じた使い方ができます。

電力の使用目的に応じて4つのモードが選べるなど、かゆいところに手が届く設計となっています。

製品を取り扱っている会社が限られていること、5.8kWh・11.5kWhの2種類のみのラインナップであることなど、他社に比べると選択肢は狭いものの、充放電サイクル数は8,000回と長く使えます。

「大容量で機能に柔軟性のある蓄電池を導入したい」という方には特におすすめです。

【大まかな特徴】
・幅広いメーカーの太陽光発電システムに対応
・全負荷型と特定負荷型が選べて柔軟な使い方ができる
・蓄電容量は5.8~11.5kWhの2種類

【どのような方におすすめ?】
・大容量の蓄電池を探している方
・太陽光発電システムを既設していて新たに蓄電池を追加したい方
・機能の柔軟性と寿命の長さを重視したい方

【代表的な商品のスペック】

メーカー名リミックスポイント
機種名リミックスバッテリー
重量157kg(増設ユニットは97.5kg)
蓄電容量定格容量:5.8~11.5kWh初期実効容量:4.88~9.79kWh
充放電回数とサイクル寿命充放電回数:8,000回サイクル寿命:12,000回
保証期間10年
設置場所屋内、屋外
価格相場(工事費込)180万円~

蓄電池選びで押さえておくべき7つのポイント

蓄電池選びにおいて押さえておくべきポイントは以下の7つです。

  1. 蓄電容量
  2. バッテリーの素材
  3. 充放電サイクル数(寿命)
  4. 蓄電効率
  5. サイズと重量
  6. 保証期間の長さ
  7. 価格

メーカー選びも重要ですが、最も重要なのは蓄電池そのもののスペックです。また、導入するには初期費用や点検・修理などの維持コストもかかるため、保証期間や価格についても確認し、納得のいく製品を選びましょう。

蓄電容量

蓄電容量とは「一度にどれだけの電力を貯められるか」を示すものです。

単位は一般的にキロワット時(kWh)で表され、家庭用蓄電池では数 kWh~数十kWhまでの容量が一般的です。

蓄電容量が大きければ大きいほどより多くの電力を貯めることができ、非常用電源としても活用しやすくなります。ただし、その分コストも高くなる点には注意が必要です。

反対に容量の小さい蓄電池はコストも抑えられますが、使う電力に対し蓄電容量が足りないと頻繁に充電することになるので、人によっては不便さを感じるかもしれません。

ご自宅の電気の使用状況に合わせ、過不足のない容量を選ぶと満足度も高まるでしょう。

バッテリーの素材

蓄電池のバッテリーの素材には、主に鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、NAS電池などがあります。それぞれのバッテリーには異なる特性があります。

たとえば近年主流になりつつある「リチウムイオン電池」は、エネルギー効率が高く長寿命、小型化しやすいなどの特性があり、家庭用蓄電池やスマホバッテリーなどに広く使われています。

電池の種類         特徴
鉛蓄電池歴史が古く、自動車や非常用電源などに広く利用されている
リチウムイオン電池小型でも大容量の放電が可能な電池。急速充放電ができ、寿命も比較的長い。大型~中型のものは家庭用蓄電池に、小型のものはスマホ、ノートパソコンなどに利用されている。
ニッケル水素電池主に電気自動車のバッテリーに使用される電池。高出力・大容量で過充電・過放電に強く、寿命が長い
NAS電池主に工業用として活用されている電池。充放電の効率が良好、低コストで長寿命

充放電サイクル数(寿命)

蓄電池のサイクル数とは、蓄電池が充放電できるサイクルの数のことを指します。充電ゼロの状態からフル充電し、使いきるまでを1サイクルとして数えます。

蓄電池はメーカー・製品ごとにサイクル数が異なっています。サイクル数が多いほど寿命が長く、長期間利用できる可能性が高いと判断できます。

ちなみに、主流となっているリチウムイオンバッテリーの蓄電池は6,000~12,000サイクル使用できる製品が多く見られます。

定格出力

蓄電池の定格出力は、一度に供給できる最大の電力量を示します。蓄電池の定格出力が高いほど多くの電力を同時に供給できますが、値段も高価になりがちです。

同時に使う電化製品の数が多い場合は、定格出力の高い蓄電池を選ぶと快適に過ごすことができます。

定格出力が低い場合、少ない電力しか供給できません。その代わり、導入コストは低くなります。使用状況や予想される電力需要に応じて、適切な定格出力を選ぶようにしましょう。

サイズと重量

家庭用蓄電池を選ぶ際には、ご自宅に置けるサイズ・重量なのかを確認しておきましょう。

家庭用蓄電池のサイズ・重要は容量が多くなるほど大きく、重くなります。一般的な住宅では、屋外・屋内ともに設置スペースが限られていることが多いため、ご希望の蓄電池が設置できるかどうかを事前に確認しておきましょう。

屋内に蓄電池を設置する場合は、置く場所(壁や床)が蓄電池の重さ(70~120kg程度)に耐えられるのかどうかも確認しておかねばなりません。

置き場所の広さに制約がある場合は、コンパクトな蓄電池を選ばれるとよいでしょう。また屋外に設置される場合は重量をあまり気にしなくてもよいですが、屋内に設置される場合は軽量タイプの屋内型蓄電池を選ぶことをおすすめします。

保証期間の長さ

蓄電池の保証期間は、製品の性能や耐久性を示す重要な指標の一つです。保証期間が長ければ将来的なコストを抑えられるうえ、故障や不具合などが起きた時にメーカーへ相談できることは大きな安心につながります。

蓄電池は10年を過ぎると劣化や性能の低下、不具合などが起こる可能性がアップします。その大きな原因が「内部部品の劣化」です。買い替えを選ぶという選択肢もありますが、今の蓄電池をそのまま使い続けるためには修理や部材の交換が必要になる場合があります。

その際にメーカー保証が利用できれば、将来的にかかる修理や部品交換等のメンテナンス費用を軽減できます。

価格

蓄電池の価格は最終的に重要な要素となります。といっても、安ければいいというわけではなく、他の要素とバランスを取る必要があります。

仮に初期投資が高くなったとしても、長い寿命や高い効率を持つ蓄電池を選ぶことで、長期的に見たコストは低く済みます。また容量の大きな蓄電池は高価ですが、たっぷり電気を溜めておける分、災害時にも普段通り家電を使えるメリットがあります。

蓄電池を設置する場合、国や自治体の補助金・助成金を活用することで費用負担を抑えられます。

例えば東京都の「家庭における蓄電池導入促進事業」では、助成対象経費の3/4相当の補助が受けられます。蓄電池単体の設置なら最大120万円/戸、4kW以上の太陽光発電システムと合わせて設置する場合は最大1,500万円まで助成が受けられる仕組みです。

ご予算が気になる方は、施工業者に補助金・助成金活用のアドバイスを受けるとともに、制度をフル活用されることをおすすめします。

蓄電池補助金・助成金についてのご相談ならファミリーグループへ

蓄電池選びでよくある質問

Q1.: 蓄電池の寿命は?設置費用はいくらぐらいになりますか?

A: 一般的に、蓄電池の寿命は約10年から20年です。ただし、使用状況やメーカーによって寿命は変わります。また「使用年数」のほかには「充放電サイクル(充放電できる数)」も重要な要素となりますので、合わせて確認しましょう。

設置費用は蓄電池の容量によっても異なりますが、一般的には80~200万円程度が相場です。費用負担が気になる方は、国や自治体の補助金・助成金制度を活用すると負担を軽減できます。

■参考(一部令和5年度のページあり/令和6年度も継続確定の制度を紹介)

・国土交通省「子育てエコホーム支援事業

・環境共創イニシアチブ「家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業

・東京都「家庭における蓄電池導入促進事業(災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業)

Q2: 蓄電池の容量はどの程度必要ですか?

A: 一般的には5~7kWhの容量の蓄電池が人気です。

ただし、家庭の電力使用量や予算に応じて最適な蓄電池は異なります。また、近年では災害対策として大容量の蓄電池を選ばれるご家庭も増えています。

家庭の一日の平均消費量に応じて容量を選択すると失敗が少ないでしょう。

家庭の一日の平均消費量や蓄電容量については、以下のコラムを参考にしてみて下さい。

関連リンク:太陽光発電をするなら家庭用蓄電池も設置しよう!メリットや費用の目安、補助金について解説

Q3: 太陽光発電と蓄電池の組み合わせのメリットは?

A: 蓄電池を使うことで、太陽光発電で発電した電力を貯めて夜間や雨天時に使用できます。これにより電気代の削減につながったり、停電・災害などの非常時の備えとして役立てられます。

Q4: 蓄電池は室内にも設置できますか?

A: 蓄電池には屋外用、屋内用があり、屋内用の蓄電池を選べば室内にも設置ができます。

屋内用蓄電池は直射日光や雨などの影響を受けないので劣化しにくく、長持ちしやすい点がメリットです。その一方で、部屋が狭くなってしまう点がデメリットといえます。

屋外用の蓄電池は室内が狭くならないこと、配線工事がしやすいこと、メンテナンスしやすいことがメリットです。ただし、風雨にさらされる分屋内用に比べると劣化が早くなります。

敷地に余裕があれば大きなサイズの蓄電池を設置することもできるため、自由度は屋外用のほうが高いといえるでしょう。

Q5: 蓄電池の設置場所はどこが適していますか?

A: 屋外用の蓄電池は、十分な換気や安全性が確保された場所が適しています。設置場所によっては地面に据え付けることも可能です。

雨や雪などがかかりにくく、気温の変化に影響を受けにくい場所へ設置しましょう。メンテナンスのことを考慮すると、周りに十分な空間が確保できるスペースへ設置することも重要です。

屋内用の蓄電池の場合は、熱や湿気がこもりにくく、直射日光・雨水が差し込まない場所へ設置することが望ましいです。また操作・点検のため周囲に1.0mのスペースを空けること、70~120kgの重量に耐えられる床のある場所に設置する必要もあることを知っておきましょう。

Q6: 蓄電池の充電時間はどのくらいですか?

A: 太陽光発電や電力供給状況によって異なりますが、通常は数時間~数日間かかる場合が多いです。

Q7: メンテナンスは必要ですか?

A: 基本的には定期的なメンテナンスは必要ありませんが、定期的な点検や清掃は性能維持のために重要です。

ただし、内部構成部品の寿命は約10年となっている点に注意が必要です。使用して10年に差し掛かるころには充放電状況、稼働状況を確認し、異常があれば点検・修理・交換を検討するとよいでしょう。

Q8: 蓄電池と太陽光パネルのメーカーは揃えるべき?

A: 蓄電池と太陽光パネルのメーカーを統一した場合、互換性があり連携がしやすくなるメリットがあります。ただし必ずしもメーカーを揃える必要はなく、異なるメーカーの組み合わせでも問題なく機能するケースは多いのが現実です。

※メーカーの組み合わせによっては接続が上手くいかず、蓄電池が作動しないケースもあります。

最終的な選択は予算や性能要件、信頼性などを考慮して決める必要がありますが、ご不安な場合は施工業者や蓄電池の販売店、メーカーに相談されるとよいでしょう。

Q9: 蓄電池のインバーターとは何ですか?

A: 蓄電池からの直流電力を家庭用の交流電力に変換する装置です。インバーターを作動させることで、安定した電力供給を実現します。

Q10: 蓄電池の保証はありますか?

A: 一般的に蓄電池には10~15年の製品保証が付いています。

ただし保証内容や期間はメーカーや製品によって異なりますので、あらかじめ確認されることをおすすめします。

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まとめ

本記事ではおすすめの蓄電池メーカー10社の特徴や、蓄電池の選び方のポイントをご紹介しました。

蓄電池は太陽光発電や電気自動車と組み合わせて使うことで電気代の節約につなげられ、非常時の電源としても活用できます。またこれから卒FITを迎えるご家庭においては、売電ではなく自家消費へのスイッチングにも蓄電池が役立つでしょう。

ファミリーグループでは、東京都にお住まいの皆様から蓄電池の導入・設置のご相談を承っております。弊社ではこれまで多くのご家庭において太陽光発電・蓄電池の設置をお手伝いしてまいりました。

蓄電池の設置に使える補助金・助成金についてもご案内させていただきますので、「設置費用が高くなりそうで不安」という方もぜひお気軽にお声がけください。

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