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ZEHリフォームに太陽熱利用システムは必要か?給湯との関係から考える導入の考え方(前半)

ZEHリフォームを検討する中で、「太陽熱利用システムは今でも使えるのか」「太陽光発電とは何が違うのか」と疑問に感じる方は少なくありません。

太陽熱利用システムと聞くと、少し前の設備というイメージを持つ方もいるでしょう。

しかしZEHの考え方を整理すると、太陽熱利用システムは決して過去の技術ではなく、使い方次第で今も有効な選択肢になり得ます。

ただし、太陽熱利用システム“だけ”でZEHが成立するわけではありません。

住宅性能や給湯計画と組み合わせて考えなければ、期待した効果は得にくくなります。

本記事では太陽熱利用システムの基本的な仕組みや太陽光発電との違い、ZEHリフォームにおける正しい位置づけを整理。住宅性能とどう組み合わせるべきかをわかりやすく解説します。

太陽光発電以外の選択肢も含めて、無理のないZEHリフォームを検討したい方は、ぜひご参考にしてみてください。

>>ZEHリフォームの中で太陽熱利用システムをどのように位置づけるべきかについては“ZEHリフォーム×太陽熱利用まとめ後半”をご覧ください。

①:ZEHリフォームで「太陽熱利用システム」は使えるのか?

ZEHリフォームといえば太陽光発電を思い浮かべる方が多く、「太陽熱利用システムは対象になるのか」「今さら導入する意味はあるのか」と疑問を持つ方もいるでしょう。


まずはZEHの考え方を整理したうえで、太陽熱利用システムがどの位置づけになるのかを確認します。

ZEHは太陽光発電が前提ではない

ZEHは「太陽光発電を載せる住宅」という意味ではありませんが、一般的には太陽光発電などの創エネ設備を組み合わせて成立させるケースが多いです。


本来の考え方は、住宅の一次エネルギー消費量を抑え、できるだけ自立したエネルギー構成に近づける点にあります。

ZEHで重視されるのは、次のような要素です。

・断熱や気密による消費エネルギーの削減・設備効率の向上・創エネによる補完

この中で太陽光発電は代表的な創エネ手段ですが、唯一の選択肢ではありません。


エネルギー消費を抑える方向に働くのであれば、電気以外の手段もZEHの考え方と矛盾しませんが、最終的な評価は一次エネルギー消費量の削減と創エネのバランスで判断されます。

太陽熱利用システムが再注目される理由

太陽熱利用システムは、かつて給湯設備として広く使われていた経緯があり、古い技術という印象を持たれがちです。


しかしZEHリフォームの文脈では、見直される理由があります。

・電気を使わずにエネルギーを得られる・給湯負荷を直接下げられる・住宅性能向上と相性が良い

特に給湯は、住宅の一次エネルギー消費量の中でも比重が大きい分野です。


その負荷を太陽熱で一部補える点は、ZEHリフォームにおいて一定の意味を持ちます。

②:太陽熱利用システムとは何か(ZEH視点で整理)

太陽熱利用システムは、太陽の熱エネルギーを直接活用する仕組みです。

ZEHリフォームの文脈では、発電ではなく「消費エネルギーを減らす手段」として位置づける点が重要になります。

ここでは、太陽熱利用システムの基本的な仕組みを整理したうえで、太陽光発電との違いをZEH視点で確認します。

太陽熱利用システムの基本的な仕組み

太陽熱利用システムは、屋根などに設置した集熱部で太陽の熱を集め、その熱を給湯などに活用する仕組みです。


電気に変換する工程がないため、発電と比較するとエネルギー変換ロスは少ない傾向があります。

太陽熱利用システムの基本的な流れは次の通りです。

①太陽光を集熱パネルで受ける②集めた熱を水や不凍液に伝える③貯湯タンクに蓄え、給湯などに利用する

このように、太陽熱利用システムは「電気をつくる設備」ではなく、「熱をそのまま使う設備」です。


ZEHリフォームでは、この点を正しく理解しておく必要があります。

ZEHにおける太陽熱利用システムの役割

ZEHでは、一次エネルギー消費量をどこまで削減できるかが評価の軸になります。

太陽熱利用システムは、給湯に使うエネルギーを減らす方向に働く設備です。

給湯は、住宅のエネルギー消費の中でも割合が大きく、対策の効果が表れやすい分野です。
その負荷を太陽熱で一部補える点は、ZEHリフォームにおいて意味を持ちます。

ただし、太陽熱利用システムは用途が給湯中心に限られます。
冷暖房や家電まで幅広くカバーできる設備ではありません。

中見出し:太陽光発電との違い

太陽熱利用システムと太陽光発電は、同じ「太陽エネルギー」を使いますが、役割は大きく異なります。


ZEH視点での違いを整理すると、次のようになります。

項目太陽熱利用システム太陽光発電
得られるエネルギー熱電気
主な用途給湯家電・設備全般
ZEHでの役割消費削減創エネ
エネルギーロス比較的少ない変換ロスあり
天候の影響日射量に左右される日射量に左右される

太陽熱利用システムは電気を生み出す設備ではありませんが、給湯エネルギーを削減することで一次エネルギー消費量の低減に役立ちます。

ZEHリフォームで太陽熱利用システムを検討する場合は、太陽光発電の代替として捉えるのではなく、給湯負荷を下げる補完的な手段として整理することが重要です。

③:ZEHリフォームで太陽熱利用が活きる条件

太陽熱利用は、導入すれば必ず効果が出る設備ではありません。


ZEHリフォームの文脈では、住宅性能や設置条件が整ってはじめて、その効果が安定します。

ここでは、太陽熱利用が活きやすい住宅の条件を整理し、ZEHリフォームとの相性を確認します。

断熱・気密が整っていることが前提

太陽熱利用の主な用途は給湯です。


そのため、集めた熱を無駄なく使える住宅環境かどうかが重要になります。

断熱・気密が一定水準に整っている住宅では、次のような効果が期待しやすくなります。

・配管や浴室まわりでの熱ロスが抑えられる
・お湯の温度が安定しやすい
・給湯エネルギー全体の消費量が読みやすい

反対に、断熱や気密が不十分な住宅では、太陽熱で得た熱が途中で失われやすく、効果を実感しにくくなります。


ZEHリフォームで太陽熱利用を検討する場合、外皮性能の改善とあわせて検討することが重要になります。

屋根条件と日射の影響を受けやすい

太陽熱利用は、設置条件による差が出やすい設備です。


特に影響が大きいのが、屋根形状や日射条件です。

・屋根の向きや勾配・周囲の建物や樹木による影・設置スペースの確保

これらの条件が整っていない場合、想定した集熱量が得られず、給湯負荷の削減効果が限定的になります。

ZEHリフォームでは、屋根や外観の制約も含めて、現実的に導入できるかを見極める必要があります。

給湯設備との相性も重要

太陽熱利用は、単独で完結する設備ではありません。

既存の給湯設備や、リフォーム後に導入予定の設備との相性が、使い勝手や効果に影響します。

視点確認したいポイント
給湯方式貯湯型かどうか
使用量家族人数・生活リズム
補助熱源太陽熱を補う仕組み

ZEHリフォームでは、太陽熱利用を「給湯設備の主役」にするのではなく、負荷を下げる補完要素として組み込む考え方が現実的です。


住宅性能と給湯計画が整理されていれば、太陽熱利用は安定した役割を果たしやすくなります。

④:太陽熱利用システムだけではZEHにならない理由

太陽熱利用システムは、ZEHリフォームにおいて一定の効果が見込める設備です。


ただし、導入すればZEHが成立する、という性質のものではありません。

役割と限界を正しく理解しないまま期待をかけすぎると、計画全体にズレが生じやすくなります。

ここでは、太陽熱利用システムだけではZEHにならない理由を整理し、どこまでを担える設備なのかを確認します。

ZEHは「住宅全体の一次エネルギー」で評価される

ZEHでは、冷暖房・給湯・換気・照明などを含めた一次エネルギー消費量を、住宅全体としてどこまで削減できているかが評価されます。


太陽熱利用システムがカバーできるのは、その中でも主に給湯分野に限られます。

・冷暖房の消費エネルギー・換気や照明の消費エネルギー・家電全体の電力使用

これらすべてを含めて評価されるため、給湯だけを補う太陽熱利用システムでは、ZEHの要件(一次エネルギー削減と創エネのバランス)を単独で満たすことはできません。

用途が限定され、天候の影響も受けやすい

太陽熱利用システムは、太陽の熱を直接使う仕組みである以上、日射条件に左右されます。


また、用途が給湯中心に限られる点も特徴です。

観点太陽熱利用システムの特性
天候日射量や設置条件に強く左右される
季節夏と冬で差が出やすい
用途給湯が中心

このような特性から、太陽熱利用システムはエネルギー供給を安定して担う主役にはなりにくく、あくまで補完的な設備として位置づける必要があります。

住宅性能が整っていないと効果が薄れる

太陽熱利用システムで得た熱も、住宅側の性能が不足していれば有効に使われません。


断熱や気密が不十分な場合、配管や浴室まわりで熱が失われ、給湯負荷の削減効果が限定的になります。

・集めた熱を保ちにくい・給湯エネルギーの削減量が安定しない・体感として効果を感じにくい

ZEHリフォームでは、太陽熱利用システムを先に導入するのではなく、住宅性能を整えたうえで組み込む順序が重要です。

ファミリー工房では、ZEHリフォームの施工はもちろん、補助金の申請から書類提出、完了報告までをワンストップで承ります。
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監修者
大久保 洋司
株式会社ファミリーDesign

Director

約30年と経験豊富な建築士です。
細かいことから大きなことまで、お客様の視点に立った提案をします。
気軽にご相談ください。よろしくお願いします。

【保有資格】
一級建築士
監理技術者
マンションリフォームアドバイザー
既存住宅状況調査技術者
既存住宅アドバイザー

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